NO団体名主な企画内容
23 NPO法人 里豊夢(りほうむ)わかさ(福井県) 「自然の中で生きる力と笑顔を育む体験活動~里山の自然に触れ、遊びとモノづくりを楽しみ、生きる力を育む~」
里山の自然の恩恵を受け、何事もチャレンジし、笑顔で充実感を味わうことができる活動を行う。また、異年齢集団活動で、単にモノづくりの知恵だけでなく他者への思いやりや社会のルールを学び、人間力を育てる。

速報レポート3 「水あそび」

活動日:2022年7月24日(日)
活動場所:NPO法人里豊夢わかさ活動地 能登野区地係里地里山「のとのの里」、若狭町藤井区串小川上流
参加人数:小学生10名 中学生0名 高校生2名 幼児2名  保護者11名 スタッフ7名 
     合計32名    他CATVカメラマン1名
活動内容

 活動地域と周辺の市町でも小学生を中心にコロナ感染が拡大している中での活動実施を決定したため、活動の運営や内容の見直しを行った。活動内容は、感染防止のため「流しソーメン」を中止し、個々が竹で作成する器に盛って食する方法に変更した。
 9時に開会式を行い、活動内容の変更を伝え、活動上の注意事項としてコロナ感染対策徹底の協力と熱中症予防のため、定期の休憩以外に小まめな水分補給をお願いした。
 午前中の活動は、太い竹を使って昼食時に使用するソーメンを入れる皿とめんつゆを入れるカップ、箸をつくった。
 昼食は自作の食器を使ってソーメンを食べた、その後30分間ほどフリータイムを設けた。13時前に藤井区の許可を得ている串小川へ車で移動し、「水あそび」を行った。前日まで梅雨のような雨が続いていたため、川は少し濁りがあり、水は想像以上に冷たく、泳ぎを躊躇する子が多かった。しかし、午前中の蒸し風呂のようなか活動地からひんやりとした別世界の環境で子どもたちはのびのびと水あそびを楽しんでいた。

(1) 竹細工
 竹で昼食時に使用するソーメンを盛る皿、漬け汁を入れるカップ、箸を作る活動である。
 まず、太い竹を選び、器などになる部分を切り出し、成形し、竹のささくれをとるためにサウンドペーパーで磨いて仕上げた。初参加の3歳児と小1の子どもも自分の器づくりに一生懸命取り組み、器などを仕上げていた。多くの子どもたちは、昼食で使ったその器などを家でも使用するために、洗って持ち帰った。


<竹の切断①> 選んだ太い竹を台の上にのせ、マイ皿・マイカップ・マイ箸となる部分を切り出した。

<竹の切断➁> 初参加の幼児と1年生も助け合って竹の切断に挑戦。初のノコギリ体験であるため、道具を大切に扱うことを身に付けるため基本的な使用方法についてスタッフがポイントのみ指導。

<竹の切断③> 小4女児は、もうベテランの域に達し、のこぎりの使い方が実にうまく、無駄なく切っていた。気を効かせてスタッフの分も作ってくれていた。


<箸づくり①> 箸づくりのために初めてのナタを使用して竹を割る子ども。父親にナタが暴れないように支えてもらい、木槌でナタを叩いて割っていた。

<箸づくり➁> 割った竹で箸を作るためにナイフでさらに細くし、角を削っていく。削るナイフが人に向かないよう配慮して活動している。

<器磨き> 竹で作った箸、カップ、皿の切り口や割った面もささくれが出ているため、サウンドペーパーでなめらかになるまで磨いている。この後バーナで全体を軽く炙り、アルコール消毒し、水で洗って昼食時に使用。


<使用道具の後片付け> 使用したノコギリの目詰まりをブラシでこすり落とし、ヤニトリ液を塗ってヤニを拭き取り、最後に椿油で錆止めを行った。ナイフも同様にヤニトリと錆止めを行い、所定の場所に片付けた。

(2) 昼食とフリータイム
 昼食は、子どもたちが楽しみしていた流しソーメンを止め、自分たちがつくった器に盛って食べる方法に変えた。茹でたソーメンの粗熱やぬめりをとったり、冷やすために使用した氷は、参加者に牛乳パックで2~3本ずつ作って持って来てもらったものである。
 ソーメンは、昨年度の教訓から一人当たり二人前を準備したが、スッキリ売れきれた。家では昼食はあまり食べないという子どももいたが見事な食べっぷりにお家の方は喜んでおられた。
 昼食後、後片付けを終え、30分程度であったがフリータイムを設けた。食後のフリータイム時になると毎回子どもたちはいろいろな遊びを工夫し、楽しんでいる。この時間は、基本、大人は関与しないようにしている。一息ついているとあるスタッフが十数年前と同じことが行われていると呼びに来た。高校生の二人が幼児や低学年の子どもたちを秘密基地に通じる急斜面上りに挑戦させていた。里豊夢わかさが自然体験活動を始めたころで、高校生が当時4歳の時のことである。小学5・6年生の子どもたちの手助けと励ましを受けて裏の冒険の森へ通じる急斜面の上り下りに挑戦していた光景がよみがえった。上り切ったときに自然と拍手が起こり、下りきったときも同様に拍手が起こっていた光景の再現であった。残念なことに、上る様子を目にできなかったが、下りてきた子どもは達成感に満足しているようで、急斜面を眺めていた。


<ソーメンの盛り付け> 何度もお代わりできることと自分で考えてとることを伝え、小さい子どもも自分がどれだけ盛ったらよいかを考えながら自分がつくった器にソーメンを入れていた。

<昼食風景> 参加者のみんな、黙々と‥‥食が進んでいた。手前の食の細い子が3度もお替りをしており、お家の方も喜んでいた。

<フリータイム> 急斜面をおりている幼児を高校生がサポートしながら挑戦と達成感を味わわせている光景である。一歩ずつ足の位置を確かめながら慎重に降りていた。下り切った後、満足げに急斜面を振り返っていた。

(3) 水あそび
 緑に囲まれた自然豊かな川に親しむ活動である。ただ、川あそびは海の約2倍の犠牲者が出ているという報告もあり、“楽しく”かつ“安全”を心掛けて活動を行った。
 気温は高いものの前日までの梅雨のような雨が続いていたため水温が低く、泳ぐ子どもは少なく、魚とりや釣りを楽しんでいた。
 水あそびの締めとして”スイカ割り”を行い、割ったスイカでのどを潤した。来た時よりもきれいにを実行し、スイカの皮などは袋に入れ、全て持ち帰った。


<入水前の体操> 冷たい水に泳ぐことをあきらめた子が多い中、入水第1号を目指し、やる気満々の子は、ライフジャケット身に付け、軽く体操をして泳ぎに挑戦していた。

<川の散策> 川の中に魚かエビがいないかを探しながら、心地よい水の冷たさを楽しんでいた。

<人間いかだ> 高校生が、水深が膝程度の深さところで流れに身を任せていた。気持ちよさそうに‥‥昔行った頃を懐かしく思い出していたとのこと。


<魚とり> 小魚が岸の近くに固まって泳いでいるのを網ですくっている幼児。なかなかすばしっこく網に入ってくれない。何度も試みるも成果はゼロ。でも楽しかったとコメント。

<釣りに挑戦> 魚影がみえる淵に集まって、さながら釣り大会の様相。餌はソーセージ。河川組合の許可を得ているため安心して、子どもも大人も真剣に釣りを楽しんでいた。

<釣りの成果> ある家族の釣りの成果である。閉会式の後、各自が網でとったり、釣った魚をリリースしていた。


<スイカ割り> 水あそびの締めの活動は、スイカ割り。若狭町は剣道が盛んで、少女剣士が、見事一発で割っていた。CATVのカメラマンもびっくりで、これまで何度かスイカ割りの取材機会があったが、これほど見事に一発で割れたところは見たことがない、記念すべき映像が撮れたと喜んでいた。

<スイカタイム> 割ったスイカを適当な大きさに切ってもらい、全員が笑顔はじけるスイカタイムとなった。

活動を終えて

 福井県内のコロナ感染者数が過去最大となり、感染者の約4割が10歳以下の子どもというなかで実施した活動である。今回は、体験活動日まで1週間を切っている中で参加申込みをしていた一家族が感染し、その濃厚接触者として2家族も不参加という連絡を受け、どこまで感染が広がるかわからず活動実施決定に踏み切れずにいた。身近なところで感染者が蔓延している状況で中止という方向で様子を見ていたが、ある親から子どもが楽しみしているのでワクチンを受けた子どもたちだけででも実施してほしいという要望が入ってきた。開催の有無の決定を国や県の行動規制に対する発表を待った。
 7月22日(金)、国がコロナ感染対策として社会活動を優先し一律の行動制限は行わないと発表し、福井県も同調との発表を受け、7月24日(日)、計画通りの日程で体験活動の実施を決定した。22日(金)に改めて参加の有無の確認と再募集行い、スタッフへの協力要請、準備など慌ただしい一日となった。
 参加者は、昨年度の「水あそび」活動時の約半数であったが、この状況下で、不安を抱きながらも参加してくれたことに感謝した。受け入れる体制としては、よりコロナ感染対策を徹底しつつ、安心して体験活動が楽しめるよう配慮した。
 長きにわたる自粛生活が強いられ、子どもも大人も閉塞感を抱いていた中での活動であったため、コロナ対策を気に掛けながらではあったが、自然とのふれあいやコミュニケーションの場もとれ、参加者に喜ばれる充実した活動であった。
 ただ、毎回開催を危ぶみ、切羽詰まって活動の有無を決断しているが、正しい決断であったと自信を持って語れないことが残念である。早々にマスクを外し、表情豊かな子どもたちのコミュニケーションの場、笑顔がはじける場が戻ってくることを期待している。



速報レポート1 「芋の苗植えと昔あそび」
速報レポート2 「SDGsを学ぶ『森のそうじ』」
速報レポート3 「水あそび」
速報レポート4 秘密基地づくり
速報レポート5 活動名:豊かな森づくり

■別年度のレポート
2018年度 「里山の四季 まるごと体験」 実施レポート

プログラム検索に戻る