NO団体名主な企画内容
23 NPO法人 里豊夢(りほうむ)わかさ(福井県) 「自然の中で生きる力と笑顔を育む体験活動~里山の自然に触れ、遊びとモノづくりを楽しみ、生きる力を育む~」
里山の自然の恩恵を受け、何事もチャレンジし、笑顔で充実感を味わうことができる活動を行う。また、異年齢集団活動で、単にモノづくりの知恵だけでなく他者への思いやりや社会のルールを学び、人間力を育てる。

速報レポート4 秘密基地づくり

活動日 2022年9月25日(日)
活動場所:NPO法人里豊夢わかさ活動地 能登野区地係里地里山「のとのの里」
参加人数:小学生11名 中学生0名 幼児5名 高校生0名 保護者10名  スタッフ7名 合計33名
活動内容

 今回は、新型コロナの感染拡大の影響と活動内容が大きい子どもを対象とした活動に受け取られことで、応募締め切り時の参加申し込みは小学生3名と大人4名の2家族のみであった。秘密基地づくりとロープワークは小さい子どもたちには難しく敬遠されたようである。再度参加を募ったところある親から子どもたちの要望としてクラフトをあげているが可能であるかと相談を受けた。幼少期から一人でも多くの子どもが里山に関心を持ち、里山に足を運び、自然とのふれあいを楽しみ、里山で過ごした心地よさを感じてでもう事で、将来的に自然に関心を持った子どもたちを育てたいという思いがあり、受け入れることとした。
 活動内容は、開会式の後、全員でピザ生地づくりを行い、ピザ生地の発酵を待つ間、ローワークを行うグループとクラフトを行うグループに分かれてそれぞれが活動を行った。11時半にピザ生地を薄く伸ばし、トッピングを行い、ピザ窯で焼いてもらった。昼食後、約1時間のフリータイムを持ち、ロープワークのグループは秘密基地づくりに取り組んだ。幼児の家族を中心としたクラフトのグループは、クラフトの最後の仕上げを行い、使用道具の後片付けを済ませて午後2時過ぎに帰宅。

(1) ピザづくり
 自分が食するものは自分で作る活動としてピザづくりを行った。今回初めてピザづくりを行う子どもたちが多く、しかも、いつも指導してくれている中高生が学校行事等で参加していないため、順調に進むとは考えられない状況であった。この機会を生かし、毎回欠かさずに参加している小学生3名(6年生1名と4年生2名)にピザづくりの世話を任せた。誰が何を‥‥、と戸惑っていたが、一つ歯車が合うと協力し合ってピザづくりの世話を行ってくれた。これは今回の活動の大きな収穫である。
 初参加の子どもたちも見様見真似で小麦粉をこね、滑らかな生地作りを行っていた。気温も高く、発酵も順調に進んだ。生地を伸ばす活動は、やや手こずっていたが、親の手だしを拒み、形はいびつではあるか自分の力で仕上げる幼児もいた。トッピングは持ってきた具材を山盛りにする子どももいたが、中まで火が通らないことを伝え、できるだけ薄くトッピングしてもらった。ピザ窯で焼き上げる段階に入ると初めて参加した子どもたちは出来具合を見たいようでピザ窯を覗こうと近づくため、何度も注意した。ピサ窯内の温度が500℃近くを維持していることと窯全体が高温で危険を伴うため、子どもたちがピザ窯に近寄らないよう親の協力を要請した。


<準備①>のとのの里に到着した子どもたちがピザづくりのための準備に取り掛かってくれている。黙々とテーブルを水拭きし、消毒拭き後、のし台を並べて消毒も行い、拭き取っている。先輩の行動を真似、指示されることなくのとの里に来ると最初にする仕事となっている。

<準備➁>開会式後、ピザ生地作りに素早く取り組めるよう、のし台ごとにボールとしゃもじ、生地づくり用の小麦粉が入った袋をセッティングしてくれた。

<初のピザづくり指導>今回初めてピザづくりの世話をすることとなった4年生女児。ボールに入れた小麦粉の上にドライイースト一定量入れている。この後適温に調整したお湯をドライイーストに向けて注ぎ、オリーブオイル、塩を入れる。その後は生地作りの世話など多忙を極めるが、見事にこなしていた。


<生地作り>ボールの中である程度こねた生地をのし台に移し、しっかりこねている子ども。体重を乗せ、生地がなめらかになるまでこねている。

<生地伸ばし初体験>発酵した生地を薄く広げていく活動である。初体験の幼児も母親に手伝ってもらいながら見事に薄くピザの形に作っていた。

<焼きあがったピザを手にニッコリ>ピザ焼きにひとてまの注文をお願いしていた女児。ほぼ焼上がったころを見はからって一旦ピザ窯から出してもらい、マシュマロとチョコレートを載せ、再び窯の中に入れもらっていた。窯から出てきたピザを見て思い通りの仕上がりにご満悦のこの表情。

(2) ロープワーク
 竹や雑木を組み立ててつくる秘密基地づくりに必要となるロープの結び方を身に付ける活動で、止結び、本結び、もやい結び、巻き結びのロープワークを習得した。講師として敦賀市海洋少年団指導員の北川氏が担当した。学んだ技を竹を使って習得し、秘密基地づくりに役立てていた。


<お手本を見ながら>巧みな手さばきを見て、即挑戦する子どもたち。得手不得手があるようで、即できる子もいれば、何度もアンコールして習得を試みている子もいた。

<おじいちゃんに伝授>身に付けたロープワークの技をおじいちゃんに手ほどきしている。孫に教えを受けているおじいさんも幸せそう。

(3) クラフトづくり
 クラフトづくり希望で参加してくれた子どもたちを対象にクラフトを実施。のとの里の植樹地帯に入りクラフトづくりの素材を集め、頭の中に描いた構想を形にしてく活動である。作りながら発想が変化していくのを見るのも、子どもたちの解説を聞くのも楽しい。


<素材探し①>植樹地のヤマグリのブロックに入り、イガを使いたいと親に頼んで枝先を折ってもらっていた。これどう生かしていくのか楽しみにしていたが、クルーガンではひつけることが出来ず、そのまま置物にしていた。

<素材探し➁>まだ、どんぐりの落ちる時期ではないが、先日の台風で多くの青いドングリが落ちていた。大きいクヌギのドングリも落ちていると知らされ、夢中になって探していた。

<クラフトづくり①>クラフトづくりの全景である。全くの無言となり、モノづくりに集中している。


<クラフトづくり➁>集めてきた素材でモノづくりを生かしてモノづくりに取り掛かっている。クルーガンを使ったり、ボンドを使ったり、ペイントマーカを塗っている子どももいた。

<見て、できたよ!>幼児にカメラを向けると、自分で作ったクラフトを手にポーズもバッチリ。一生懸命作っており、納得のいくクラフトができたようである。

(4) 秘密基地づくり
 見晴らしの良い「いこいの広場」に面した杉林に一昨年から取り掛かっている秘密基地づくりである。竹を敷き詰めてステージを作っているが、既に虫が入って朽ちている竹も出てきている。それらを入れ替えたり、ステージを拡充する活動を行った。子どもたちがフリータイムやちょっとした暇を見つけて遊ぶには最適の場所となりそうである。


<竹でステージ作り>太くながさ10mの竹を台の上にのせるのに一苦労。大人二人がかりでも持ち挙げるのに相当力を要すル重さであるが、子どもたちは掛け声をかけて持ち上げ、力を合わせて台に押し込んでいく。

<補強と補充>朽ちた竹の入れ替えを行い、外したロープで絞め直しを行っている。

<手旗信号>海洋少年団指導員のスタッフからの一言「そこから手旗信号でみんなにあいさつしたら」を受け、「こんにちは」を教えてもらい、ステージで覚えたてを披露してくれた。手旗信号を何かに使えると面白いのだが‥‥。

活動を終えて

 今回は、新型コロナだけでなく、体育会など学校行事などが重なり、1週間前になっても参加者が7名以上増えなかったため、再度募集と地域の方に参加を呼び掛けてもらうよう協力を求めた。活動内容を変えることで地域内の親たちへの呼び掛けが始まり、幼児を中心とした親子38名の参加者を集めてくれた。しかし、活動日前々日、その呼び掛けてくれた親の子どもたちを中心に保育園児数名がコロナに感染し、親・兄弟も濃厚接触者として欠席という知らせを受けた。それでも感染に関係のない他の親子に参加を勧めてくれ、19名の参加を確保してくれ、開催にこぎ着けることが出来た。
 2時過ぎに、園児の家族は活動を終えて帰っていったが、遊び足りないのか駐車場や駐車場脇の見晴らし台の周りでブランコに乗ったり、追いかけっこをしたりして遊んでいた。親も帰りをせかすことなく、干渉することもなく眺めている。活動地周辺の集落は少子化がすすんでおり、参加した親からも「近くに友だちはおらず、このような友だちと一緒に自由に伸び伸びと遊ぶ姿をほとんど見ない」と聞かされた。現状では新たに小中学生の参加を期待することが困難であるため、幼児期から自然を親しむ場を提供し、近い将来、里豊夢わかさの活動に率先して参加してくれることを願っている。
 今回リーダーとなる中高生の参加がなかったが小学生3名がしっかりリーダーとしての役割を果たしてくれたことが成果として挙げられる。
 初参加の親子が多く、その多くは小さい子どもたちであったため、その動きに注意がとられ、写真を撮ることを忘れてしまい、子どもたちの活躍の様子が撮れていなかったのが残念である。写真を専門に担当するスタッフがいないため活動のその瞬間をとることの難しさも感じている。



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