NO団体名主な企画内容
20 NPO法人 山の遊び舎はらぺこ(長野県) 「ぐるりぐるぐるふじさん周辺トレッキング ~歩いて出会って風に吹かれて~」
小学4年生から中学3年生の子どもたちが、1泊2日×3回に渡り、富士山周辺のトレッキングコースを歩く。仲間と旅する中で、様々な人・自然・歴史に出会う豊かな時間を経験して、明日の自分の成長につなげてもらう。

速報レポート3

実施日:2020年10月17日~18日
参加人数:小学生10名 中学生5名 引率者8名
活動内容

 富士山周辺をぐるりと一周を目指すトレッキング。
前回に続く3回目は、富士山南麓にある富士山展望の山として知られる越前岳を登る1日目と、村山浅間神社から山宮浅間神社、富士山本宮浅間大社と三つの浅間神社を訪れる2日目という予定だったが、1日目は雨で気温が低いという予報だったため、急きょ西湖から鳴沢氷穴まで樹海を歩き、富士山展望の鉄道として知られる岳南鉄道を訪れるコースに変更した。
 2日目は予定通り歩いた後、静岡県富士山世界遺産センターを訪れ総復習として世界遺産としての富士山とその歴史や文化を見学した。

1日目
10月17日(土)長野県伊那市発 西湖~鳴沢氷穴~岳南鉄道吉原駅

 朝から雨なのでコースを変更し西湖の駐車場へ。ここから3チームに分かれ樹海の中を鳴沢氷穴まで歩く。樹海は第1回でも歩いているが、雨の日は木も苔も岩でさえも生き生きとして、前回とは全く違う景色となっていた。
 鳴沢氷穴はこれまでの洞窟と違って縦に深く下りていき、底には氷があるぐらい冷えていた。と思ったらこれは人工の氷で、天然の氷があるのは冬から春なのだそうだ。氷穴と名がつくだけあるので子どもたちも凍えるような寒さを期待していたが、今日は洞窟の外が寒いせいか「今日は洞窟が寒くない!」と驚いていた。
 その後も雨がやまないため富士市の工業地帯を走る岳南鉄道に乗車。ふだんはアルプスの麓で生活し、はらぺこでの野外活動に頻繁に参加している子どもたちにとっては山に登ることよりも鉄道に乗車することの方が珍しい体験のようで目が輝いている。

2日目
10月18日(日)村山浅間神社~山宮浅間神社~富士山本宮浅間大社

 何とか雨もあがり、出発に向けて準備していると「富士山!」という声が。宿の屋上に上がると雪をかぶった美しい富士山がそびえ立っていて子どもたちから歓声があがる。昨日雨の中を歩いている間に富士山は雪化粧をしていたようだ。
 朝から幸運に恵まれて幸先の良いスタートとなった一行は村山浅間神社に。修験者の方から神社についてお話を伺う。今でも3泊しながら麓から山頂まで登り修行をしているそうだ。
 雲も消え、青空にくっきりと映える富士山に見まもられながら山宮浅間神社まで歩く。ここは社殿がなく、富士山そのものがご神体となっている日本でも珍しい神社。ここだけは富士山を見せてやりたいという引率者の願いが通じたのか、見事な富士山を見ることができた。
 ここからは富士宮の街を歩いて富士山本宮浅間大社へ。歩いたのは富士山から下るコースだったが、それでも長い。これを登るのは大変だ。それでも歩き通して神社に到着。プログラムのフィナーレにふさわしい大きな神社で無事にゴールできたことを神様に感謝した。
 最後は静岡県富士山世界遺産センターにて2年にわたるプログラムで歩いたところを総復習し帰路へ。途中の朝霧高原では見事な赤富士を見ることもでき、最高の大団円となった。

3回目のプログラムを終えて

コロナ禍でどうなるかと思った今回のプログラムも検温やマスクの着用、こまめの手指の消毒などの対策で全日程を終えることができた。学校や地区の行事が中止や縮小となるなか、仲間達と濃密な時間を過ごすことができたのではないだろか。
コロナの不安、摩訶不思議な樹海、降り続く雨、雲の合間から垣間見えた富士山、引き込まれるような美しい池、吹き抜けていく霧、そして最後の最後に抜けるような大きな空にそびえ立つ富士山。喜怒哀楽を凝縮したような旅だった。

そしてこの物語は来年も続く。


雨の樹海は命の喜びに満ちていた

岩にしがみつくように伸びる木々。

今まであるいたどの森にも似ていない樹海


洞窟探検隊は進む!

昔懐かしい車両

長野の子どもたちにとっては電車の方が山よりも珍しい


よるはBBQ大会

宿から富士山!

こんなにきれいな富士山に見まもられて歩くのは初めてかも


村山浅間神社・枝から下に伸びるイチョウの根

山宮浅間神社・露出で見えないが富士山があります。

富士山本宮浅間大社に到着