NO団体名主な企画内容
18 NPO法人 里豊夢(りほうむ)わかさ(福井県) 「「里山の四季 まるごと体験」」
"身近にある里山の魅力を、自然体験活動を通して発見する。幼児から中学生までの異年齢集団の取り組みで、消滅しかけている自然遊びやモノづくりなどの伝承されてきた「子ども文化」の復活を目指し、生きる力を育む。"

速報レポート3 竹細工と水遊び

日程:平成30日年7月22日(日)
会場:NPO法人里豊夢わかさ活動地 里山「のとのの里」と里地
参加者:小学生12名 中学生2名 幼児2名 保護者10名  スタッフ7名
スケジュール

9:00 のとのの里集合 健康確認
9:20 竹細工 マイカップ・マイ箸づくり、竹馬づくり
竹馬で遊ぶ
12:10 昼食:流しソーメン フリータイム
13:40 水遊び 川の中の小動物探し 水の音を聞く(聴診器で) 水遊び スイカ割り
15:50 現地解散

活動内容

 連日の暑さと活動日22日は35℃越えの猛暑日の予報であったが、参加申込者26名全員の参加を得て活動を実施した。(内2名は午後参加)。
 今回の活動内容は、自然素材の有効利用として竹細工と水遊び、そして、流しソーメンをみんなで楽しむ活動を行った。当日は、集合時には既に気温30℃、湿度80%越えと普段通りの活動は困難な状態であったため、実施に当たっては、活動内容を絞り、疲れとは関係なく20分ごとに一斉に手を止めて10分間程度の休憩と水分補給の時間を持った。

(1) 竹細工
 活動場所をいつもの活動地である無風の「いこいの広場」から風が吹き抜けるステージ下に移して竹細工を実施した。竹細工として昼食時に使用するマイカップ・マイ箸づくりと昔の遊び道具の一つである竹馬作りを行った。
 マイカップは、流しソーメンのめんつゆを入れたり、スポーツドリンクを飲むときに利用するためで、太い竹の節を利用して上下を切断した。初参加の子も含め、お互いに協力し合って竹を切断していた。特に感心したのが、切り口のささくれを防ぎ、切り口がきれいになるよう最後まで切り終えるため竹を支えて持っているところである。何度か竹を切っている中から学んだのであろうと判断している。最後に口などをケガしないように切断面を紙やすりで磨いた。マイ箸は、細く割った竹をやすりで角をとり、紙やすりで磨いて仕上げ、流しソーメンで利用していた。
 竹馬作りは自分が握れる竹を選び出し、各自が背丈に合った長さに切断した。竹馬作りの一番の難関は足を載せる板の取り付けで、子どもたちは固定するのに苦労していた。最初、針金を使って固定していたが、子どもたちの力では十分に締めつけられておらず、足を載せるとかかとの部分が下がったり、ずり落ちたりした。そこで、針金に変えて太い麻紐を巻きつけて取り付けると子どもたちの力でも十分に締まり、足を載せる台がグラグラすることはなくなった。ただ、小さい子には難しい活動であるため、親子で協力して作成してもらった。
 参加している子どもたちは全員竹馬で遊んだ経験を持っておらず、スタッフが竹馬にのることから始めた。しっかり台に足をのせ、手と足のバランスがとれると1歩・2歩と歩みを増やしていく子どもが出てきた。最終的に半数近くの子どもが竹馬にのって歩けるようになった。小さい子は足と竹馬を同時に動かすことが難しいようで、家で練習してもらうこととした。


協力し合って竹の切断

マイカップのふち磨き

マイ箸を磨いている子どもたち


自分が使う竹選び(4歳と1年)

竹馬の足を載せる部分の取り付け

上達著しい竹馬のり

(2) 昼食
 今回の昼食は、流しソーメンである。計画では、ソーメンを茹でるところからソーメンを流すことまでは子どもたちが主になって行うとしていたが、竹細工の活動で休憩を多くとる必要があったため、すべてスタッフに準備をしてもらった。また、ソーメンだけでは午後の活動のスタミナにも問題があるということで鶏肉を使った料理や野菜料理を準備してもらった。流しソーメンの最後にブドウやプチトマトなどを流して、子どもたちを楽しませた。
 午後1時過ぎ、ソーメンを茹でて、1時間以上経過していたため伸びてしまったが、学校行事で遅れて参加となった中2の生徒も母親と二人だけの流しソーメンを堪能してもらった。


合掌の挨拶に立候補した6年生

麺類に食が進み、食欲旺盛

午後参加の中学生用流しソーメン

(3) 水遊び
 水遊び場が日陰であることと子どもたちが楽しく過ごせることの条件に探し出したた場所が、三十三間山登山道の入り口付近を流れる川である。のとのの里から離れているが、上流に農耕地はなく、山の水がそのまま流れているため水はきれいで冷たいため、猛暑の中で過ごすには最適の場所であった。
 駐車場から川へ下りる石段があり、そこから全員川に入り、一帯が日陰となっている上流を目指して移動した。そこは、灼熱の駐車場から一転、別世界のひんやりとした空気に包まれており、居心地が良い子どもたちは思い思いに小魚や川エビを探したり、石の下の小動物を探したりと暑さを全く気にすることなくのびのびと過ごすことができた。聴診器で場所による水の音の違いを確認したあと、大きい子は、小さな滝つぼで泳いだり、滝に打たれる修行の真似をしたり、水遊びを楽しんでいた。水の事故を防ぐため、スタッフ3名が土手から監視を続け、水分補給の飲料水を渡すなど行った。
 水から上がった後、駐車場の日陰でスイカ割りを楽しみ、みんなでスイカの種飛ばしを行っていた。使った場所の清掃をした後、この場で閉会式を行い解散した。


日陰の上流目指して川の中を移動

川エビ探しに夢中の4歳児

ヤゴなど石の下に住む生き物探し


やや深いところで水浴び

滝に打たれて修行の真似事

みんなでスイカ割りを楽しむ

(4) フリータイム
 昼食後、今回も子どもたちが自由に遊ぶ時間を確保した。冒険の森は木陰で、時々風が吹き抜けるため体感温度は低く感じ、子どもたちは元気に遊んでいた。セミの抜け殻を探したり、前回の続きで、木登りに挑戦している子もいた。カブトムシやセミを見つけ、服に止まらせて見せにくる子もいた。
 初参加の3歳と4歳の幼児は母親たちと冒険の森の手作り遊具で遊んでいた。ブランコに乗り、後ろから押しもらうたびに声を上げて喜んでいた。


木登りに挑戦

「もっと」を繰り返していた幼児

夏バテ?服に止まったままのセミ

(5) 活動を振り返って
 豪雨の後、連日の35℃前後の高温が続いているなかで、愛知県で小学生の熱中症による死亡事故が発生し、県内の多くの野外活動やスポーツ大会が中止と報道されていた。里豊夢わかさの活動も第一選択肢は中止であったが、スタッフ、参加者の意見も聞き、活動時刻の会場の様子を調べ、活動場所の変更等で実施に踏み切った。活動中の熱中症対策は万全を期して行った。また、熱帯夜で睡眠不足に陥っていないかを確認し、やや寝不足と思われる子どもには、直射日光をできるだけ避けることを指示し、見守った。幸い大きな事故もなく終えることができたが、活動開始後、一人の母親が目まいを訴えてきた。帰宅を進めたが、子どもは元気でまだ活動したいと訴えていたため、責任をもって預かることとた。
 子どもたちの様子を見ていると髪の毛はすっかり汗でぬれており、上着やズボンまで濡れている子が多っかった。活動に夢中になるとなかなか手を止めない子もおり、指示しないと飲料水をとらない子もいた。特に竹細工活動の様子を思い浮かべると自然と楽しく触れ合い、興味・関心揺さぶるだけの活動であったという成就感は持てない。活動日の夜、ある参加者からメールに「親子で楽しく一日を過ごすことができました。楽しい経験、ありがとうございました。」とお礼の言葉が書かれていたが、冷静に考えると活動を実施したことが良い選択であったかについては、疑問が残っている。



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■別年度のレポート
2022年度 自然の中で生きる力と笑顔を育む体験活動~里山の自然に触れ、遊びとモノづくりを楽しみ、生きる力を育む~ 実施レポート

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