NO団体名主な企画内容
44 ガキ大将養成委員会(島根県) 「北陽わんぱくクラブ」
放課後をいかにハードに団体で遊ぶかをテーマに、借り上げた空き家をベースにクラフト、川遊び、虫捕り、木工、竹細工など、年間を通して249回活動。休日にはシュノーケリング、ラフティング、登山、ツリークライミングなどの日常では出来ない体験を専門家の指導のもと行う。

活動レポート2 春の鳶が巣山

会  場:出雲市東林木町
参加児童:小学校1〜6年までの男女19名、その保護者4名
     サポーター5名

 4月から新しい顔ぶれも加わり、みんなちょっと緊張しています。そんな新人歓迎会も兼ねて毎年恒例、鳶ヶ巣山に登りました。
 この日は登山にしては意外と参加者が多く19人、その保護者4名、サポートが5人、犬が2匹の結構な大所帯でした。子ども達を3班に分けて、リーダーはそれぞれ北陽わんぱくクラブキャリアの長いベテランです。

 駐車場から登山道の階段をのぼりかけた途端、横の繁みでガサガサと物音が。そっと見ると1メートル近い大きなマムシです。ピーッとホイッスルを吹いて全体を止めます。「マムシがいるから、ちょっとまっててね。」と言うと「えーっマムシ。」「マムシってなあに。」「蛇だよ、蛇。毒蛇。」「えー毒蛇。」みんなに緊張が走り、あわてて階段を駆け下りようとする子もいましたがサポーターが止まらせます。しばらく静かにしていると、マムシはガサガサと奥に逃げてくれました。登山再開です。
 急な階段を20段ほど上がると登山道に出ます。「頂上まで1000メートル」と立て札。
 初めての子はここで「えー1000メートルもあるの。」と挫けかけます。そこに良いタイミングで「ほーけきょきょ、。」とまだへたなウグイス。それで子ども達の気がそれたところでさっさと先に進みます。ちょっと行くと鹿よけのゲートがあります。北山山系は鹿が大繁殖し、被害がかなり出ているようで来週からは害獣駆除として鹿猟が始まるようです。今回は犬を2匹釣れていきましたが、気がつくと2匹とも体中にダニがまとわりついてかゆそうにしていました。こんなことは初めてで、これも増えすぎた鹿のせいだと思われます。しばらく進み異臭に気が付き横を見ると茂みの中で鹿の死体があります。脇腹に大きな散弾の跡があるので、害獣駆除で打たれたもののようです。子供達もこわごわ一人ずつ覗いて先に進みます。

 400メートルの休憩ベンチ、階段が続いてみんなが汗をかき始めているので15分と長めの休憩を取ります。 登山道はずっと丸太で組まれた階段が続きますが、これがなかなかハードです。尾根をくねくねの折れながら登っていくと遅れがちな子が何人か出てきます。500メートルを超えると振り返れば出雲平野が一望できます。その景色に「わーぁ。」とヘタリ掛けていた子ども達の意気もぐっと上がってきました。
 700メートルで再び休憩、ちょっと泣きが入った子の荷物をサポートが担ぎます。
 800メートルを超えるとほとんど平坦で西の郭跡の広場があり、以前はここにトイレがありましたが、今は撤去されています。せっかく頂上まで大きな工事をして水道が送られているので、トイレも何とか復活させてキャンプをしたいところです。さっきまで「もう倒れるー。」なんて騒いでいた子も頂上が目の前になったとたんに元気に走り始めます。そんなのを「ちょっと落ち着けー。」なんて押さえながら頂上に駆け上がりました。





 鳶ヶ巣山頂は星の様な4つの突起型に平坦地が広がり真ん中がぽっこり丘になり、そこが頂上です。小さな石碑がありますが、松が茂り余り展望は良くありません。四つの突起の南側の先端、東屋やベンチのある郭跡に降りました。
 南側に突き出た郭跡からの眺めは270°くらいの展望、宍道湖から日本海までぐるっと見渡せます。この日は霞か黄砂か、で松江は霞んで見えませんが、普段は大山もくっきり見ることが出来ます。
 ここまで来たら子ども達の頭の中は「お弁当」一色、早速仲間同士で場所を取り合っています。はじめはまだお互いになじめていなかったのも、ここまでの道のりですっかり打ち解けて新しいグループがいくつかできています。さすがに頂上は下よりちょっと寒くて、抜け駆けして真っ先に日陰になった東屋に陣取った組は後で「寒い。」なんて騒ぐことになります。突起の先端でお弁当を広げた組はまるで空に浮いているかのような展望です。例年だと良い時期の山桜が今年はつぼみが堅いままで、それが今回の唯一の残念でした。ここで2時間、お弁当食べて、鬼ごっこする組、4角の郭跡を探検する組ととても盛り上がっていました。
 下りは「帰りは楽だなぁ。」なんて子ども達はとても元気ですが、サポートの大人にとっては延々と下りの階段は足に応えてきます。
 子ども達は元気ですが400メートルで一旦休憩、登りは50分ほどの道のりが帰りは30分、みんなご機嫌で「すげっ面白かった。」そうです。
 帰りの杉林で三つ叉の群生を見つけました、黄色い花がとても綺麗で杉の花粉を一瞬忘れていました。マムシ草もあちこちで花をつけていました。