NO団体名主な企画内容
27 各務野冒険塾 実行委員会(岐阜県) 「各務野冒険塾」
水や食べ物が十分にない無人島(姫島)で、仲間と力を合わせて工夫しながら生活し、たくましく生きる力や社会性を身につける。無人島体験の前には3ヶ月に渡り自分たちが食べる野菜を作る農業体験を行い、無人島ではトイレ・テント設営、火おこし、食材探し、いかだ作りなどを行う。ものが満ち足りている現代社会の子どもたちに「不足」を与える。

「各務野冒険塾」 実施レポート1

日時:第1日目 (8月3日) 快晴
8:30  開塾式

各務原市役所の玄関前に集合しました。
参加予定であった42名全員が集まることができました。参加者に、健康調査票を提出してもらい、ライフジャケットを配布しました。このライフジャケットは命綱になることを話しました。
開塾式では
(1)塾長より挨拶
(2)教育次長より挨拶
(3)隊長から(古田さん)
(4)諸注意(丹羽)
(5)塾生副隊長(大串くん)の掛け声
(6)終わりの言葉(課長)
を行いました。

大串君の気合いの入った「42人、全員そろってかえって来るぞ!」という声の後に、42名の「お!」という大声が玄関先でこだましました。
開塾式が終わったら、バスに移動して荷物を積み込み、乗車しました。4泊5日もあると、さすがに荷物が多いです。バスに入りきらないぐらいの状態になってしまいました。
出発直前に、忙しい中を市長さんがかけつけてくださいました。バスの中に入ってみえて、子ども達にエールの言葉をかけてくださいました。
市長さんも、この「各務野冒険塾」に対しては、かなり熱い思いをもってみえることが分かります。

9:00  バスにより移動

(各務原IC〜上郷SC〜 豊橋IC)

参加児童はお互いに初めて出会う仲間が多いので、仲間づくりをするために、「集会係」が中心となり、バス内レクリェーションを行いました。
かなり盛り上がり、一人一人の子どものおおよその性格をつかむこともできました。
高速道路の混雑さを心配していましたが、渋滞はあまりなく、順調に進むことができました。

12:00  昼食(白浜公園)

子ども達は、おなかがぺこぺこ。朝早く起きて朝食を食べたからか、各務野冒険塾に参加して気合が入っているからか。お弁当を公園の中でグループごとにとっていきました。

13:00  渡船(田原共同埠頭)

田原共同埠頭に着くと、目の前に姫島(無人島)が 迫り、子ども達は目を輝かせ「あれか!」「ビデオで見た通りだ!」「思ったより大きいな!!」と口々に感動の言葉を発していました。期待感がいっぱいという様子です。(中には、事前に親と近くまで来て下見をした子がいると聞き、驚きました。)
埠頭には子ども達を姫島(無人島)まで送る船が待っていました。10人ずつ船に乗って、姫島に 向かいます。初めて乗る船に子ども達はうれしそうです。
42人がいるので、5往復する必要があります。待っている間、子ども達は埠頭の下の海を眺めていました。「あ!何かいるぞ!!」という大きな声に、子ども達の 目はくぎ付け。自分が持ってきた網を早速出してすくおうとする子ども。苦労はしましたが、すくってみると、アナゴでした。しかし、残念ながら、大きな生き物に食べられた後で、死んでいました。落胆の後に、「あ!蟹だ!!」という声で、またまた子ども達は集まってきました。埠頭の壁には小さいながら蟹が見え隠れします。網で取ろうとしましたが、蟹には届かず採集することはできませんでした。でも、海ならではの生き物に出会って、子ども達の期待感は膨らんできました。
船で姫島(無人島)へ向かった子たちは、いよいよ上陸。荷物をみんなで力を合わせておろしていきます。

最初に上陸したのは、住居係です。テントをはる場所を見極めて、仲間に指示をするためです。住居係はさっそく、テントの設営に取り組みました。研修会で学んだことを生かしつつも、仲間どうしで話し合いながらテントを設営していきました。しばらくすると、他の仲間が上陸してきました。
住居係は、あとから上陸してきた仲間に指示を出しながら、テントを設営していきました。
さすが、無人島です。テントを設営する場所は、キャンプ場のような平坦な状態ではありません。草やつるが這っているし、くぼみがあったり、ななめな状態になっていたりします。それでも、寝やすいような場所を探してはテントを設営していきました。サバイバルらしさが出ています。
みんなで力を合わせてテントを設営し、徐々にテントが全体に立ってきました。全部で20のテントを設営しました。(住居テント16、食料テント1つ、物品テント1つ、予備テント2つ)

15:00  かまどづくり

テントの設営が終わった子たちから、大き目の石を探しに行きました。てきとうな石は近くにはなく、島の海岸沿いを歩いて探すことになりました。
日差しが強く、大きな石を持って歩いていると、暑くてたまらない状態になりました。子どもが一人、もうダウンして、医療用のターフの中に入って休んでいました。その子は、事前のランニングでも走れない日があって、担当者から指導を受けていた子でした。心を鬼にして、「暑いことは分かるが、こんなことでは5日間はもたない。親を呼んであげるから、帰りなさい」と担当者がその子に声をかけました。その子は、横になっていましたが、むくっと起き上がって、「もう大丈夫です。治りなした」と言って、みんなの方へ向かおうとしました。同行していた保健師さんは、心配をしていましたが、本人はうつろな目をしたまま、無理をしてみんなのもとへ向かいました。
暑さは当然。彼は、少し辛くなると休もうとする子です。目の前の壁を乗り越えさせる体験をさせたいという願いで、敢えて厳しい指導をしました。その後、保健師さんが彼に声をかけていましたが、彼は一度も弱音を吐くこともなく、5日間やり通しました。自信に満ちた顔で帰宅し、その成長ぶりに保護者も喜んでみえました。
私達は、この子のように、たくましい心を少しでも身に付けて欲しいと願ってこの「各務野冒険塾」を開催しました。しかし、健康・安全上、本当に配慮が必要なのか、厳しく指導する必要があるのかの見極めが大切になると改めて痛感しました。
子ども達は、あちらこちらで集めてきた石を使って、かまどを作り上げました。かまどの作り方は、自分達で調べてきていますので、食事係が中心で指示をしながらかまど作りをすることができました。

15:30 入島式

渡船で島に渡った子からテント設営とかまど作りをしていたので、入島式ができていませんでした。
テント設営とかまど作りが完了したので、入島式を行うことにしました。
(1)はじめの言葉
(2)課長さんの挨拶
(3)塾生の言葉(平松副隊長の言葉)
(4)諸注意(丹羽)
(5)終わりの言葉
平松副隊長(児童の代表)からは、「この無人島に42名が漂流したと思って、大人の力を借りないで自分達で考えみんなで協力しましよう。そして、5日間を生き延びて各務原へ42名全員で帰りましょう」との挨拶がありました。

16:00  夕食作り

まだまだ、太陽が高く、灼熱の状態ですが、子ども達は元気です。はじめての食事づくりが始まります。
今日の夕食はカレーライスです。子どもたちが畑で作ったジャガイモやニンジン、玉ねぎを使って作ります。
かまどで火をおこすこともはじめてで、薪をどのように組むと火がよく起きるのかも分からず、始めました。家庭で火のおこし方は調べていても、なかなかうまく行きません。どうしても困っていると、指導者からアドバイスをしてもらい、なんとか火を起こしました。
ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎなどの皮むき、牛乳パックを利用したまな板を利用して包丁を使った野菜切り。
肉は腐るのでシーチキンカレーです。これも、子どもが考えたメニューです。なるほどと思いました。
グループの仲間も各務野冒険塾ではじめて出会う子ばかりです。ぎこちない言葉をかけながら、協力し合っている感じがします。
中には、米を研いでかまどまで持って来た時になべをひっくり返してしまい、米が外へ!
でも、励まし合いながら、お米を洗い直し、なんとか炊きはじめました。
食事を作っていると、無人島(姫島)の持ち主である自治会の方々が様子を見にきてくれました。自治会だけではなく、田原市街づくり推進委員会の皆さん、田原市教育委員会の皆さんが来てくれました。
この場所での4泊5日は無理なので止めたほうがよいと地域のみなさん全員に言われていただけに、皆さん心配して来てくれました。ありがたいです。
でも、子どもたちが元気に夕食作りをしている様子を見て、安心して帰ってかれました。
とうとう、カレーが完成!
ご飯を皿につけようとすると、またまたひっくり返してしまいました。
やっぱり慣れてないんですね。日頃家ではご飯をよそうこともしたことがない子たちばかりです。かなしい話です。だからこそ、この各務野冒険塾でいろいろなことを体験して欲しいものです。

シーチキンカレーライスをみんなで食べました。
グループごとに集まって円になって食べているグループあり、防波堤の上に一列に並んで海の潮風を感じながら食べているグループもあり、グループで相談しながら決めています。指導者側の指示ではなく、子ども達で考え自分達で決めているから、こんな姿になりました。

19:00 食事の後片付け

食後に食器を洗う水が少ないので、子ども達のアイディアでカレー皿の上にサランラップをかぶせてその上にカレーライスをつけました。食べた後にサランラップを処分すれば水で洗う必要がありません。よいアイディアです。
食器などを洗う場合には、海水で基本的に洗い、最後に貴重な水で洗うことにしました。子ども達は、家なら蛇口を無造作にひねって、使いたいだけ水を使うのですが、水をいかに大切に使うかを考えると、本当に少ない水でいろいろなことを済ませることができることを学んでいきました。このことについては、最終日の子ども達の学んだことの発表にたくさん出ていました。

20:00   風呂・洗濯

無人島では、当然風呂がありません。水も少ないので、子どもたちが考えたことは、濡れタオルで体を拭くことです。そこで、布水槽に水を入れ、その水をひしゃくで汲んでタオルにかけ、濡れたタオルで体を拭くことにしました。
また、洗濯物がある人は、ジッパーがついたビニール袋に洗濯物を入れてそこへわずかな水を入れてジッパーをきちんとして、ビニール袋を外から揉んで汚れ物を洗うことにしました。
洗った物を干すときには、ロープを使って干すようにしました。しかし、5日間を通して、洗濯する子は少なかったです。

20:30   グループ会

グループ会を行いました。各グループごとで、今日一日の振り返りをします。
今日の反省と明日のスローガンを各グループで話し合います。その後、リーダーが発表しました。
出会って間もない仲間だから、当然ですが、集団としての高まりが弱いです。リーダーが指示を出したり、それに応える姿が弱かったりします。また、自分で気がついて動く姿が弱い点が多く出されました。明日のスローガンが守れるようにがんばって欲しいものです。
また、課長さんから、「合い言葉は、うんこ!」という話を聞きました。宿泊を伴う活動で、体調を悪くする子は「うんこ」をしていない子が多いからです。明日の朝には、どの子もトイレへ行くように話をされました。
           
近くの防波堤で、一般の方が夜釣りをしてみえました。その方が釣り方が分からない子には教えてくれると申し出てくれました。(初めて会う方で面識は全くありませんが・・・)   
明日の朝、起きた子からどんどん教えてもらえるように今晩の内に紹介をしておきました

21:00   就寝準備

グループ会後には各自がテントへ戻り、就寝準備をして21:30には就寝をしました。みんな疲れていたようで、すぐに寝てしまいました。



「各務野冒険塾」 実施レポート1
「各務野冒険塾」 実施レポート2
「各務野冒険塾」 実施レポート3
「各務野冒険塾」 実施レポート3
「各務野冒険塾」 実施レポート3

プログラム検索に戻る