NO団体名主な企画内容
22 尾鷲市立矢浜(やのはま)小学校(三重県) 「僕らのあそび場づくり ~そと育・みらい育・おわせ行く~」
子どもたちが主体的に自然で遊ぶ能力を培いながら、郷土を学ぶ。地域の民官の団体と連携し、様々なフィールドで活動する機会を創出。自然と親しみながら、自然のリスクも学び、人として「生きる力」「生きぬく力」を身につけるなどを目的にした活動。

速報レポート3 【川育】ウォーターアクティビティ

活動日:令和5年7月18日(火)8:40~11:50
活動場所:矢ノ川中流の通称「どん淵」
参加人数:小学生  13人/大人  9人/指導者  2人/合計  24人
活動内容

8:40 ~  9:05 矢浜小学校から「どん淵」へ移動
9:05 ~  9:30 ①ゴミ拾い
9:30 ~ 10:20 ②川に流されてみる体験
10:20 ~ 10:30 休憩
10:30 ~ 11:10 ③飛込体験
11:10 ~ 11:20 ④尾鷲ヒノキについて
11:20 ~ 11:45 「どん淵」から矢浜小学校へ移動
11:45 ~ 11:50 ⑤ふりかえり

~①ゴミ拾い~
 トム・ソーヤースクール企画2023「僕らのあそび場づくり~そと育・みらい育・おわせ行く~」プロジェクトの第3回目の活動として、今回の川育は、泳げるようになるのではなく、どうすれば安全に楽しむことができるかを目的に、矢ノ川中流の通称「どん淵」で川に流されてみる体験と飛込体験を行いました。

今回も前回の活動と同様に、第1回でいただいたつなぎ服を着用し、「どん淵」の駐車場に着きました。「どん淵」に行くまでの道は山道です。そのため、最初に前回の第2回の振り返りや第1回で考えた「山・川・海」の気を付けるべきことシートを用いて、山道を歩く際に大人の指示をしっかり聞いて動くことや、気を付けて歩いて滑らないようにするなど、注意点の再確認をしました。

その後、道路沿いの道から山道に入り、斜面や細い道、川の浅い場所を通って、川岸に到着しました。この日は朝から暑かったことから、まずは熱中症対策として体を冷やす目的で、子どもたちに、「浮くっしょん」という水辺でのアクティビティにも活用できるライフジャケットを着用させて川へ入り、実際に浮くことを体験しました。このときはまだ川が苦手で、水の中に入ることを嫌がる子どももいました。

川岸に戻って子どもたちから、「ゴミが落ちている」と発言がありました。そこで、子どもたちは自分たちで仕事を割り振って、予め用意されていた火ばさみやごみ袋を使って、周辺のゴミ拾いを行いました。(画像1)

この後、川岸に放置された炭を見つけ、講師の有限会社ドーモの森田さんから、炭を放置した場合、炭は分解されずいつまでも残り、増水時には流されることでゴミとなってしまうことや、炭により熱せられた石は、当然熱くなっており、また時間が経つと割れやすく、割れると先が尖った形になるので危険であるため、炭の後片付けとして、炭をできるだけ回収し、廻りの石で焦げた石が見えなくなるまで積み上げていく方法の説明が行われました。子どもたちはその説明を聞いて、「前回の山の炭とはちがうんだな。」「石とか割れていたら危ないよな。」と感想を話していました。(画像2)

補足説明として、最近直火禁止の場所が増えてきたのは、今回のような炭や焦げた石が放置されている状況が原因であり、改めて適切な後片け方法を、子供も含め参加者全員で再確認しました。


川の近くにゴミがないか探索中です!

炭の後片付けの仕方や直火による危険性を教えてもらいました。

~②川に流されてみる体験~
川に流されてみる体験の前に、尾鷲ライフセービング協会所属のライフセーバー、伊藤さんから、「ライフセーバーとは、みんながよく目にするのは海水浴場で監視をしている人で、簡単に言うと命を守る役割の人です。」という説明が行われ、子どもたちは水難事故を防ぐために活動する人たちがいることを知りました。この伊藤さんをはじめとした、大勢の大人が見守る中だからこそ、今回、川に流されてみる体験を行うことができました。

まず、ライフジャケットを着用した状態で流される体験を行いました。(画像3)。仰向けになり力を抜いてフワフワと浮いて流されます。水面はおだやかでしたが、水中の流れは速いため、泳ぎの苦手な子どもは、浮くポイントがわかるまで時間がかかりましたが、周りの大人の手を借りながら、流れに逆らわず水に沈まないような体勢をキープしながら、流されるコツをつかんでいきました。

その後、講師の森田さんから、「流されてみてどうだったか」と質問され、子どもたちは「怖かった。」「流される人の気持ちがわかった。」といった感想を話しました。それらの感想に対して、森田さんから「じゃあ、流される人は浮くっしょんをつけているかな。」と質問され、体験したことと現実の違いに気づきました。次に、その気づきから、ライフジャケットを着用せずに川に流される体験を行いました。(画像4)。

この体験を終えた子どもたちは「浮くっしょんないと無理や。」「さっきより怖かった。」と話していました。その後、森田さんに「浮くっしょんがないときは、どうやったら浮くかな。」と質問され、大半の子どもたちが「ペットボトルで浮く。」と答えていました。最後に、子どもたちの答えから、ライフジャケットを着用せず、ペットボトルのみで浮く体験を行いました。(画像5)。この体験を終えた子どもたちは、「本当にペットボトルで浮くんやな。」「首の方に持ってくると浮きやすいで。」と感想を話し合っていました。

ペットボトルのみで浮く体験が終わってすぐに、子どもたちは「浮くっしょんつけていい。」と森田さんに聞いて身に付け、今回の体験の最後まで全員ライフジャケットを身に付けておりました。川に流されてみる体験を行ったことで、川で安全に楽しむためにはどうすればよいか考え、自らの判断でライフジャケットを身に付けておりました。

これらの体験を終えて川岸に戻った後、森田さんの「もし、おぼれている人がいたらどうするか。」と質問され、子どもたちは「自分で助けに行かず、大人を呼ぶ。」「ペットボトルを投げる。」と答えました。それらの発言から、実際に、尾鷲市水産農林課の岩屋さんにおぼれた人の役をして川に浮いてもらい、そこまでペットボトルを投げることができるか試してみました。

子どもたちが空の2Lのペットボトルを投げたところ、遠くまでペットボトルが届かなかったことに対して、「水を入れた方が飛ぶ」と意見があり、水を入れると遠くまでペットボトルを投げることに成功しました。その後は、空のペットボトルと少し水の入ったペットボトルを投げ比べ、その違いを体験しました。(画像6)。投げ終わった子は、おぼれている側の役割をして、川の流れに乗る活動を含めて、おぼれる側と助ける側の両方の体験をすることができました。


浮くっしょんありで流されてみました。

浮くっしょんなしだと少し怖かったみたいです。

ペットボトルでも浮きました。


ペットボトルの投げ比べ。とび方が全然違いました!

~③飛込体験~
休憩の後、対岸の大きな岩の上に移動し、記念撮影を行いました。(画像7)。子どもたち全員で写真を撮った後、「さあ、飛び込んでもらおうか。」と言われ、子どもたちは「やったー。」「え、無理やん。」と色々な反応をしていました。

我先にと子どもたちが嬉しそうに飛び込む一方で(画像8)、なかなか飛び込むことができない子どももいました。(画像9)。そういう子どもも含めて全員が飛び込むまで、先に飛び込んだ子どもたちは、下で見守っていたり、声をかけて励ましたりと、飛び込もうとしている子どもを優しく、そして力強く後押しする雰囲気が見られました。そうした雰囲気の中で子どもたちは、意を決して一人で飛び込んだり、先生と一緒に飛び込んだりと、最終的に13人全員が飛び込むことができました。最後の一人が飛び込んだとき、子どもたちが歓声をあげ、全員が達成感を感じさせる表情を見せていました。

 全員が飛込を行ったあと、シュノーケル体験を行う時間がなかったため、自由時間として水鉄砲で遊んだり、飛込をする時間に変更しました。最初の水慣れのとき、川に入ることが苦手だった子どもが、飛込を行ってからは川に入って楽しそうに水鉄砲で遊んでいました。また、飛込が怖くて、先生と一緒に飛び込んだ子どもは、1回行うと「楽しかった!」といい2回目は一人で飛び込みました。このように、泳げなかったり水の中が苦手な子どもが、今回の体験
は川で安全に楽しむことができました。

~④尾鷲ヒノキについて~
最後に、帰り道の森林の中に、スギとヒノキが植わっていたことから、前回の間伐作業のおさらいとして、尾鷲市水産農林課の千種さんが、スギとヒノキの皮や葉の形の違いや、尾鷲は「尾鷲ヒノキ」の産地であり、「尾鷲ヒノキ」の特徴は、植栽本数が通常の倍以上の「密植」であるとの説明が行われました。その説明を聞いて、子どもたちは、実際にスギとヒノキの葉の形に違いや、幹に触れにおいを確認していました。(画像10)。

~⑤ふりかえり~
また、今回も授業後にプールと川との違いについて振り返り、自然の楽しさと安全確保の重要性について考えました。最後に、子どもたちがこの活動で分かったことや感想を書く、ふりかえりシートへの記入を、宿題にして終了しました。


全員集合!この後、飛び込みます!

一世一代の大ジャンプ!

怖かった子もがんばって飛び込みました。


ヒノキの見分け方を実物を見ながら勉強しました。

子どもたちの感想

  • ライフセーバーさんがいない場合、自分たちで行動しなくちゃいけないから、おぼれている人に少し水を入れたペットボトルを投げて助けることがわかった。
  • 今日みんなで岩から飛びこんだことがとても楽しかった。
  • 浮くっしょんがなくて、本当におぼれた人の気持ちがよくわかった。
  • どん淵の水の色が透明できれいだった。
  • 直火をしたときにできた割れた石は、下に置かないといけないことがわかった。
  • 尾鷲の自然の川はとてもきれいだったけど、川に入って流れが速いことがわかった。
  • ペットボトルに水を入れたら、どれくらい飛ぶのかわかった。
  • みんな、何回も飛び込んでいたのが良かったです。
  • ライフセーバーの方がいることで、人の命は守られるんだなぁと思いました。
  • 木はにおいでヒノキということがわかったし、葉の形を見てもわかりました。
  • 魚やえび、たくさんの生き物がいて、自然はいいなと思いました。



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