NO団体名主な企画内容
28 上丹生プロジェクトK(滋賀県) 「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ」
里山をフィールドに、独自の発想でツリーハウスを作る。また、炭焼きのほか、地元の人的・自然的資源を最大限に活用した自然体験活動をおこなう。

「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に『ツリーハウス』と『炭焼き』にチャレンジ」 [11/16]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年11月16日(日)13:00〜16:00
ツリーハウス近くの休耕田
緑の少年団員含む子ども40名、育成会役員6名、大人39名
 <レポート>

今回はツリーハウスの近くにある休耕田に、
約2万球のチューリップの球根を植え付ける活動です。

今年で6年目を迎えるこの活動は、
「コーヒー一杯分(500円)で花を咲かせましょう」をキャッチフレーズに、
チューリップの球根オーナーを広く募集する事から始まりました。

年を重ねる毎に地域外からの協力者の数も増えて、
今年は約200名の方々がオーナーとして募金に協力頂きました。
募金で足りない部分は
炭の販売などで得た自己資金を使って新しい球根を買い足し、
6月に起こした球根を合わせた約2万球の植え付けになりました。
植え付けには地元の方々だけでなく、緑の少年団の団員も毎年参加しています。

一口に2万球と言っても、実際に植えるとなると多くの人手と時間が掛かります。
ある年、時間が無くて持ち越しの球根をばら撒いていると
年配者の方から「ダダクサな使い方やなあ」とお叱りを受けた事も有りました。
“ダダクサ”とは地元の言葉で“贅沢“という意味で、一同反省した事を思い出します。

また一昨年は、せっかく出たチューリップの芽を鹿に食べられる事件も起こりました。
畑の周りを1m程のネットで囲っていましたが、鹿のジャンプ力を甘く見ていたようです。
しかし、昨年からネットの高さを3mにしたので鹿対策も万全です。
(これを飛び超える鹿がいたら脱帽するしか有りません)

当日は事前準備や、地域外の方への呼びかけ、皆が参加しやすい日程調整などを心掛けた結果
大人・子ども合わせて85人による植え付けになりました。

夏に多くの人の目を楽しませてくれたヒマワリの苗を整理した休耕田に、
色別に配置された球根を植えつけていきました。
単に並べて植えるだけでなく、過去には
アンパンマンの顔や地元の特産でもある鱒などを、チューリップで描いて大変好評でした。

今年は子ども達の意見で、“ハート”の形を描く事になりました。
子ども達は、緑の少年団の団長の指示の元で作業を進める事になりました。
午前中に降った雨のせいで土が水を含み、シャベルや長靴に土がついて植え辛い状況も有りましたが
子供たちなりに一生懸命植え付けてくれました。

根気と言う面では毎年なかなか続かなく、1時間もしないうちに遊びだす子もいます。
今年は途中の休憩時間に、飴やみかんのおやつが有り
終了後にはピザ窯でピザを焼く事もあってか、例年になく根気良く作業ができたと思います。

子供たちに加えて、毎年大きな戦力になって頂いているのが地元のお年寄りの方々です。
お年寄りの方と言っても日頃の畑仕事やゲートボールなどで鍛えておられます。
逆に運動不足ですぐに腰が痛いと悲鳴をあげる若い人も多く中、
どちらが年寄りなのか解らないと思うこともあります。
また根気はもちろんですが、植え付け方もとても丁寧で見習う事ばかりです。

今年の植え付けで昨年と大きく変わった事は、
ツリーハウスからの展望を考慮した列配置にチューリップの球根を植えた事です。
具体的にはツリーハウスから見た時、色別に植えられたチューリップの列が並行に見え
よりカラフルなお花畑を楽しんで頂けるようにしました。
こんな所にもツリーハウスの影響が現れています。

地域外から応援に来て頂いた方には、休憩時間や作業終了後にツリーハウスに登って頂きました。
今はもちろんまだ見えませんが、
来年4月に畑一面を彩る満開のチューリップが目に浮かんでいたかも知れません。
午後からは天候も回復し作業は順調に進み、“ダダクサ”に・・・とのお叱りの声もなく
当日の作業を終えました。

 <参加者の感想>

・みんな楽しみながら作業している様だった
・おしゃべりしながら楽しく植えつけができた
・球根の尖った方を上にして植えるのを初めて知った
・球根を反対向きに植えてしまっても、土の中で回転して目が出る事も解った
・土が手袋や長靴について重たかった
・球根の皮をむいている小さな子がいたので注意してあげた
・植え付けが終わった後のピザが美味しかった
・植え方を見ているとその人の性格がわかるみたい(几帳面な人、そうでない人)
・来年のチューリップ祭りはツリーハウスも有り例年以上に賑わいそうだ
・チューリップはすっかり春の上丹生の名物になった気がする
・2万本という数も凄いが、多くの人が植え付けに協力してもらえたのが良かった
・子供はすぐに飽きるだろうと思っていたが、予想以上に頑張っていたと思う
・元気なお年寄りの姿にはいつも感心させられる
・事前準備がうまく行き、昨年よりスムーズに植えつける事ができて良かった
・流した汗の分だけ綺麗な花が見られると思う
・作業中に自然と何度も無意識にツリーハウスを見上げていた

 <活動の成果・今後の活動>

今回植えつけたチューリップは、年明けの4月末頃が一番の見ごろとなります。
毎年その時期に合わせてチューリップ祭りを開催しています。
上丹生の春の名物としてすっかり定着した感のあるチューリップ祭りです。

今年のチューリップ祭りには、地元テレビなどのマスコミの影響や、口コミなどの効果も有って
地域外からも大勢の人が見に来られました。

ツリーハウスの完工式でもそうでしたが
上丹生には、基本的に人をもてなす事が好きな方がたくさんおられます。
チューリップ祭りでの、草餅・野草の天ぷら・手づくりパン・手づくりピザなどは大変人気で
中には「花より団子」と言う方もおられるのでは・・・と思います。

来春には今年は無かったツリーハウスも有り、
例年以上に大勢の方にチューリップを見に来ていただける事と思います。

またツリーハウスを基点にした“新しいもてなし”が生まれてきそうな気がしています。
大人も子供も含め、人をもてなし、人からお礼を言われる事はとても嬉しい事だと思います。
多くの人の善意で毎年数が増えた2万本のチューリップですが
その数だけで言うなら、日本各地にはその何倍もの多くの花を見られる場所はたくさんあります。

しかし、地域の人々が植えつける場所を整備し、オーナー募集に協力したり
みんなで協力して球根を植えたり、見に来られる人を心を込めてもてなしたり・・・
これは何処にも負けないと思います。

今回参加してくれた緑の少年団を含む子供たちも
ツリーハウスができたせいもあってか、例年以上に根気よく作業に取組んでくれていました。

今回参加させて頂いた「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」での活動は、今回の球根植えで終了です。
6月にこのコンテストに応募し、運良く支援団体に選ばれ、コンテストを有る意味ゲーム感覚で楽しみ、
また励みにもし、活動の中でもコンテストの事はよく話題に上がりました。

約4ヶ月間の活動で、ツリーハウスという新しい財産を得る事ができました。
今後ツリーハウスをどの様に活用して行くかという課題は有りますが、楽しみな課題だと考えています。

もう一つ大きな財産は、子供たちの事を真剣に考える機会を与えて頂いた事だと思っています。
子供たちの殺伐とした事件や問題をよく耳にしますが、人事ではなく
自分自身の事と考えなくてはいけない様な気がします。

自然体験が、子供たちにどんな良い影響を与えてくれるかは、ほんの少しかも知れませんが
確実に実感できたと感じています。
元気にツリーハウスに集まり、山の中を駆け回り、子供同士で楽しそうに遊んでいる姿、
大人の方と楽しそうにおしゃべりする姿が目に蘇ってきます。

ただそれだけでも充分に目的は達成できた様な気もしています。
「子どもと、かつて子どもだった大人が元気なまちづくり」は、コンテスト終了後も
上丹生の豊かな自然と恵まれた人材を背景に、確実に広がっていくと確信しています。



子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(1)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(2)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(3)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(4)
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子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(7)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(8)

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