NO団体名主な企画内容
27 伊那市立東春近小学校 5年(長野県) 「「われら、きらり探検隊」」
カヌー探検や学校林探検など、自然の中で心と体を解放して遊びこむ企画と、間伐材でアスレチックを設計から作り上げる活動を通して創造力を養う企画を、教科の単元に位置付けて実施する。

活動レポート5 「秋のカヌー探検」 

期日   10月16日(火) 午前8時30分〜午後4時30分
活動場所 伊那市 長谷 美和ダム(美和湖)
参加者  東春近小学校5学年児童56名 担任教諭3名 NPO法人「美和湖倶楽部」
支援者  国土交通省美和ダム管理支所 NPO法人「美和湖倶楽部」「ペアウイン」「スカイワークス」
活動報告

秋のカヌー探検
 秋のカヌー探検を美和湖で行った。秋も深まり、あたりの山々は色づきはじめ、夏とは違った自然の姿を湖面に映し出していた。水温もかなり低くなり、落ちたら体が冷えてしまうため、すすんで落ちることがないよう注意をしてから探検活動に入った。
 これまでの活動でかなりのカヌーが傷んで、水漏れのために使えなくなったカヌーもあって、市販のカヌーも利用した。
 夏の探検グループをそのまま生かしたグループ編成で3〜4名が一組になってカヌーに乗り込んだ。子どもたちは「ひさしぶりだなあ。」「今日の探検は何しようかなあ。」などと友だちと話し合いながらカヌーに乗り込み、カヌーで湖面にこぎ出しながら、子どもたちは1日の計画を立て始めた。
 多くのカヌーは湖面に出ると久しぶりのカヌーの感触を楽しむかのようにゆったりとパドルを動かし、広い湖面を行ったり来たりした。時折友だちのカヌーに接近しては情報交換をしたり、競争をしたりして楽しんでいた。中には「まったりするのもいいもんだ。」と言いながらカヌーの中でひなたぼっこをするように寝転がる子どももいた。


カヌーの中で探検内容を考える子どもたち

「カヌーの上でまったりするのもいいもんだ」

浅瀬に上陸して砂の感触を楽しむ

 水位が下がって湖面に露出した浅瀬に上陸して砂の感触を楽しむ子どもも出てきた。対岸に上陸して流木などを使って秘密基地を作り始める子どもも出てきた。今回の探検活動では、子どもたちはカヌー遊びに終始するのではなく、美和湖畔に上陸して周囲を探検することを楽しみにしていた。そのために、しばらくすると多くのカヌーは思い思いの場所に上陸し、林の奥に入り込んでいく姿も見られた。しかし、当初は湖畔で流木を集めて遊ぶ姿が見られた。
 この日は竹村さん、清水さんの2名がボートによる救助艇を出して下さると共に、子どもたちの活動をサポートして下さった。美和湖の西岸は中央構造線の断層崖のため非常に急峻で、子どもたちにとっては危険な場所がいくつもあった。しかし子どもたちはどんどん奥に入り込んでいき、大きな岩があると、そこをよじ登ったり、木に登ったりと教師から見てハラハラする場面がいくつもあった。中には登った崖を降りられなくなって、べそをかく子もでてきた。それでも友だちと力を合わせて岸に戻ってホッとしている場面も見られた。こういうとき、以外にも男子より女子の方が大胆だった。大声を出しながらどんどん崖を登っていき、サポートする大人に「面白いところを見つけたから案内するよ。」などど、崖の上に大人を案内する姿も見られた。


流木で秘密基地遊びをはじめる子どもたち

崖を登って木登りも楽しむ子どもたち

「このがけの上、平らだよ。」

 子どもたちのまわりにはこのようなワイルドな自然環境はなく、ましてやそういう場所に足を踏み入れることはなかった。この日訪れた場所は子どもたちにとって初めての環境だ。しかしそこに子どもたちの戸惑いはなかった。そんな子どもたちの姿を見ていて奇なる事があった。それは「子どもたちは普段、安全な場所でくらしている。そのために、どういうところが危険なのか、自分がどういう行動をすれば危険かなど、子どもたちに危険を予知する力がないのではないか」ということだった。危険予知能力があれば、崖を目の前にして「ここを登ることは危険だ。」「落ちると大変なことになるかもしれない。」という思いが湧き出てくるはずだ・・・と大人は思った。ところが子どもたちはそこがあたかも校庭であるかのように動き回っていた。「これはちょっと危険だ。」と思ったころ、数人の子どもが崖を転がっていた。幸いにライフジャケットを着用していたため、打撲だけですんだ子が多かった。
 打撲や擦り傷と引き替えに、子どもたちにとっては大きな収穫があった。
 木の実であり、シカの頭骨などだ。秋のこの日、山々にはさまざまな木の実がなっている。食べられないけれども、様々に色づいた木の実は子どもたちにとって魅力ある収穫物なのでしょうか。一方伊那谷ではシカが増えすぎて問題になっている。美和湖にも多くのシカが水をのみにやってくるようで、子どもたちは無数のシカの足跡を発見している。シカの頭骨は他の骨と一緒に砂に埋まっていたという。骨を見せてくれた子どもは「このシカは水を飲みに来たときに、砂に足を取られて動けなくなり、そのまま死んでしまったに違いない。」とストーリーを語っていた。


「木の実をたくさん見つけたよ。」

「シカの頭骨を見つけたよ」

「どっちが漕ぐ力が強いかな?」

 午後になると、気温もぐっと上がりはじめ、子どもたちはカヌー遊びを始めた。カヌーの扱いに慣れ、カヌーに馴染んでいくと、子どもたちは自ら遊びを考え始めた。カヌーの上で立ち上がり、どちらが力強くパドルを漕げるか競争をはじめたり、中には夏同様カヌーを転覆させて遊ぶ子どもも出てきた。さすがに水が冷たかったのか、サッサと岸に上がるとそそくさと着替え始めた。
 この日は16艇のカヌーを出したが、30分で片付けが完了した。子どもたちがカヌーの扱いに慣れてきたからともいえるが、その大きな要因として、子どもたちの協力体制がしっかり機能していたとも言える。この日の探検活動は前述したとおりかなり危険だった。子どもたちの中の数人は「死ぬかと思った。」経験をしたのではないだろうか。そのとき近くにいた友だちもまた「○○さん、危ない!」と感じただろう。危険を前にしたとき、友だちをサポートしたり、声がけして友だちを励ましたりする行為が、友だち相互の結びつきを強めたと考えて良いのではないだろうか。
 5年生としては最後のカヌー探検だったが、教師としては危険回避のための努力に関して大きな課題を与えたと同時に、子どもたちには大きな収穫を与えたと言える。


ついに水に入り、泳ぎ始めるが・・・

友だちと力を合わせてカヌーを片付ける

現地でふりかえりの時間をつくり、感想を発表する子どもたち

成果と課題

(1) 子どもたちはカヌーをツールにして自然に入り込もうという気持ちを一層強め、積極的に自然の中に入り込んでいった。
(2) 子どもたちの危険予知や危険回避についてかなり無防備だと感じた。それだけにこのような学習はとても大切な学習だと感じた。



活動レポート1 「春のPTA林探検」 
活動レポート2 「夏のカヌー探検」 
活動レポート3 「アスレチック作り1」 
活動レポート4 「三峰川探検」 
活動レポート5 「秋のカヌー探検」 
活動レポート6 「アスレチック作り2」 

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