NO団体名主な企画内容
10 NPO法人 もあなキッズ自然楽校(神奈川県) 「Universal View -身近にある自然を“いつもとは別の視点”から見てみよう!」
学童に通う小学1~6年生が、体験や実験を通して、いつもとは別の視点から身近にある自然とふれあうプログラム。実験装置を作って自然界の仕組みを学んだり、顕微鏡でミクロの世界をのぞいてみたりする。

速報レポート3 「永久機関を体験してみる」

活動日 6月20日(火)
活動場所 放課後児童クラブ「もあなのいえ」
参加者 子ども15名/スタッフ2名
活動内容

今回のUniversal Viewでは『永久機関を体験してみよう』という活動を行いました。このようなテーマで行っていますが、実際のところは残念ながら理論上は永久機関を作ることはできません。(モノを動かすときには摩擦などのエネルギーロスがあり、このロスをゼロにしなければエネルギー無しに動く機関を作ることはできないのです。)

そこで、子ども達にはエネルギーにおける日常生活の当り前がどれだけすごいことなのかを体験してもらうことにしました。まず初めに’’サイフォンの原理’’を紹介しました。こちらは、水を高い位置から低い位置へ流す際に、繋いでいる管内が水で満たされていれば、管の途中に出発地点より高い地点があってもポンプでくみ上げることなく流れ続ける仕組みのことです。


ペットボトルとストローを使って実演です。子ども達の視線がストローの先に集まります。

「おぉーー!!!ずっと水が出てる!!」
子ども達から歓声が上がりました。水が落ちるのは当たり前のことですが、ポンプがついている訳でないのにひたすら水が出るのは不思議ですよね。また、ストローの長い方と短い方を入れ替えると水が出なくなるので、子ども達の頭の中にはたくさんの疑問が生まれたようです。

次に紹介したのは’’ニュートンのゆりかご’’というものです。こちらでは、運動量保存の法則を子ども達と一緒に学びました。

スタッフ「この右の球を1つ持ちあげて、ここで手を離したらどうなると思う?」
子「ぶつかる」
子「他の全部の球が(離した球の勢いを)吸収しちゃう」
子「ぶつかった方もちょっとは動くんじゃないかな」


子ども達のすべての目線が右の球に向けられます。

動き出す球に、またも子ども達からの歓声が!!

「1個しか動いてない!!」
「なんで真ん中は止まっているの?」

両端の1つずつが行ったり来たり、不思議な動きを繰り返します。予想は誰も当たらず。子ども達のこれまでの常識の中にはない動きだったようで、みんな大興奮です。

次は応用編です。
スタッフ「じゃあ、持ち上げる球を2個にしたらどうなる?3個とか4個だったら?左右を同時に離したら結果は変わる?」

ここからは子ども達の予想大会。
持ち上げた個数が動く、全部が動き出す、両方同時にしたら止まるんじゃないか、などなど…。
子ども達の柔軟な発想がどんどん出てきました。予想ができたら実演して、実際にどのような動きをするのかを確かめました。


右手と左手を球に見立てて予想。「こういう風に動くと思うけどな~」

ここまで紹介が終わったら、いよいよ自分たちで作ってみる時間です。今回は’’ヘロンの噴水’’というものを作ってみました。これは、水が上の容器から下に流れることで、下の容器の空気圧が大きくなり、空気に押しのけられた水が上に噴き出すというもので、重力で下に落ちる水の力で、空気を圧縮してポンプのように水を噴出させる仕組みです。(子ども達にも仕組みについては説明しています。)
こちらをペットボトルとストローで作成していきます。

今回は学年ごとにチームを作って活動を行いました。さて、どのチームが噴水を完成させることができるのでしょうか?

ペットボトルは様々な大きさ・形のものを準備しました。ここでのアイテム選びから準備が始まっていきます。チームで使用するペットボトルが決まったら作業開始です。完成品が載っているお手本の写真を見ながら作っていきます。


「ここに穴を開けたらいいんじゃない?」

この実験で大切になるのは’’空気圧’’です。ペットボトルの隙間やストローのつなぎ目から空気が入ってしまうと、中の空気圧の変化がなくなり、水は出てきません。なので、つなぎ目は重点的に止めていきます。


2本のストローを合体したときに、途中から空気が漏れていないかどうかは吹いて確認してみます。

では、いよいよお水を入れてみます。水漏れ、空気漏れ、ストローが足りないなどの問題が次から次へと出てきましたが、何度も試作品を作り、それを補強することで最終的には半分のチームの噴水から水が出てきました!


実験の時には、自分のチーム、他のチーム関係なくみんなが集まって実験の結果を見届けます。

こうしてこの日の活動が終わりました。どのように作るかを考えるときに、話し合いや設計図よりも先に、とりあえずやっちゃおう!という考えの子ども達。その実行力のおかげで、関係ないところに穴を開けてしまったり、ストローを切りすぎて長さが足りなかったりしましたが、その失敗も子ども達が計画性を身につけるための良い経験だと思います(笑)今後も、その溢れる想像力でたくさんの遊びに打ち込んでほしいものです。



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