NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人 里豊夢(りほうむ)わかさ(福井県) |
「「里山の四季 まるごと体験」」 "身近にある里山の魅力を、自然体験活動を通して発見する。幼児から中学生までの異年齢集団の取り組みで、消滅しかけている自然遊びやモノづくりなどの伝承されてきた「子ども文化」の復活を目指し、生きる力を育む。" |
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速報レポート2 林業体験
実施期日 平成30年6月17日(日)
場所 NPO法人里豊夢わかさ活動地 能登野地籍里地里山「のとのの里」
参加者 小学生11名 中学生1名 幼児1名 保護者10名 スタッフ6名
スケジュール
9:00 のとのの里集合
9:20 ピザづくり(1) ピザ生地作りと発酵
9:50 昼食(カレーライス)の具づくり
10:30 火おこし体験と花炭づくり
11:30 ピザづくり(2) トッピングと石窯で焼く
12:10 昼食・フリータイム
13:30 薪づくり
15:30 花炭の確認
15:50 解散
活動内容
今回の活動は、未利用バイオマスの有効利用として放置間伐材、倒木で薪づくりがメインである。朝から気温29℃、蒸し暑い中の活動となったため休憩時間の確保と水分補給の指示などの健康管理に配慮した。また、いろいろな道具や火を使う活動であるため周りに気をつけることと気の緩みによる事故を起こさないなどの安全指導も行った。特に参加者23名のうち小学生5名が初参加者で、のこぎりの使用経験がなく、焚火の経験もない子どもたちであったため道具の取り扱いなどの注意事項は、しっかり守ることを指導した。
(1) 食に関する活動
今回も自分の食するものは自分で作る活動としてピザづくりを行った。初参加の子どもの指導は、5・6年生が行ってくれたが、いつも同様、必要最低限の関わりであった。高温多湿の影響でピザ生地が柔らかくなり、小麦粉を付け加えて、適当な硬さにするなど気を配っていた。
昼食のカレーライスの具材は、子どもたちが調理した。ジャガイモ、玉ねぎ、にんじんなどの皮むきや適当な大きさに切ることはすべて子どもたちが行った。初めて包丁を持つ子もいて、包丁の使い方の練習の場を設ける必要を感じた。お家でも調理のお手伝いの機会を設けていただきくことをお願いしたが、のとのの里でも子どもたちが調理する機会を継続していきたいと考えた。
柔らかい生地のため小麦粉を配布
初参加の1年生への指導
カレーライスの具材づくり
炒め物と酢のものづくり
中学2年生の合掌で昼食開始
楽しい昼食風景
(2) 火おこし体験と花炭づくり
初参加の親からオール電化であるため子どもは「火」についてほとんど知らず、火で焼いたり、煮炊きすることを知らずに大人になることに不安を感じて参加申し込みをしたと聞かされた。改めて人類の知恵が失われつつあることを知らされた。
まず、舞切り式火おこし器を使って火おこし体験を行った。煙はしっかり出るものの火種ができるまでにはいかなかった。湿度が高かったのが原因と考えられる。杉板を十分にり乾かしておくことが大切という反省もあった。
続いてマグネシウム火打石を使って焚火の種火作りを行った。種火を作るのに利用したのが秋の終わりに集めて保存していたススキの穂である。湿度が高いためピザ窯の余熱でしっかり乾燥していたため火花を打ち付けると簡単に着火し、焚火へとつなげることができず、着火に失敗した。この火おこしは幼児以外、全員成功し、満足していた。
種火に細い木を載せることから焚火を行い、この火を利用して花炭づくりを行った。缶の中に松ぼっくりなどの素材を入れて蒸し焼きを行った。子どもたちには中の様子を缶から出てくる煙の色で判断することを教え、まったく煙が出なくなってから砂の中に埋め、酸欠状態で温度をゆっくり下げた。
活動の最後に砂の中から缶を掘り出し、ワクワク感で缶のふたを開け、花炭の出来具合を確かめた。
予想以上の出来栄えで、折り紙で作った折り鶴を入れた子どももいたが原型はしっかり残っていた。
舞切り式火おこし器に挑戦
タイミングがずれて回せない子も
マグネシウム火打石で着火
火吹き竹で風を送り火力を強める
缶を包む炎で花炭づくり
折り鶴もしっかり炭化
(3) 薪づくり
田舎では子どもの仕事として欠かせなかった焚き木づくりの活動である。山の中に放置されている間伐材や倒木などを事前に引き出し、乾燥させておいた材を使って薪づくりを行った。ピザ窯で使用するのに適した長さで玉切を行った。
玉切りした材を薪割り機で割って薪をつくる。この薪は、風通しの良い小屋に積み上げ、十分乾燥させ、冬季のピザ窯や野外料理の燃料、暖を取るために焚火として活用することとしている。
放置間伐材等の玉切り
薪割りの世話をする中2の生徒
割った薪を抱え運搬・整理
(5)フリータイム
里山は、かつては子どもたちの格好の遊び場であり、恩恵を受けた場所である。今回、1時間ほどのフリータイムをとった。いつものように昼食を終えると冒険の森に入り、自分たちが作ったステージでひとしきり遊んだ後、里山の散策を行っていた。
昨年度まで季節ごとの里山探検・里山の不思議発見を行っていたが、あえて企画することなく子どもたちはフリータイム中に里山の自然としっかり向きあっていた。これはお膳立てされたプログラムではなく、自然発生的に行われている子どもたちの遊びの延長であり、「自然との触れ合い」である。子どもたちの動きを見ていると自然への興味・関心が高まっていると判断している。
「変なの見つけた」と声がかかり、子どもたちが呼びに来た。前回は、大きなガの幼虫と思しき生き物を発見していた。今回は、純白の寄生植物である。「ギンリョウソウ」という葉緑素を持たない植物で、なかなか見る機会がない。同じ場所に出てくる可能性が大であるということであるが、過去10年以上活動している中で初めて見る植物である。ただ、我々が知らない発見を子どもたちは里山で行っていると考えている。
秘密基地でリラックスタイム
里山のふしぎ発見
子どもたちが見つけたギンリョウソウ
速報レポート1 農業体験と巣箱づくり
速報レポート2 林業体験
速報レポート3 竹細工と水遊び
速報レポート4 秘密基地づくり
速報レポート5 秋を楽しむ
■別年度のレポート
2022年度 自然の中で生きる力と笑顔を育む体験活動~里山の自然に触れ、遊びとモノづくりを楽しみ、生きる力を育む~ 実施レポート
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