NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人 里豊夢わかさ(福井県) |
「「自然の中で生きる力を育む体験活動」 ~里山の自然に触れ、遊びと本物の体験を通して生きる力を育む~」 里山環境整備、竹、杉を使ってのモノづくりや火起こし、川あそび、農業体験などの活動を行い、集団活動を通じて、他者への思いやりや社会のルールを学び、人間力を育む企画。 |
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速報レポート1 春の里山体験
場所 NPO法人里豊夢わかさ活動地 能登野地籍里地里山「のとのの里」
参加者 小学生20名 中学生3名 幼児2名 高校生1名 保護者16名 報道関係者1名
スタッフ7名 合計50名
スケジュール
9:00 のとのの里集合 検温・体調確認・県外移動の有無確認、 施設・活動内容と注意事項の説明、スタッフ紹介
9:20 ヘビパンづくり① パン生地作り 一次発酵
10:00タケノコ掘り
使用道具の後片付け
11:40 パンづくり② パン生地を伸ばし、竹に巻き付けて二次発酵
小さいタケノコを焚火で焼く
12:00 昼食:焚き火でパンを焼き、タケノコごはんとスープなどで会食 食後:フリータイム
13:00 花炭づくり
① 炉を耐火煉瓦で組む ② 火おこし ③ 缶の中に材料を入れ火にかける
④ 煙が出なくなった缶を砂の中に埋める ⑤ 缶を掘り出す
14:40 使った道具の片付けと火の後始末
15:00 一言感想・解散
活動内容
(1) パンづくり
当初ピザづくりを計画していたが、40名を超える参加者数となり、ピザ窯ひとつでピザを焼き上げるのは時間的に不可能となり、個々が焚火にかざして焼き上げるパンづくりに変更した。
初参加の子どたちもいたが中高生4名が活動を進めてくれた。自主的に、相談することもなくスムーズに機能しているから不思議である。ありがたいのは、活動の趣旨を理解しており、出しゃばらず、関わり過ぎず、自分がつくったという満足感を持たせるよう配慮してくれていたことである。
活動の前の手洗い。しっかり洗った後、消毒とコロナ対策でもある
初参加の姉妹に付いて、生地のこね方の手本を見せている高校生
ドライイースト、お湯、などを手際よく配布している中学生
初参加の幼児。姉から離れず、見よう見まねで「ヘビパン」づくり
熾火の遠火でじっくりと時間をかけて焼き上げる。結構腕がだるいが‥‥
自分で焼いたパンにジャムをつけて、早速「いただきま~す。」 、
(2) タケノコ掘り
自然の恵みに感謝し、収穫を楽しみ、旬のタケノコを味わう体験活動である。
今回、初めて許可を得てタケノコ掘りを実施する場所であるが、探し回ることなくタケノコの頭があちこちに出ており、しかもそのほとんどが収穫時期としては最適な状態であった。危険回避のため、他を意識すること、固まらないことを注意し、タケノコ掘りに取り掛かった。
掘ったタケノコは、タケノコごはんとスープなど昼食の食材として活用した。
タケノコ掘りに使用したスコップや移植ごては、のとのの里まで持ち帰り、子どもたちがきれいに洗い、しばらく天日干しを行ったあと、道具小屋に収納した。
最初スコップでタケノコの周りを‥‥後は移植ごてで丁寧に掘り出す
父親がスコップで周りを掘り起こし、後は、子ども2人に「自分で、やった感」を味合わせるために見守っている
太いタケノコ掘り出して「ハイポーズ」も、目は次のタケノコの物色を始めている
使ったスコップについた泥を水と雑巾できれいに洗い流している
洗い終わったスコップをきれいに並べて天日干し
小さいタケノコの上部を切って焼きタケノコに‥‥。昼食時のおかずに
(3) 花炭づくり:
火おこし活動に繋がる活動で、自然素材を原型のまま炭化する花炭づくり活動である。里山で拾い集めた松ぼっくりやクリのイガなどの素材を、もみ殻を敷き詰めた蓋のある缶にいれる。耐火煉瓦で炉を作り、火を起こして焚火を作る。その上に缶を載せ、素材を蒸し焼きにする。缶に開けた穴から出てくる煙の色で缶の中の状態を推測し、煙が出なくなってから5・6分後に炉から下ろし、空気を遮断し、冷ますために砂の中に埋める。炉の火の後片付けを行う。耐火煉瓦は、熱を持っているため、しっかり冷まし、活動の最後に煉瓦置き場に運んで積み重ねる。
火を扱う活動であるため、火傷しないように注意をすることと、花炭作りを終えた後の燃えている薪を大きな炉に移す際も「火が通ります」と声をかけて通ることなど安全を徹底した。
植樹地帯の中に入って花炭材料の現地調達
火おこしに一苦労。炎が上がらず、煙に包まれ苦戦していた
ようやく勢いよく炎が上がり、花炭の材料を入れた缶を載せて蒸し焼きに
缶を砂に埋め、酸欠状態で消火。じっくり冷ます
焼きあがった花炭。焼き上がりの青味がかった光沢に感嘆の声
焚き火の後始末もしっかり。炉に使用した耐火煉瓦は、十分に冷ました後、煉瓦置き場に積み重ねた
活動を振り返って
コロナ過による自粛生活が続き、子どもの外遊びが減少していることを危惧している親の参加が大半であった。自然の中で楽しみながら子どもと過ごせたことを喜ぶ親が多く、親自身にとっても気分転換でき、ストレス解消にもなったようである。
参加人数の関係でピザづくりに変えてパン作りを行った。幼児や初めて参加した1~2年生の小さい子どもたちもいたが、中高生4人が手際よい補助活動で全員、美味しいパンができていた。子どもたちから「美味しい」という言葉が何度も聞けてやりがいを感じた。
タケノコ掘りの場所として例年2か所の竹藪を借用しているが、今年は、2か所とも獣害によりほぼ全滅であった。半分あきらめの気持ちで、地域住民の力も借りて数か所の竹藪を調べて回り、一ヵ所だけ全く獣害にあっていない竹藪を見つけた。地主を探してもらい、活動日前日に許可を得て活動にこぎつけることができた。
その竹藪に入って子どもたちは協力し合ってタケノコを協力して2~3本ずつ掘りだしていた。収穫したタケノコは、自然の恵みに感謝し、昼食の食材として活用した。
花炭づくりは、自然素材の有効利用で、里山に転がっている松ぼっくりや栗のイガなどを蓋のある缶の中に入れて蒸し焼きにする活動である。初参加の親子はこんなことで炭ができるか半信半疑であったが、焼き上がった炭を見て驚いていた。特に砂から掘り出した缶の蓋を開けたときにだけ、わずかな時間だけ見ることができるコバルトブルーの輝きに感嘆の声を上げていた。
今年度から、これまでの活動で疎かであった「来た時よりもきれいに!」と自分の使用した道具の後片付に取り組んでいる。メディアから伝わってくる情報で、コロナ過で自粛ムードが広まっている中、安全であるということで、野外で過ごす人が増えてきているようであるが、マナーの欠如がクローズアップされている。特に使用した場所にいらなくなった道具や器などのごみ、残飯などが放置されており、さらにバーベキューの火まで放置されていることなど、信じられない行動が日本で起こっている。
我々がどこかで身に付けた「来た時よりもきれいにする」意識が薄れていることは、自然の恩恵を受けて活動を行っている者にとっては見過ごすことはできない。今年度から今まで以上に意識して後片付けを推し進めることとし、子どもたちにとっては当たり前の行動であることを身に付けさせたい。
今回は、スコップの後片付、花炭づくりで使用した炉の片付け、焚火の後始末などを行ったが、小さい子どももいっしょになって後片付けに取り組んでおり、焚火の後もきれいになっていた。「来た時よりもきれいに!」「使った道具の後始末」を重点項目として継続していくことを考えている。
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■別年度のレポート
2023年度 自然と共にある体験活動 ~里地里山の自然に触れ、遊びと学びのある活動を通して生きる力・人間力を育む~ 実施レポート
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