NO | 団体名 | 主な企画内容
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27 |
伊那市立東春近小学校 5年(長野県) |
「「われら、きらり探検隊」」 カヌー探検や学校林探検など、自然の中で心と体を解放して遊びこむ企画と、間伐材でアスレチックを設計から作り上げる活動を通して創造力を養う企画を、教科の単元に位置付けて実施する。 |
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活動レポート2 「夏のカヌー探検」
期日 (1)5月29日(火)〜7月22日(日)
(2)7月23日(月) 午前8時30分〜午後4時30分
活動場所 (1)東春近小学校
(2)伊那市 長谷 美和ダム(美和湖)
参加者 (1)東春近小学校5学年児童56名 担任教諭2名 NPO法人「美和湖倶楽部」蓑口さん
(2)東春近小学校5学年児童56名 担任教諭3名 保護者4名
支援者 国土交通省美和ダム管理支所 NPO法人「美和湖倶楽部」「ペアウイン」
活動報告
(1)カヌーの補修
5月29日より、カヌー設計者の蓑口健二さんを講師に、昨年まで使ってきたことで破損したカヌーの修理を始めた。学校のプールサイドに運び込んだカヌーを点検すると、船体に使われた木材が腐食していたり、FRPが剥離して穴が開いていたりする部分が多く、子どもたちはまず、船体の表面を洗浄し、紙ヤスリでサンディングして、新たにFRPでコーティングする準備をした。その後は蓑口さんの工房に持ち込み、腐食した木部の交換と、FRPを使ってのコーティングをした。昨年度子どもたちが製作した2艇を除く14艇を修理することとなった。
カヌー船体を紙ヤスリで磨く子どもたち
(2)夏のカヌー探検
7月23日、今年初めてのカヌー学習を行った。今年度は「われら、きらり探検隊」の活動としてカヌー探検を行うこととなっていたため、これまでのカヌー班を解体し、新たに目的別カヌー班を編制した。子どもたち相互の話し合いで、9班に分かれた。
1班は、カヌーに乗りながら水遊びを楽しむ。2班は、カヌーに乗って歩いてはいけない所で釣りをする。3班は、カヌーに乗って美和湖の周りを探検する。4班は、カヌーに乗ったり、湖で泳いだりする。5班は、カヌーに乗りながら釣りをしたり、湖を探検したりする。6班は、カヌーに乗りながら、その中でゆったりすごす。7班は、カヌーに乗って湖を探検し、調べてみたいところに上陸して探検する。8班は、カヌーに乗りながら釣りをする。9班は、教師と一緒にカヌーに乗って美和湖のツーリングを楽しむ。といった内容だ。
朝8時30分に小学校を出発(伊那市では、小中学校の「総合的学習の時間」に必要な移動手段としてバスを提供してくださっている)し、9時10分に美和ダムに到着した。既に、国土交通省美和ダム支所の大型ボートが救助艇として湖面で子どもたちを迎えてくださっていた。午前中は9時30分から12時00分まで、午後は13時00分から14時45分まで探検活動をした。子どもたちの安全管理をしてくださる「ペアウイン」の竹村さんらに挨拶をし、18艇のカヌーに分乗した子どもたちと担任教師は、広い美和湖に思い思いにこぎ出していった。
この日は暑かったこともあり、子どもたちは水筒と教師から配布した8台のデジカメをカヌーに積み込んで出かけていった。
「水が冷たい沢を見つけたよ」
1班
11名がカヌー3艇に分乗し、岸から10mほど離れると、友だちとしめしあわせてカヌーをひっくり返した。ライフジャケットを着ている子どもたちは沈むことも潜ることもできず、ただ泳いではカヌーを起こし、またそこに乗り込みながらまたひっくり返すといった遊びを繰り返していた。「暑かったので、水の中が気持ちよかった。」「先生が注意したように、水の中は急に冷たくなる場所があって足の先は冷たかった。」「カヌーに乗り込むのに力が必要で難しかった。」などの感想を得た。
「さあ、広い湖にこぎ出すぞ」
2班
8名が2艇のカヌーに分乗し、カヌーに乗って対岸までこぎ出した。対岸は切り立った崖があり、人家や道路がないため、カヌーなど湖面からしか上陸できない。そして、釣りを始めた。「釣りは難しい。」「コイが泳いでいるのが見えるけど釣れなかった。」上伊那では小学生の釣りには漁業権がいらない。漁業組合の粋なはからいだ。子どもたちは釣れなくても満足した顔で戻ってきた。
「シカの骨だよ。ほら。」
3班
4名が1艇のカヌーに乗りこんだ。そして美和湖を岸に沿って湖畔の観察をしながらカヌーを進めた。カヌーの中ではゲームをしたり、歌を歌ったりと友だちと楽しみながら、興味を持ったところでカヌーを止めて観察したりした。「ジャングルのようなところや、岩がゴツゴツしたところなどがあって面白かった。」「水が流れ込んでいるところは涼しかった。」「長い距離を漕いでいて手が痛くなったけど、とても楽しかった。」と満足そうだった。
4班
4名が1艇のカヌーに乗り、比較的岸に近いところでカヌーをひっくり返した。このグループは昨年、カヌーをひっくり返すことをためらい、見ずに飛び込めなかった子どもたちがいた。この日、皆すすんで水に飛び込んだ。一度楽しい経験をすると、また、初めての経験がその子に自信を持たせると、何度も試みる。子どもたちの誰しも冒険心は持っているものだと感じさせられた。初めてカヌーから水に飛び込んだ子どもは「(カヌーから水に飛び込むことが)こんなに楽しいなんて初めて知りました。」と日記に書いた。
「風が気持ちいいね」
5班
4名が釣り道具を積み込み、1艇のカヌーに乗って湖にこぎ出した。このグループは魚がいるところを知っていたようで、周りから川が流れ込んでいる所にカヌーを進めると、そこで釣り糸を垂らしていた。後で「1匹だけど釣れたよ。」と興奮したように叫びながら帰ってきた。
6班
8名が2艇に分乗し、一緒にカヌーを進めた。カヌーの中で日傘を差し、「風が気持ちいいな。」などと言いながら友だちと漕ぎ手を交代しながらゆっくりカヌーを進めていた。「時間がゆっくり過ぎていく。」「このままずっとこうしていたいな。」カヌーを転覆させてアグレッシブに楽しんでいるグループとは全く対照的なカヌー乗りを楽しんでいた。
「糸が絡んじゃった」「何か釣ってね」
7班
8名が2艇に分乗し、美和湖の岸で面白そうな所を探しては、上陸して湖畔の林を探検した。虫かごを持参していたため、沢ガニを採取して戻ってきた。「シカの骨を見つけたよ。」と興奮気味に語る子どももいた。
「この林は何か面白そうだぞ」
8班
6名が2艇のカヌーに乗りながら、釣り始めた。はじめは闇雲に糸を垂らしていたが、釣りが得意な一般の方が、釣りの仕方や釣れそうな場所を親切に教えてくださり、ポイントをカヌーで探しながら釣りを楽しんだ。時間的に釣りが難しかったようで、釣果はゼロだったが、「初めて釣りを教わってやってみたよ。釣れなかったけど楽しかった。」「この次も釣りをやりたい。今度は絶対釣って、焼いて食べてみたい。」と意気込みを語った。
その後皆で後片付けをし、16時30分に学校へ戻った。
「見て、見て、こんなに上手に漕げるよ」
成果と課題
この日の成果と課題を次のようにまとめた。
(1) 美和湖でのカヌー学習は、今回で5回目となる。子どもたちは自分たちが製作したカヌーを含めてカヌー操船に慣れ、友だちと力を合わせて自由に扱えるようになってきた。
(2) カヌーは子どもたちにとって目的ではなく手段となった。カヌーに乗り、より自然の中に入り込んでそこに身を置き、あるいはそこで楽しむ体験を重ねていった。
(3) 後片付けの場面では、自分の持ち物や、友だちの持ち物についての管理や責任について大きな課題を見つけた。
活動レポート1 「春のPTA林探検」
活動レポート2 「夏のカヌー探検」
活動レポート3 「アスレチック作り1」
活動レポート4 「三峰川探検」
活動レポート5 「秋のカヌー探検」
活動レポート6 「アスレチック作り2」
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