NO団体名主な企画内容
34 NPO法人ナック(大阪府) 「里山自然体験事業『森のがっこう2010』−森を知ろう、森で遊ぼう−」
人の利益を得るのが主な目的だった里山管理から、生き物の住処を創出することを主な目的に変え、竹林と雑木林の中を生き物調査や森の整備を行う。子どもたちは学びながら、森の元気のために全力をつくすプログラム。

第5回目活動報告

日 時:9月5日(日) 10:00~15:30
参加者:子ども25人
スタッフ:10人 

「動物達の棲んでいる森が危ない!原因を調べよう!」

 森のがっこう第5回目の活動日がやってきました。これまでの活動では里山の中での自然体験に重きを置いて活動をしてきましたが今回からは荒廃してきている里山の現状を知り、森を元気にする活動をしていくことになります。

 まずはこの里山にどんな動物が棲んでいるかを当てるクイズを行いました。「その動物は虫や木の実を食べます」というようなヒントや「その動物は頭に葉っぱをのせると変身することができます」といったヒントで楽しく考えてもらいます。そうしてこの森にはタヌキやイノシシがいることを知ってみんなビックリ。「ここに野生の動物がおるの?嘘やんな?」と一翔君。「本当にいるんだよ」と答えると「え~!!」と目を丸くしてビックリしています。次のクイズは「イノシシやタヌキなどの動物が生きるために必要なものは何があるだろう?」というもの。みんな一生懸命考えた結果「食べ物」「水」「かくれる場所」が必要なことを突き止めました。「それじゃあこの森に動物たちが生きるために必要なものがちゃんと揃っているか探しに行こう」ということで森の奥深くへ探検に出掛けることにしました。

 最初に探したのは「かくれる場所」です。みんなで動物の気持ちになってかくれんぼをし、動物が隠れられる場所があるか試してみることに。「隠れるとこなんか全然ないやん」と最初は言っていた子どもたちもいざやってみると森の中に溶け込み見事に隠れられました。「意外と隠れる場所ってあるんやなぁ」と大輝君。また鬼をやっていたスタッフからは「みんながどこに隠れてるいか全然分からなかった」と驚いた表情で話しそれを聞いた子ども達は満足げです。そんなときに一匹のカマキリがいるのを男の子達が見つけました。体の色は茶色です。「このカマキリも見つからないように茶色なんやわ。だってここは落ち葉がいっぱいやもん」と蓮乃ちゃん。生き物の体の色も隠れるやすくするためになっていることも知ることができました。そうして森の中にはたくさん隠れる場所があることが分かりました。

 次は「水」と「食べ物」です。グループごとにさらに森の奥まで探険に行くと大きな池を発見したり、山の上からでてきた湧き水を発見することができ確かに「水」があることを確認することができました。「食べ物」としてはどんぐりや虫などを発見しましたがあまり多く見つけることはできなかったので「食べ物少ないけど動物達は足りてるんかな…」と心配する声があがっていました。そうして午前中の探険は終了です。

 昼食後、次は何をしようかとみんなで話しをしていた時、突然外から何かが投げ込まれました!ビックリしてみんなで見てみると大きな竹の筒です。中に何かが入っていそうなので開けてみると巻物のような手紙が入っていました。読んでみると、手紙をだしてきたのはこの森に3000年前から住んでいるというクヌギじいさん。昔は森にたくさんの動物が棲んでいたけど最近は人が森に入らなくなって森が暗くなりゴミも捨てられるようになったそうで、暗くなった森には食べ物が少なくなりこの前はイノシシの子どもがゴミを食べ物と間違えて食べてしまい病気になってしまったとのこと。動物達のためにもゴミを集めたり森を明るくしてほしい、という内容のことが書かれていました。「どうりで食べ物が見つからんかった訳やわ」と大輝君。それに森の奥は暗くて倒木もたくさんあったりゴミもちらほら落ちていました。「それじゃあみんなで森を明るくキレイにしに行こう!」ということで再び森の奥へ行くことにしました。

 森の奥まで着いたらグループごとに範囲を決めて清掃活動をスタート。よーく見てみると空き缶やビン、お菓子の袋などがたくさん落ちています。お鍋のフタや靴なども見つかってゴミ袋はすぐに一杯に。男の子はみんなで力を合わせて倒木を片付けていきます。暗くゴミがたくさん落ちていた森の中は少しずつ明るくキレイになっていきました。「これでクヌギじいさんも喜んでくれるはずやわ」とみんなで話していると遠くのほうに白い服を着たおじいさんがこっちを見ているのを発見。「クヌギじいさんや!」「森をキレイにしたで~!」とみんな叫びます。するとおじいさんはこっちに向かって笑顔で手を振ったあと森の奥へ消えていきました。くぬぎじいさんは本当にいたんですね。

 帰り道、歩いていると色々なところにゴミが落ちていることに気がつきました。午前中は気付かなかったのにゴミを見つけてキレイにする活動をしていたので目が慣れたのでしょう。みんな何も言わなくてもゴミを見つけては持ってきてくれました。

 「よく見たら森の中はゴミいっぱいやったね。今日だけでは全部拾えてないやろうし森を明るくするのも出来てないからこれからの活動で少しづつ動物達の棲んでいる森を元気にしていこう」と子ども達と約束です。今回の活動も素晴らしい一日となりました。