NO団体名主な企画内容
28 上丹生プロジェクトK(滋賀県) 「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ」
里山をフィールドに、独自の発想でツリーハウスを作る。また、炭焼きのほか、地元の人的・自然的資源を最大限に活用した自然体験活動をおこなう。

「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に『ツリーハウス』と『炭焼き』にチャレンジ」 [9/23]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年9月23日(火・祝)9:00〜15:00
ツリーハウス建設予定の地元の山
小学生6名、大人10名
 <レポート>

ツリーハウスは前回までの作業で、当初の計画通り全体の約7割が完成しました。
残すところ階段、デッキの手すり、屋根の仕上げになります。
当日は、ハウスに登る階段の製作をメインに作業を行いました。

毎年200人以上の参加者がある区民運動会で
参加された方にぜひツリーハウスに登ってもらいたいとの思いから、
この日に何とか階段を仕上げたいとの思いが皆に有りました。

ツリーハウスは運動会の行われる広場の近くにあります。
作業開始前、先日のテレビ局や新聞社の取材について話が盛り上がっていました。
運良く??テレビに映った人は、逢う人ごとにテレビ観たよ、すごい物を造っているね・・
と声掛けられ一躍地元の有名人になっていました。
本人もまんざらでもないようでした。

またツリーハウスの進捗状況や作業スケジュールは、
会で発行している機関紙を通して区民の人にアナウンスし関心が高まるよう心掛けています。
機関紙には毎回参加者の写真を出来るだけ多く載せる様にしています。
それは文字で見るよりよりも、そこに写っている自分の写真を見つけて
家族で盛り上がっているとの声を聞いたからです。

当日の作業内容は、ツリーハウスの階段の手すりに使う木を近くの山から切り出す事から始まりました。
市販の角材を使用すれば材料の調達や作業も楽ですが、最初から自然の木を使おうと
みんなの意見は一致していました。
しかも使う木は、地元で“ビョウブ“と呼ばれている木にしようとすぐに意見はまとまりました。
今まで炭焼きでも使ったことがあり、表面が滑らかな上とても丈夫で手すりには最適な素材です。

早速軽トラックで近くの現場に向かい、手すりに必要な長さ8メートル位のビョウブの木を
子供たちはノコギリで、大人はチエンソーを使って手際よく切り出しました。
過去の色々な体験から、手馴れた手つきで作業する子供たちの姿は頼もしく感じられました。
途中、半年前の切り出し(炭焼き用)で失くしたナタが見つかる嬉しいハプニングも有りました。
二時間ほどで材料の切り出しは終わり、その後ツリーハウスに持ち帰りました。

階段の手すりの他に、デッキの手すりの補強にも切り出した木を使用しました。
今後小学生以下の小さな子供も親と一緒に登る機会もあるかと思います。
少なくてもその子の頭が手すりの間から飛び出さないのを目安に、手すりの間隔を決めて作業にあたりました。
当日子供たちは大人との共同作業が多かったのですが
自分達の作業が無い時も何か自分にできる事はないか考える姿が目立ちました。
3時には完全ではありませんが、階段と手すりが一応完成し
運動会を向かえる準備が整い当日の作業を終了しました。

運動会当日はあいにくの小雨が降り続く天候でしたが、200人近い人が広場に集合し開催されました。
開会式でツリーハウス製作の目的や、完成後の活用に関して皆さんに説明し
昼食後の休憩時間を利用して登ってもらいました。
製作作業に参加している子供たちに引き連れられる感じで、
作業には参加していない親の方もたくさんツリーハウスに登ってもらえました。

お年寄りの方は天候の影響もあったと思いますが、
若い人に遠慮されたのか限られた方にしか登ってもらえなかったのが少し残念でした。
何人かの方に後で聞いたところ、
「登りたかったけど大勢の人に下から見られるのが少し恥ずかしかった。また改めて登ってみたい。」
との事でホッとしました。

途中新聞で見たという兵庫県の方が15人ツリーハウスの見学に来られました。
話してみると、その人たちも地元で何か活動を起こす準備をされているとの事で
とても参考になったと喜んで帰られました。

もう一つ新しい話題が登場しました。
ツリーハウスにはマスコットのキツツキが居ますが、ハウスの扉にバナナを模った取手の登場です。
地元で木彫の仕事をされている森哲荘さんからの提供でした。

ツリーハウス近辺には鹿やイノシシの他に猿も姿を現します。
そんな取手を付けたら猿が寄ってきて猿のハウスになってしまうぞ・・・
との冗談も飛び交いましたが、特に子供たちには大好評でした。
今後まだまだこうしてアイデアが登場し、
独創的で上丹生らしい手づくりのツリーハウスに仕上がって行くのを感じました。

 <上丹生ツリーハウスのこだわり>

現在までの上丹生ツリーハウスのこだわり部分をご紹介します。

「高さとスペースのこだわり」
床部分が地上約7メートル。ハウス部分のスペースは畳8帖、デッキ部分も畳8帖と広く造ってあるので
使用用途も広がります。

「基礎(ベース)部分のこだわり」
杉の原木をそのまま利用しているのでより自然に調和しています

「手すりへのこだわり」
階段やデッキの手すりには、自然の木をそのまま利用しているので、より手づくり感が高まっています。

「補強対策へのこだわり」
ボルトだけでも耐久性はありますが、マザーツリー(6本)の背後に全て補強用の柱が建っています。
更にワイヤーで上から吊って万全の対策を施しています。

「木彫の里のこだわり」
デッキの先端にはキツツキ、ハウスの扉の取手にはバナナと木彫の里らしい装飾が表現されています。

「製作経費へのこだわり」
山から調達できる材料は最大限に利用しています。
通常この規模のツリーハスウの製作に掛かる費用の半分以下の経費で出来ています。
(個人からの材料提供も有り)

「展望へのこだわり」
ツリーハウスからは伊吹山(標高1034m)と霊仙山(標高1084m)が同時に一望できます。
さらに春には眼下に2万本のチューリップを、初夏には飛び交うホタルが楽しめます。
もちろん上丹生を一望できます。鹿、猿、イノシシの姿も時間帯によっては眼下に見られるオマケも付いています。

「妥協しない事へのこだわり」
それぞれが持つ得意な部分が随所に活かされています。妥協しない完璧な仕事が随所に見受けられます。

今回の製作でアドバイスを頂いていますC&Nの代表である施さんからは
「素晴らしいツリーハウスですね、自分のホームページで紹介したい」とのコメントを頂きました。
完成後には上丹生に起こしいただき、自然体験に関しての講演をお願いする話も具体的に動き出しています。

 <活動の成果・今後の活動>

今回の活動では、過去の色々な活動が活かされた子供たちの手馴れた動きを頼もしく感じました。
それと同時に自分から仕事を見つける、自分にできる事が何か無いかと考える姿も見受けられました。
今回ツリーハウスを具体的に製作していく段階で
現実問題として子供たちにしてもらえる作業が思っていた以上に限られる事は、前回までの活動で感じていました。

そんな中で、子供たちは子供たちなりに理解してくれていた部分もありました。
今回の子供たちの前向きな姿に、
もっとメニューの工夫をしてあげよう・・・との思いが大人たちの中で強くなったのも事実です。

また運動会当日は、日頃ツリーハウスの製作に参加されていない親をリードして登る子供たちの姿がありました。
特に製作に参加している子供たちにその傾向が多く見受けられました。
クラブ活動などで参加できた子どもの数が少なかったのは少し残念でしたが、いよいよツリーハウスも完成へと近づいていきます。

今回の運動会でのお披露目は区民の方にとって、ツリーハウスがより身近な物として感じられたと思います。
今後新しい活動の場として多くの人に愛され、利用されれば製作した目的も達成されます。
次回の活動は12日に炭焼き(切り出し・窯詰め)を予定しています。

7年前に多くの人の手で造られた炭焼き窯は二代目(昨年窯の屋根が崩壊)になります。
炭焼きの回数も次回で区切りの50回目を迎えます。
50回の炭焼きでは、子供たちの参加や米原市からの参加も有りましたが、大半は会の資金を生み出すために焼いている現状もあります。
久しぶりに子供たちとの炭焼きになりますが、今回は子供たちの親の参加にもポイントを置いています。

今の特に小学生以下の両親は、彼ら自身も自然体験が少ないのが実状かと思います。
親と子が炭焼きを体験する事で、汗をかくしんどさと楽しみ、自然に対する共通の関心が
親子の間で少しでも芽生えればと考えています。



子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(1)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(2)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(3)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(4)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(5)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(6)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(7)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(8)

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