NO団体名主な企画内容
17 NPO法人 里豊夢わかさ(福井県) 「自然と共にある体験活動 ~里地里山の自然に触れ、遊びと学びのある活動を通して生きる力・人間力を育む~」
型にはめることなく、子どもたちのペースで里山の自然を楽しみ、充実感を味わう活動を目指す。自然の中での異年齢集団による活動を通して、思いやりや知恵の伝承など「子ども文化」を醸成し、たくましく生きる力を育む。

速報レポート4 川あそび

活動日:2023年7月30日(日)
活動場所:福井県若狭町能登野区地係 里地里山「のとのの里」
        福井県若狭町藤井区地係 「串小川」上流
参加人数: 小中学生 16人 / 大人13人 /幼児5人/指導者7人 / 合計41人
活動内容

 午前中の活動は昼食時に使用する器類を竹で作るモノづくり活動で、昼食は自作の器等を使って流しソーメンを堪能し、午後は川に移動し、川の上流で水あそび、魚釣りなど自然を身近に触れて楽しむ活動である。
数的な発表はないが、身近なところでコロナ感染が拡大傾向にあるとの情報を得て、参加者に検温と体調について確認を取った。

(1) 竹細工:流しソーメンで使用する器と箸づくり
 事前に切り出してきた太い竹を利用して昼食の流しソーメンを行う際に各自が使用する器と箸づくりを行った。参加者個々が自分で使用する器等は自分で製作することとし、幼児も一部スタッフや親の手助けを受けていたが、自分が使用する器と箸を作り上げ、昼食時に使用していた。
 活動内容は、まず、太い竹の節を利用したソーメンのつけ汁を入れる器づくりで、ノコギリでその両端を切断して器を作った。切断した竹の切り口は、ささくれ立っているため、ナイフとサンドペーパーで滑らかにした。最後の仕上げとしてスタッフがガスバーナーで焼き、より安全に使用できるようにした。
 箸づくりは、カップを切り取った残りの節のない部分を利用した。まずナタで細く割り、一組2本の箸の原型を作った。次に切り出しナイフの刃の部分を使って4つの角を削り、やや丸みをつけ箸らしい形に仕上げた。
 ナイフは、使い方を間違うと自分だけでなく他も危険な目に合わす道具であるため、低学年以下の子どもに対しては親の判断と責任で使用することを認めた。十数年、活動開始後から行っている方法であるが、これまで、手を切るなどの事故は一度も起きていない。


3歳の子どもののこぎり初体験。お母さんの手助けでのこぎりの使い方を習得。他の子どもも興味津々で、その様子をしっかり見て、学んでいる。

親が刃物の使い方についての説明を聞いた後、子どもにその刃物の使い方の手本を示している。子どもは、母親が刃物をどのように使っているかをしっかり見て頭に叩き込んでいる。この後、子どもは、間違うことなく刃物を使いこなしていた。

中学生の生徒が箸づくりで残った割った竹を利用して、物を載せる台を作っていた。表面を軽くバーナーで焼き、食べ物を乗せても衛生面はバッチリと自慢していた。

(2) 昼食:流しソーメン
 流しソーメンは、10年以上の歴史を持つ、子どもたちだけでなく参加者全員が楽しみにしていた「のとのの里」の夏の風物詩であったが、コロナ感染拡大に伴い中断に追い込まれ、3年ぶりの復活開催となった。スタッフ以外の参加者全員が初めての体験活動で、これを楽しみに参加申し込みをした家族も多かった。
 全員一斉に行うと、上部でほとんどとられ、下部までソーメンが流れてこないため、①小学低学年以下、②それ以外の小学生、③保護者・スタッフの3部制にし、実施した。一人当たり通常の倍の2人前用意したが、すっかり食べ、好評であった。


食いっぱぐれがないよう、小学校低学年以下の子どもたちが、まず、流しソーメンを楽しんだ。腹八分目程度まで堪能

待ちに待った中高学年の子どもたちも加わり、流しソーメンを楽しんでいる。

途中、取られることなく流れ着いた最後の受け止めるザルの中に溜まったソーメンを食べている幼児3人。子どもたち全員でとなるとなかなか幼児がすくいとることが困難になったためにとったこの機転の利いた行動に生命力の強さを感じた。

(3) 川あそび
 4年前から地域の協力を得て、活動地近くの小川の上流で行っている川あそびである。うっそうとした森林地帯を抜けると開けた空間が目に入り、小さいが河原のある小川が目に入ってくる。泳ぐのに適した深さと流れもあり、多くの魚影が見える淵もあるなどいろいろな遊びを楽しめる自然豊かな場所である。安全面でも問題のない場所である。  
 ただ、今年も夏休み初日に小学生が川あそびで亡くなるという報道があるなど、川あそびは、危険を伴うため敬遠されている中での活動であるため、スタッフの目だけでなく、参加者の保護者の方々の協力を得て安全には念を入れ実施した。
 川あそびの締めとして例年の行事である”スイカ割り”を実施した。幼児は、目隠しなしでスイカ割を楽しませた。水分補給は20分ごとに行ったが、甘いスイカは格別でのどを潤し、大玉3個のスイカを見事に平らげた。
 来た時よりもきれいにをモットーとしており、今回もスイカの皮などはごみ袋に入れ、全て持ち帰った。


猛暑の中ではあるが、川の水は冷たく子どもたちは思い思いに川あそびを楽しんでいる。

人生初の釣りの成果。満面の笑みを浮かべ、釣り上げた魚を誇らしげに掲げている。

幼児のスイカは意外と早く割れたが、小学校高学年の子どもと中学生は、相当手間取っていた。3つとも割れた後、スイカを切ってもらってみんなで食した。


(4) 後片付け
 活動の一部として行っている使用した道具の後始末の活動を行った。今回は使用したノコギリの刃に詰まっている竹の切りカスとヤニをヤニ取り液をつけ、ブラシでこすり落とし、最後にさび止めの椿油をまんべんなく塗って保管する活動である。参加した幼児たちも真剣に取り組んでくれていたのは印象的であった。


自分で目詰まり状態の刃の部分にヤニ取り液を付け、ヤニも同時にブラシでこすり落としている子どもたち。

子どもたちの感想:反省会の発表から

  • はじめてノコギリを使いました。速くのこぎりを動かして竹を切っていたが、なかなか切れなかった。先生から押すときは力を入れずに軽く、引くときは強くと教えてもらい、何度かやっているうちに、うまく切ることができた。のこぎりの使い方のコツをつかんだ。
  • 3年前から活動に参加し、流しソーメンを楽しみにしていたがコロナで一回もなく、ずっとやりたかった活動です。今日初めて流れてくるソーメンをすくって食べることができ満足です。お母さんにどれだけ食べるのと言われましたが、「3年分」と言いました。本当においしかったです。念願がかなって満足です。
  • 6月の活動でビワの種飛ばしはまったく出来なかったが、スイカの種飛ばしでみんなと同じぐらい飛ばせた。先生から家で猛特訓したの?と聞かれたが、そんなに練習していませんといった。本当に練習はほとんどしていないのに今回はうまく飛ばすことができてよかった。
  • はじめて川あそびに参加しました。平野さんから釣りざおを貸してもらい初めて魚釣りをしました。エサも平野さんがつけてくれ、釣り方も教えてもらいました。川の中に入れるとすぐググっと引っぱられ、平野さんが「あげて!」と教えてくれ、急いであげましたがエサだけ取られていました。何度もエサだけ取られていましたがついに釣り上げることができました。うれしくてみんなに自慢しました。いろんな遊びができて楽しかったです。また来ます。



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■別年度のレポート
2021年度 「自然の中で生きる力を育む体験活動」 ~里山の自然に触れ、遊びと本物の体験を通して生きる力を育む~ 実施レポート

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