NO | 団体名 | 主な企画内容
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池田市公益活動推進協議会(大阪府) |
「まちの遊学舎 里山・あそび隊」 地域の子どもたちを育みたい」との想いから、長い間地道に活動してきた複数の地元団体が枠を越えて一丸になり、地元の自然での遊び方を伝授する。里山での体験や地元伝統のお祭り継承など、地域が子どもを育てる企画。 |
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速報レポート3「郷土のまつりを盛り上げよう」
実施日:7月17日(日)9時30分~14時 快晴
会 場:五月山、がんがら火城山町作業場、五月山動物園
緑のセンター、池田コミュニティーセンター
参加者:あそび隊隊員 41名(中学生 1名 小学生 40名)
幼児 4名
保護者 14名
指導者 がんがら火保存会のみなさん と各班リーダー9名
池田市公益活動促進協議会スタッフ 3名
活動内容
大阪府無形民俗文化財に指定され、360年以上の伝統をもつ池田市の祭り「がんがら火」の歴史を学ぶ。案内は、「がんがら火保存会」。
① 現地見学
緑のセンター⇒ひょうたん島コース展望台⇒愛宕神社<がんがら火スタート地点>⇒
⇒秀望台下大一文字点火場所⇒五月山動物園⇒がんがら火作業場(11時45分到着)
②昼 食(11:45~12:30)
③作業見学(12:30〜13:30)
作業の説明、がんがら火作業場(城山町)で大松明作りの作業見学
③今日の記録:コミュニティセンターに移動し、今日の記録。
郷土の祭りを盛り上げよう 詳細
快晴の夏空の下、汗をぬぐいながらあそび隊のみんなが五月山にぞくぞくと集合。暑いなか、保護者のみなさんもたくさんお集りくださいました。
さて、今回は昨年1月大阪府無形民俗文化財に指定された池田の伝統の祭り池田五月山の「がんがら火」(毎年8月24日開催)について、実際に現地を歩き、作業場を訪ねて学びました。
市内を練り歩く大松明や、五月山の西の「大一文字」、東の「大文字」の2つの文字火を見たことのある人はどれくらいいるでしょう?
子ども松明の行列に参加した人がいました!
でも、ほかは池田に住んでいながら知らなかった人がほとんどです。
早速、「がんがら火保存会」の柏床さんから、お祭りの歴史や由来についてのお話をうかがいました。柏床さんは、池田で生まれ育った池田っ子、大人になってからは、大松明の練り歩きの担い手としてお祭りに参加しておられます。
実際に、お祭りの出発点である五月山山上の愛宕神社をめざしました。
コース途中の展望台からは、大阪の街をのぞみました。遠くに生駒連山、眼下にひろがる大阪空港から飛び立つ飛行機、京セラドームも銀色にひかっています。家や車も豆粒みたいに小さくなって、違って見えますね。
こんなに街の近くなのに、キノコや、虫、イノシシが土をほりかえした跡、シカの足跡、ネムノキやリョウブ、ネジキの花も見つかりました。五月山は哺乳類をはじめ多様な生物がつながりあって生きる自然豊かな場所です。
愛宕神社に到着。ここは、山伏による御神火神事が行われ、その御神火を小松明にうつす、祭りの始まりの場所。松明の担い手にとって、一番緊張が走る特別の場所だそうです。リーダーから、神社での正式なお参りの仕方を教わって、みんなでお祈り…。神様の前で、みんなもこころなしか神妙な面持ちです。
境内には、町中を練り歩く長さ3.85メートル、重さ100キログラムの大松明が飾られていました。このように2本一組の人型に組んで市内3kmを2時間半練り歩くのだそうです。練習は一切なし、祭り当日が本番なので、いかにみんなで息を合わせ、心をひとつにして運ぶかということが重要なのだそうです。
今日のあそび隊も、グループの旗をもつ班長さんを先頭に班ごとにしっかりまとまって歩いています。山道で行きかう人に道をゆずり、挨拶することもおそわって、山歩きにもなれてきたみたい。
熱射病対策に、かち割り氷と冷たいお水で十分にクールダウンして出発。小松明が次に向かう、秀望台、一の鳥居をめざしました。
秀望台は、大一文字が浮かび上がる場所です。ビッグハープ、呉服橋、阪急電車も間近に見えて名前のとおり、とてもよい眺めですが、「一度転がり落ちると下まで止まらないので作業は慎重に行います」との言葉通り急斜面。
「歩いて降りるのもすべりそう。ここを重い松明をもって降りるなんてすごい!」「危なくないようにこの葉っぱとか、石ころどかしとこ…」との声。
ここから先、江戸時代の本に描かれたままの道を歩いて下りました。
道の途中「世界でいちばん小さな動物園 池田五月山動物園」に寄り道して、飼育係の方にお話をうかがいながら、昨年池田にやってきたアルパカを見学。
暑さが大の苦手なので、毛を刈ったところです。すかさずあそび隊から質問!
「自分で散髪できない野生のアルパカは、どうしているのですか?」
「アルパカは家畜で、野生にはいない動物です。人が毛を刈り、その毛は高級な織物になります。」
「動物」といっても、五月山に棲む「野生動物」と、牛や豚、アルパカなどの「家畜」がいることに気がついたかな?ひょっとすると、初めてその違いに気付いた人もいるかもしれません。
街の中に、江戸時代からの建物が保存されていました。ここで、何百回もお祭りをみてきたのです。池田の有名なお酒「呉春」の蔵の横も通りました。
池田城が見えたら「がんがら火保存会の作業場」。保存会のみなさんが出迎えてくださいました。
もう、お腹ぺこぺこです。手を洗って用意してくださったお昼をいただきました。すずしい木陰のテーブルでカレーライスとキンキンに冷えた麦茶をいただく幸せ。おいしかったですね。暑さで足が前に進まなかったけれど、お昼をいただいて生き返りました。ごちそうさまでした。
お腹がいっぱいになったら、今度は祭りの主役「大松明」づくりの作業工程の説明を伺ったあと、実際の作業もみせていただきました。
あそび隊のみんなは、作業の様子を固唾を飲んで見守っています。
材料は芯に竹、外側にアカマツを使いますが、なかでも火をつける部分には肥松といってマツの油が何十年もかけて凝縮した、アカマツの大木の切り株の根部分の特別の割り木をつかわなくてはなりません。しかし、近年山を手入れする人手が減少し、病害虫の被害もあって、アカマツの大木自体も少なくなり、この肥松を集めるのに大変苦労されているとのことでした。郷土のお祭りは、里山ときってもきれない関係にあります。今後もお祭りを継承するためには、里山の保全にも取り組む必要がありますね。
「質問があればどうぞ」の声に、それまでぎゅっと口を結んでいた子ども達の真剣なまなざしがきらり。緊張しながらも、まっすぐに、つぎつぎ手があがりました。なかでも、あそび隊3年目の隊員は、作業場にいあわせた大人みんなをうならせる最高の質問をしました。
「松明の中心には、竹がつかわれていますが、竹の節はそのままですか?」
この質問、実際に竹を伐ったり、竹を火にくべた経験をしていなければ出てきません。もし、節がそのままだと、中の空気があたためられて破裂します。
いつもあそび隊で「たき火」をする際、教えてもらった竹の扱い方を、ちゃんと頭と体で覚えていたのです。たしかに里山の知恵がつたわっています。指導に関わっているスタッフにとっても、嬉しい瞬間でした。
丁寧に、節の抜き方を教えていただいて、その後も質問はつづき、今日の朝よりも、お祭りがずっと身近に感じられるようになりました。
今が一番いそがしい「がんがら火保存会」のみなさん、おいしいカレーとお祭りのお話をしてくださったことに感謝して、全員でご挨拶をして作業場をあとにしました。
コミュニティーセンターに戻ると、長かった暑い一日の記録を書きました。
今年の8月24日は、それぞれ特別な想いで池田のお祭り「がんがら火」と「大一文字」「大文字」を迎えてくれることとおもいます。お祭りでは「がんがら火保存会」のみなさんの姿をみつけてくださいね。
第1回活動報告
第2回活動報告
速報レポート3「郷土のまつりを盛り上げよう」
速報レポート4 「水のなかの生き物をつかまえよう」
■別年度のレポート
2012年度 第4回 まちの遊学舎 里山・あそび隊 実施レポート
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