NO団体名主な企画内容
46 NPO法人 森と海の学校(山口県) 「子ども海洋冒険学校『第16回チャレンジクルーズ to 長崎・田島』」
"帆走技術の習得などを目的とした事前研修を実施したのち、5泊6日の体験航海を2隻の大型ヨットで行う。子どもが自ら操船して、山口県から長崎県大村湾の無人島・田島まで片道300kmを帆走する。"

速報レポート11 Bグループ: チャレンジ・クルーズ(無人島「田島」 ⇒宇部港)

【8月13日(火) 第8日目】
台風10号の影響で、14日の午後から雨模様、風も強まりそうなので、日程を1日短縮して、一気に宇部市妻崎漁港に帰港することにしました。
子どもたちは、もっとヨット楽しみたい様子ですが、台風の進路を詳しく説明しました。

さあ、ラストランです。
6時35分、マリノアマリーナを出港。順調に行けば、17時頃、帰港予定。
12時過ぎに関門海峡の北入口に到着、関門大橋の付近は、東流れで13時41分には、最強の7.1ノットに達します。
シンシアよりも早い潮流で、難しい操船ですが、中学3年生の小川君はやる気満々。
針尾瀬戸を乗り切った自信は大きいですね。
体験教育は人の器を大きくします。





シイラが、立て続けに、6匹も釣れました。
シンシア号は、今や漁船です。
子ども漁師たちが、船尾から流しているルアーをじっと見張っています。
魚が釣れた瞬間、「釣れた」と大きな声をあげ、即座にエンジンを減速。
子どもたちが、交代でルアーのロープを懸命に引き揚げます。
デッキで魚が暴れるたびに、血が飛び散り、内臓を取り出すと、デッキは血の海に。
それでも、子どもたちは大喜び、まるで獲物を仕留めた野生人です。
おかげで、子どもたちには、一人一匹ずつ、「大きなシイラ(約60cm)」というお土産ができました。
昨日釣ったシイラは、高校生指導員の藤谷君が、昼食に合わせて、刺身にしてくれました。





昼食はミートスパゲティとソーセージ、そして、お刺身。
炎天下、全員完食でした。





海上に大きな風力発電所が、ゆっくり羽を回しています。
ヨットを近くまで寄せると、子どもたちは、その大きさに驚いた様子。(写真:上の中)
左側には白島の「石油備蓄基地」が見えています。
巨大な施設ですが、大きな台風が来るたびに、防波堤が壊れています。
自然の猛威には勝てません。
風力発電所、白島石油備蓄基地、唐津火力発電所、玄海原子力発電所、子どもたちがエネルギー問題、環境問題について学ぶとき、改めて思いだしてほしいです。
さて、いよいよ関門海峡の北入口です。
追い潮(東流れ7ノット)で、シンシアは9ノットで走っています。




午後2時30分、無事、関門海峡を通過。
5時、宇部市妻崎魚港に入港、桟橋では保護者の皆さんが、大きく手を振って待っていました。
無事帰港した後、事務所で感想文を書いて解散式を行いました。







14日は予想通り、午後から風が強くなり、雨も降り始め、夜には20m近い風になりました。
台風の接近で日程を1日短縮しましたが、無事、事業を終えることができたことに感謝しています。



横須賀から一人で参加した新井君は、飛行機のチケットの変更ができないため、もう一泊して翌日、自宅に戻って行きました。
「ぼくの夢は絶対に漁師になることです」と言って搭乗口に向かっていきました。

【反省点】
往路も復路も台風の影響で、1日短縮しての航海でした。
海を相手にして行う事業だから当然ですが、台風の合間をぬって、事業を終えることができたのは幸いでした。
特に、今年は異常気象による猛暑の中での航海、それでも例年、数名はヨットの中で寝る子どももいましたが、今回は私も含め、全員、ヨットのデッキや桟橋で寝ました。
それでも、子どもたちは苦にせず、喜んで寝ている姿を見ると、本能的な能力と逞しさを強く感じました。
350kmという航海距離は、ヨットで機走すれば、約30時間、昼間だけの航海でも2日あれば、到達できる距離ですが、あえて、帆走に徹して4日間という日程を組んでいました。おかげで、片道3日でも、ゆとりを持って帆走することができました。
長崎でお世話になった無人島「田島」は、東京在住の谷山哲浩さんが、個人で所有している無人島ですが、数年前から一般に開放され、古民家を活用して、体験学習などを行っています。お世話をして下さった長谷川さんは、1年前、筑波の宇宙航空センターを退職してまで、田島に惚れ込んで、無人島コーディネーターをされています。
今回、1泊2日で、様々な活動をさせて頂いたおかげで、「海と森の学校」らしい、海と森の活動ができたことに感謝しています。
不登校やイジメなど、子どもの成長に大きく影響を与える課題が社会問題となっています。
長年、青少年活動に取り組んでまいりましたが、自然をとおして五感で受け止める体験こそが、その解決策として、大切な役割を果たすことができると心から、改めて感じた事業でした。   
                  NPO法人森と海の学校 理事長 岡村精二


宇部日報:令和1年8月17日



速報レポート1 参加者募集の案内
速報レポート2 参加者と保護者のための事前研修
速報レポート3 Aグループ: チャレンジ・クルーズ(宇部港⇒無人島「田島」)
速報レポート4 Aグループ: チャレンジ・クルーズ(宇部港⇒無人島「田島」)
速報レポート5 Aグループ: チャレンジ・クルーズ(宇部港⇒無人島「田島」)
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速報レポート12 チャレンジ・クルーズto国東半島・姫島 <募集要項>
速報レポート13 <本航海> 第1日目
速報レポート14 <本航海> 第2日目

■別年度のレポート
2021年度 命をまもる「子ども匠の学校」 実施レポート

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