NO団体名主な企画内容
1 一般社団法人かのあ(北海道) 「かのあアウトドアクラブ」
千歳市にある国立公園支笏湖(しこつこ)をフィールドとして、市内の小学生を対象に通年で活動。月に一度集い、支笏湖のガイドと一緒に季節に応じた野外活動を行う。

速報レポート3 正しく畏れる

活動日:2022年8月21日(日曜日)
活動場所:支笏湖畔、千歳川源流部
活動内容

8月。支笏湖は短い夏の最盛期。夏を感じるカヌー&水遊びがテーマの1日。
カヌーに乗るのは5月以来。6月も7月も「カヌーに乗りたい!」の声が多く、こどもたちの希望に応えるカヌーでした。やる気に満ちて、準備も慣れたもの。





使用するカヌーは、カヌーとカヌーを連結したもの。転覆する心配なく楽しめます。




安定感があるため、カヌーの上から身を乗り出して水中を見たり、立ち上がって生き物を探したり、時には柔軟な発想の面白いチャレンジをしたり。チャレンジこどもの「やりたい!」により多く応えられる形で活動しています。







ライフジャケットで浮く、という体験も人気の遊びです。初めのうちは力が入り、うまく浮けないですが、慣れると上を向いて浮くことができるようになります。ライフジャケットは水辺の活動では必須ですが、着用するだけではこれが安全かどうか、体験しなくてはわからないもの。実際に水に浮いて見ることで、万が一落ちても大丈夫という安心感に繋がります。

昼食後。湖は風が強まり、海のような波が押し寄せました。
午前中にライフジャケットの安全性を体感し、臆することなく湖に入るこども達。波に乗る浮遊感を楽しむ子、強い波の水圧を楽しむ子、午前に引き続き生き物探しに夢中な子、歓声があがる賑やかな水辺でした。




その10分後。

水からあがり、身体が震える子が続出。
防寒着や雨具を持参した子はそれを羽織り、忘れた子は貸してもらい、身体を温める。

着替えなど、助け合う場面も。



風で身体が一気に冷えるという体験でした。

その後は休んでは遊び、休んでは遊びの繰り返し・・・



活動後の振り返り。スタッフの問いかけは「今日、危ないなと感じた場面はあった?」
遊び疲れた雰囲気の中にも、真剣な空気が漂います。

「波が強くて溺れそうだった」
「波が来た時に戻れなくなった」
「濁った水では足元が見えにくい」

などなど、良い気付き。




だから、ライフジャケットが必要なのだ。と理解していました。

「身体が冷えて震えたのは初めて」という子も。
雨具や防寒着の準備の必要性も理解できた様子でした。

荒れる自然と向き合う経験は、なかなか少ないことかもしれません。

千歳の市街地には「川に近づかないでください」という看板も散見される、そんな環境の中を生きるこども達。
「何が危険なのか」「どう危険なのか」「そのためにはどんな準備や装備が必要なのか」
この経験なくして、「川に近づかない」とだけ言われれば、川は恐怖の対象になりかねない。

自然の中で体験することで、正しく自然を畏れることができる人になってほしいと願います。

さて、活動後の家庭からの反応は、意外なものでした。「今年はなかなか水遊びをさせてあげられなかった。思い切り水遊びをする機会があり有難い」という声が大変多く聞こえました。コロナ対策の社会では、こどもの水遊びの経験が奪われていることが顕著に感じられ、私達の役割が一層明確に感じる。そんな保護者の反応でした。



速報レポート1 経験を積み重ねて
速報レポート2 それぞれの目標
速報レポート3 正しく畏れる
速報レポート4 主体的で体験的な気付き
速報レポート5 自然を感じ、自然を敬う

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