NO団体名主な企画内容
6 認定NPO法人 宍塚(ししつか)の自然と歴史の会(茨城県) 「いきものいっぱい、遊びもいっぱい。里山子ども探偵団に集まれ!」
子どもたち自らの発見を促しながら、里山での動植物の採集、観察、里山素材を利用した遊びを行う。里山の景観や生物相と接することで、自然環境への関心を高め、自然と触れ合う力を育てるとともに、多年代、異年齢の子ども間交流による伝統的な遊びの継承につなげる。

速報レポート1 オタマジャクシにも、カエルにもであい、タケノコたおしで 里山保全もがんばった

活動日: 2024年 4月 27 日( 土 )
活動場所: 土浦市宍塚の里山
参加人数: 小中学生 10 人 /就学前9人/  大人 20 人 / 指導者5人 /合計  44 人
活動内容

 集合地点で、里山での危険について説明をしてから、最短距離で宍塚大池の堤防へ向かいました。
 宍塚大池の水面に、たくさん緑の葉が浮きはじめています。参加者のもっていた網で、数株ひきあげました。黒い面白い形の実から茎が長く伸びて、先に菱形の葉がまとまって、そこが水の上に浮いています。途中にたくさんの水中根があります。葉っぱの形は短い菱形、実も菱形に近い形です。常連の子どもが、「これはヒシだよ、マキビシの道具だよ」と皆に教えてくれました。
 黒い実を皆で観察します。長い棘が2本左右に突き出て、その棘に、さらに細かな棘があります。昔、忍者が追っ手から遁れるために 後ろに投げ、追っ手を防ぐ「マキビシ」という武器になったといわれる植物です。「ヒシの実にはなぜ、このすごい棘があるんだろう?」と、子どもたちに理由を考えてもらいました。ヒントは、この池には、たくさんカモなどの水鳥が来ることです。その羽にとげで実がくっつき遠くの湖や池に運ばれることを理解してもらいました。観察していた子が、水中の「根」に魚の卵がついているのを見つけました。フナか鯉などコイ科の卵のようです。見つけた子が、飼ってみるとビニール袋に水もいれて、持って帰りました。(ちゃんと孵化して育っているそうです)
 しばらく、堤防のあたりで生き物を探しました。越冬したクビキリギス、ツチイナゴ、ベニシジミ、キアゲハなどチョウがみつかりました。




 堤防をぬけてゲンベエ山の斜面を登ると、雑木林のあちこちに、絶滅危惧種を含む、美しい春の花々が見えました。長年保全活動でこの雑木林の下草をかってきた結果です。さらにすすむと「子パンダの森」。地元の中学生たちが長年孟宗竹を駆除し、明るい草地と雑木林になってきたところで、中央に古墳もあります。孟宗竹は江戸時代に日本に入り、近年急速に関東地方にも繁茂するようになった太い竹です。地元中学校科学部が何年もとりくんだ研究では、竹林になってしまうと、地下茎と竹の枯れ葉が地面を覆い、土の栄養分と、保水力が失われ、日光が地面に届かなくなり、植物の種類も、動物などの種類も激減することがわかりました。中学生による駆除活動に続き、高校生、大学生、会の保全活動部隊「さわやか隊」などが、竹の除去作業を継続して行っていますが、まだ、斜面の孟宗竹林は駆除しきれていません。そこで、子ども探偵団の子どもたちにも活躍してもらいます。はえたばかりのタケノコを駆除する保全活動の意味を子どもたちに伝え、皆でとりくみました。孟宗竹の太いタケノコは、体重をかけて、ぐんぐん押さないと、折れてくれません。がんばって、やっと折れるときには、ポカっというような音が響いて、それはそれは快感です。でも、竹が倒れるのと一緒に転んでしまうこともあり、スリルのある活動です。短いタケノコ、身長より高くのびたタケノコなど、見つけて、どんどん倒していきました。30分くらいで、見渡しても、もう見つからないくらいまで、タケノコを減らすことができました。



 タケノコ倒しをした斜面を降りきると、明るい谷津田に出ます。田んぼのへりの水路ではニホンアカガエルのオタマジャクシがたくさん観察できました。オニグルミの花の咲く広場の方へ進むと、カエル(ヌマガエル、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル)たちにも出会うことができました。「カエルはどこ?」「オタマジャクシどこ?」と人に尋ねてばかりいた初参加の子どもたちも、他の子たちに教わって、自分で発見できるようになっていきました。最後に、広場の少し上にあるウラシマソウが咲いている草地を見に行きました。筒状の花の中から釣り糸のような長い糸が出る不思議な花です。秋に実った朱色の粒状の実も見ることができました、そこで、蛇のヒバカリ(無毒)を発見した子もいたのですが、枯草の中に潜ってしまって、全員が見ることはできず残念でした。
 元気な子どもたちが、とても積極的に行動して、楽しい子ども探偵団になりました。





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