速報レポート７　「テントを作ろう」

　7月12日の宿泊活動のふり返りで、「今度こそ、自分たちでテントをつくって野外で宿泊したい」という願いが出された。そこで、次回の宿泊活動で使うテントの製作を行うことにした。

　身近にあって安価で手に入る材料を使って学年の友だち57名全員が宿泊できるテントを製作した。算数や図工などで得た力を技能に生かして快適なテントを設計してつくった。

(1)テントの材料と設計
製作するテント本体については、市販のテント生地は軽くてしなやかで扱いやすいが、身近にははい。専門店より購入するとかなり高価だとわかった。そこで、最も身近にあり、風雨にも強くて安価な「ブルーシート」を選んだ。57名全員が宿泊するためには１テントに定員10名とし、6棟つくることにした。そのためのブルーシートの大きさは、5.4ｍ×5.4ｍの物が最も適していることが、実際に床に寝てみてわかった。近くのホームセンターではこれが1枚3000円を切る値段で売られていた。
テントの形状は、ドーム型、家型等市販のものは様々あるが、製作のしやすさから古典的な屋根型とした。断面は正三角形だ。支柱も2本あればよく、後はロープを適切に張るだけだ。ブルーシートを三つ折りし、端を専用テープでつなぐと袋状になり、床面と壁面が一体となる。支柱は、宿泊の時に食器や箸に使った竹を使うことにし、また学校近くのお寺の竹林より竹を切らせていただいた。

(2)製作
早速5.4ｍ×5.4ｍのブルーシートを購入し、製作を始めると、シートの寸法は約5.2ｍしかなく、計算で3等分し、1.74mの長さをメジャーで測り、シートにマジックインキで印をつけた。これが屋根型テントの床の幅と壁面の長さになる。屋根の高さ（正三角形の高さ）は算数の「拡大と縮小」単元で得た力を応用し、縮図を書いて1.5mと求めた。これが支柱になる竹の長さで、子どもたちは班で2本、竹をノコギリで1.5mに切り分けた。ロープを架ける突起として先端を一部5センチメートルほど残した。この部分はブルーシートの穴に刺すこともできる。
入り口部分は別のブルーシートで正三角形を切り取り、窓を開けて通気性も確保することにした。窓には網戸を取り付け、虫の侵入を防げる構造と、窓を閉じられるように工夫した。

(3)子どもたちの姿等
グループ内で分担したり、協力したりしてテント製作を行ったが、運動会、児童会、修学旅行と大きな行事が次々とやってきて、落ち着いてテント製作に集中する時間確保が難しく、10月中旬になっても完成していない。その要因として、10月初旬に計画していた「第2回宿泊活動」が他の行事と重なって中止になってしまったこともあるが、子どもたちの「テントに泊まろう」という意欲は高まるばかりであり、今後必ず実行したいと考えている。当初、子どもたちが宿泊することに心配していた保護者の皆さんも「是非、テント泊を実現させたい」戸子どもたちの活動を応援してくださっている。

(4)活動を保護者などに紹介して

　テント作りの活動は、10月2日の「祖父母参観日」に学年で発表した。「東日本大震災で被災された東北地方へ行ったとき、柔軟な子どもたちの言動によって頭の固い音のたちが救われたことを聞いた。このような子どもたちがやがて私たちを救ってくれるかもしれない。」との感想をいただいた。子どもたちは「自分たちがやっている活動が認められて嬉しい。」と子どもたちは気持ちを新たにした。

　伊那市教育委員会は、市内の全小学校５・６年生を一堂に集まっての「総合的な学習発表交流会」を1月に行うこととした。「総合的な学習の時間」でつける生きた学力が子どもたちの人生に大きな影響を及ぼしていることを、これまでの聞き取り調査からわかってきたためだ。現在、子どもたちはテント製作を続けつつ、1月の発表会に向けてこれまでの学びを整理し始めた。

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