NO団体名主な企画内容
47 広島県山岳連盟(広島県) 「わんぱく登山部」
山登りや沢登りを通して、子どもたちに「楽しい」「好き」といった気持ちの原体験を提供する。同時に登山の活性化や「山行中の屎尿の持ち帰り」を広報し、社会に提言する活動もおこなう。

「わんぱく登山部」 おもいっきり夏遊び!〜沢登りであそぼう〜 [7/26]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年7月26日(土) 快晴
広島県山県郡安芸太田町 奥三段峡
部員16名(小学校4〜6年生 男子8名、女子8名)、スタッフ6名
 <活動のねらい>

・沢登りという夏の山遊びを知る・沢を楽しむ
・自然の中で挑んで遊ぶ面白さ、楽しさ
・(8月のキャンプに向け)よりダイナミックな自然遊びに向けての好奇心を耕す

 <活動内容>

今年4月から毎月1回の例会山行をかさね、今月で4回目の活動。奥三段峡で日帰りの沢登り。
(奥三段峡は広島では登山愛好家によく遡行される比較的大きくて明るい沢)
途中の畳平を昼休憩をかねてゴールとし、往復で楽しんだ。
沢そのものを楽しむことを目的に、途中の淵でとびこんだり泳いだり、小さな滝になった段をのぼったり、
逆にすべりだいにして楽しんだりと、いろんな沢の形態をつかった「沢あそび」を楽しみながら遡行した。
途中、危険な箇所は高まきしてやり過ごした。
その際は、事前にはったフィックスロープのほかに、トップロープでの確保もおこなった。
気温が高く、絶好の沢登り日和。

 <プログラム>

07:30  横川出発
09:00  登山口到着・装備付け
09:50  出発・F2高まき
10:50  沢に到着・沢登スタート!
12:30  畳平到着・昼食
13:45  下山開始
16:00  下山・駐車場着 着替え・片付け
16:40  現地出発
18:10  横川着

 <ポイント>

・沢を楽しむ。ポイント毎に沢それぞれの形態をいかしたそれぞれのあそびを十分楽しんで。
・滝や淵の中を通るルート。「挑戦的」なあそびを楽しむ。大人もプッシュ。
・カラビナでのセルフビレイのとりかたを伝え、こども自身が実行。

 <こども達の様子>

非常に良くあそんだ、という感じ。
日差しが届いて気温も高く、低体温になることもなかったため
こども達のモチベーションをしっかり後押ししてくれていた。
昨年度から継続してきている子も多く、全体的に体力が上がっている。
また、「滝をのぼる」「流水にさからって泳ぐ」「深い淵に飛び込んでみる」「流水をつかってすべってみる」など
よりダイナミックなあそびを好む傾向があり、
それぞれ3〜4人で徒党を組むなどして、次から次へとあそんでいく姿が見られた。

昨年から「水に入るのは嫌」「かえるはこわい」
と足踏みするこどももいて、当初は心配されていた。
(それまでの自然体験や外遊びが大いに欠落していたという事情を抱える)
沢に入る際、やはり「水に入るのは嫌。もう帰る。」といい始めたが、
「ここをこうやって、こうやっていけばいいんだよ」と他のこどもにさそわれ
しばらくすると淵で泳いだり、どんどん流水にチャレンジしていく姿がみられた。
「やってみたら楽しいんだ」「みんなと一緒に同じように遊びたい」
という気持ちが芽生えていて
他の友達の様子がその子を導いている場面を多く見かけた。

大人が「やってごらん」と背中を押す段階はもう終わっていた。
昨年との大きな変化であった。
モチベーション・体力ともに満ちてきている。もっと大きな自然遊びもやりこなせそうな班になっている。

 <安全管理>

「管理ポイント」
・ヘルメット、ライフジャケット、ハーネス、すべりどめの靴下を着用。
・こどもは空身。飲み物・おにぎりは大人にあずけて。
・カラビナなど確保の最終チェックは大人が随時行う。
・沢の危険を事前にインフォメーション。(転倒、落石、溺れ、滑落、列をのばしてしまうこと など)
・装備を正しく使うことや メンバー全員が見えるところにいるようお互いに気をつけることで
 自分や他人の命を守ろう、など伝える。

発生状況:沢でぬれている石の上を通過中、足元がすべって転倒、そのまま50cm下に頭から転げ落ちる。
要因分析:石がコケなどですべりやすくなっていた。
今後の対策:ヘルメットとライフジャケットの着用が功を奏した場面だった。
沢での活動中は「絶対にヘルメットをはずさない」ことは非常に重要な安全対策であることを
スタッフ全員が実感した。

 <評価・反省>

「運営」
物理的にも精神的にも、ねらいにそった運営ができた。
また物理的な運営面も、昨年度のデータも参考にできて順調であった。
F4のトップロープを使っての高まきは今年はじめてのルートだったが
上りは30分弱・くだりは20分弱で通過できている。

「プログラムの設定」
昨年度はフィールド自体、設定より少し負荷が多きくなった感じがあったが
今年はこども達の気力・体力があがり、狙い通りの設定となった。
気温が高かったことは、大きな勝因。
また、トップロープで確保しての高まきなどは 必然的に発生したものであるが
こどもたちにより本格的な気分を与えていた。

「全体を通して」
彼らの今のレベルにあった、思いっきり楽しい「思いっきり夏遊び」ができた。
昨年1年間山遊びをする中で、木に登ったり、岩に登ったりする遊びも覚え、
ダイナミックな遊びの楽しさを知り、「自分達は出来る。そしてもっと出来る」といった
自己肯定感と好奇心を持っている。
そして、そんな彼らは去年と違って
滝にのぼったり、深い淵をおよぎきったり、飛び込んだり、水の流れに逆らって泳いだり、すべってみたり
と、少し勇気もいるちょっと危ない遊びを自ら好むに違いないと思っていた。
まさにその通りであった。
沢を遊びきった彼らは、「沢の上流はどうなっているだろう!」という次回のテーマにも
すでに足をかけているようだ。



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■別年度のレポート
2007年度 わんぱく登山部 実施レポート

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