NO団体名主な企画内容
28 上丹生プロジェクトK(滋賀県) 「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ」
里山をフィールドに、独自の発想でツリーハウスを作る。また、炭焼きのほか、地元の人的・自然的資源を最大限に活用した自然体験活動をおこなう。

「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に『ツリーハウス』と『炭焼き』にチャレンジ」 [8/10]

日  時:
場  所:
参加者:
 
2008年8月10日(日)10:00〜16:00
地元上丹生の丹生川と地元の山
鮎つかみ・・・小学生41名、大人22名
木材の皮むき作業・・・小学生9名、大人7名
 <鮎つかみ>

上丹生は標高1084mの霊仙山の麓にあり、村の真ん中を丹生川が流れています。
かつては水量も豊富で、清流にしか住めない「ハリヨ」をはじめたくさんの魚が泳いでいました。
夏になると清流の冷たい水の中で、子どもたちの元気に泳ぐ姿も見られました。

しかし最近では、森林の問題・家庭排水の問題・霊仙山そのものの地質の問題・・・と
様々な原因で水量は大幅に減り、魚の姿も極端に減っているのが現状です。
無くした物を取り戻すには多くの時間と多くの労力が必要ですが、徐々にではありますが
昔の川を取り戻す活動が生まれてきています。
そんな中、今回は子どもたちに川や水の恵や大切さを少しでも理解してもらいたい目的もありましたが
まずは川に興味を持ってもらう・川を遊び場として楽しんでもらう・・を主目的に企画しました。

半月前に放流した鮎は大半が川を下っていたため、当日新たに鮎を放流しました。
最初は恐る恐る川に入っていたかと思うと、
網を仕掛けて鮎を追い込み捕まえる子・素手で鮎を浅瀬に追い込んで捕まえる子
箱メガネを使って石の下に隠れた鮎を捕まえる子・・・こうなればもう子どもたちの独壇場です。

最初は鮎つかみだったはずが、気が付けばいつの間にか水泳大会になっていました。
川の水に頭までつかり、プールでは味わえない水の感触を体全体で楽しんでいる様でした。
その姿は今も昔も変わらないと、少し嬉しく感じた大人の方も多かったと思います。
森や山と同様に川が子供たちの遊びの場として、また好奇心や探究心を満たす場に戻る努力を
子供たちと一緒になって地道に続けていく重要性を感じました。

 <木材の皮むき作業>

いよいよメインの一つであるツリーハウス作りが具体化していきます。
今回はツリーハウスの一番重要な基礎の部分に使う木材の加工作業です。
大人たちで現場近くまで運んでおいた木材の皮を、
たぶん生まれて初めて手にする皮むき専用の鎌を使って皮をむく作業です。

注意事項を説明していよいよ作業の開始です。
木の表面と鎌の角度が深すぎると鎌が木に食い込み、逆に浅すぎると鎌は表面を滑ってしまい
うまく皮をむく事ができません。
特に今回参加した子どもは小学校低学年の子が多く、一緒に作業する大人も
「やっぱり無理かなあ」「すぐに飽きてしまうだろう」と正直最初は思っていました。

しかしここから意外な展開になりました。
すぐにコツをつかみ自分の背丈くらいの長い柄の鎌を必死で操る子、
鎌の数が限られていた為、その順番を催促する子、むき方を教えてあげる子、一人黙々と作業に取組む子
・・・と予想外の子どもたちのヤル気に正直言って驚かされました。
中でも小学校3年生の清水康太君、
周りの子どもたちが休憩している間も一人無心で皮をむく姿には大人もビックリさせられました。
お爺さんは腕の良い仏壇などの飾り職人さんで、たぶんその血を引いているみたいです。

逆に大人の方が普段の運動不足がたたり、腰が痛いと悲鳴をあげる横では子どもたちの息抜きタイムです。
ツリーハウスの柱となるマザーツリーに取り付けた命綱を使ってのターザンごっこで盛り上がっていました。
今の子どもたちがこれほど作業に熱中し、また自然の木やロープを使った単純な遊びに夢中になる事が
予想外であり新しい発見でもありました。

最後に皮をむいた木材に各自のサインをし終わると、
今日はもうお仕舞い?今度は何時するの?今度はどんな事をするの?
・・・といった嬉しい催促の声で当日の作業は終了しました。
まだその姿を現していないツリーハウスですが、
子どもたちの頭の中では完成した姿が徐々に膨らんでいるのを感じました。
次回はいよいよ基礎の組み立て作業になります。

 <感想・反省>

川や山といった自然に恵まれた場所は日本のいたる所にあります。
そしてそこに住む人々は、その恵まれた自然が
当たり前の事のように思っているのではないでしょうか。
しかし川も山も昔に比べて荒廃が進み、
ある日気が付けば取り返しのつかない事態になってしまっているかも知れません。
今回の「鮎つかみや」や「ツリーハウス製作」は、
子どもたちが恵まれた自然に対して少しでも興味や関心を持ってくれる事を目標の一つとして企画しました。

多様化する遊びの他にも、塾や習い事、クラブ活動・・・など
現在の子どもたちは大人が想像する以上に忙しい生活しているようです。
その一方では、身近にある自然や、地元に暮らす人々との接点が昔に比べ薄れてきているのも事実かと思います。
“子どもは地域で育てる“が会の目標でもあります。
その意味でも今回の活動は大きな成果があったと感じています。
大人が固い頭で勝手に決め付けてはいけません。
子どもの持つ柔軟で大人の想像を遥かに超えた可能性や独創性を尊重したいと考えています。

今後ツリーハウスの本格的な製作や炭焼き体験と、プログラムは進んでいきます。
恵まれた自然の他にも豊富な人材の知識や技、
もっといえば生きる知恵を学んでいく事になる事を期待しています。  



子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(1)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(2)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(3)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(4)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(5)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(6)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(7)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(8)

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