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28 上丹生プロジェクトK(滋賀県) 「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ」
里山をフィールドに、独自の発想でツリーハウスを作る。また、炭焼きのほか、地元の人的・自然的資源を最大限に活用した自然体験活動をおこなう。

「子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に『ツリーハウス』と『炭焼き』にチャレンジ」 [11/2]

日  時:
場  所:
参加者:
 
2008年11月2日(日)9:00〜16:00
ツリーハウス周辺と炭窯・ふれあい広場
小中学生40名、幼稚園以下の子ども15名、大人90名
マスコミ5社、米原市平尾市長を含む 総勢150名以上
 <レポート>

今回はツリーハウスの完成祝典と50回目を迎える記念窯出しになります。
7月から始まったツリーハウス製作もいよいよ完工式を迎える事になりました。

全体作業は週末の土曜・日曜を中心に行ってきました。
仕事の関係で、平日しか協力できないという人は、一人でもできる作業に協力をいただきました。
結果延べ日数で15日・延べ参加人数で150名以上(子どもの参加は延べ80人以上)にのぼる
この夏の大きな活動となりました。

完工式には、製作に参加頂いた全ての方々、地域全員の方々、地域外で興味をお持ちの方々の他にも
滋賀県知事の嘉田様・米原市長の平尾様・地元の小学校・中学校の校長様、保育園・幼稚園の園長様、
マスコミ関係者5社の方にも案内状をお送りし祝典へのお誘いをしました。

式典当日は天候にも恵まれ、約150名の方々に参加いただき式典がスタートしました。
式典はツリーハウスの完工式典から始まり、各種イベントへと進んで行きました。

完工式1部(式典)
・プロジェクトK吉田会長の挨拶
・来賓祝辞(自治会長様・市川市会議員様)
・くす玉割り
・ツリーハウスの名称発表
・テープカットと登り初め
・福まき

完工式2部(イベント)
・紙飛行機製作とツリーハウスからの飛行大会
・ツリーハウスからのシャボン玉大会
・炭出し&炭盆栽製作
・餅つき大会
・ピザ窯を使っての手づくりピザ焼き
・芋煮とおにぎりの振る舞い

式典はプロジェクトK会長の挨拶から始まり、来賓者の方々の祝辞、くす玉割りと進んで行きました。
くす玉は会の副会長でもある清水理男さん手製の鍋で作ったくす玉です。
前日の予行練習の甲斐もあって、うまく開いて式典のスタートを盛り上げてくれました。
くす玉から現れた垂れ幕の文字が「祝ツリーハウス完成」では無く、「祝ツリーハウス成完」となっていたのはご愛嬌でした。

続いてツリーハウスの名前を披露しました。
事前に募集しましたツリーハウスの名称(愛称)は、30通ちかいの応募の中から
地元の小学校2年生北川聖真君の『もくもくハウス』に決定しました。
たくさんの木々に囲まれ、モクモクと元気が沸いて来るツリーハウスをイメージして命名したみたいです。
親しみやすく元気の出る名前で、参加された方々にも大変好評でした。
記念に贈られたサッカーボールを手に、本人の少し照れくさそうな顔が印象的でした。

その北川聖真君、自治会長、市川市会議員様、プリジェクトK会長と
地域外から積極的に製作に参加頂いた谷口嘉之さん親子によるテープカットに続き、
ツリーハウスからの福まきへと進んでいきました。

大人の方で小さい頃に地元のお宮さんで福まきがあり、
皆が競って福を拾った事を今でも覚えている方がたくさんおられました。
今回初めて経験する福まきは、子供たちが大人になってもきっと楽しい思い出として記憶に残っていることでしょう。

1部の式典に続き、2部は全員参加型の楽しい「芋煮会」になりました。
過去の活動の結果、形として残った財産(炭窯・東屋・ピザ窯・ツリーハウス・ふれあい広場・・・など)に加え
大勢の協力者の支援を最大限に活用した手づくりの芋煮会です。

日本紙飛行機協会会長の岩村正英さんの指導で手づくりの紙飛行機を作り、
ツリーハウスからの滞空時間を競う飛行大会です。
ツリーハウスの製作段階で、デッキから木の切れ端を投げ落として叱られた時に
完成したら紙飛行機を飛ばそうと話していた腕白小僧たちの夢がかなった瞬間でした。

その後、公務で開会式には間に合いませんでしたが
米原市長の平尾様も参加いただいてのシャボン玉大会です。
ツリーハウスから秋晴れの空に向かってシャボン玉を吹く姿は、
大人も童心にかえり歓声を上げていました。
また、今回イベントに関しては
事前に担当者を決めて準備に当たってもらいましたが
当日は子供たちを含め、できる限り参加された方々にも
手伝ってもらう様に心がけました。

芋煮の材料の準備を手伝う子、
焼き上がったピザを参加されている人に配る子、
餅つきを手伝う子・・・など、子供も大人も全員参加型のイベントとなりました。

当日同じ市内の近江地域のまちづくり委員会の方15名も研修を兼ねて見学に来られました。
突然でビックリしたのとチョット嬉しかったのは、その方々がツリーハウスや炭窯を見学されていた時
子供たち数人が焼き芋を持って来て、皆さんに勧めてくれた事です。
相手の方も、初めて会う見知らぬ大人に気軽に声を掛け 焼き芋を勧める子供たちの姿に大変感心されていました。

唯一今回のイベントで一つ残念な事が有りました。
それは活動の原点でもある炭焼きの、記念すべき50回目の窯出しです。
窯焚きの時から少し調子が悪いなあと感じていましたが、いざ窯を開けてみると
炭にならず殆ど木の状態のままでした。

原因は、前回窯の煙突を掃除した時に継ぎ目の金属が開き、煙突の中をふさいでしまっていたからでした。
地元テレビのカメラや、大勢の参加者が見守る中での出来事でした。
特に今回は記念の窯出しという事で、炭焼きの師匠でもある清水龍雄さん自らの手で窯出しをお願いしていました。

師匠には全く責任は無く
チェックを怠った自分達が原因でしたので、本当に申し訳ない事をしてしまったと思いました。
しかし当の本人は少しも気にする気配も無く、自ら率先して窯の状態をチェックされ
煙突が原因である事をすぐに指摘されました。

当日窯出しを担当していた上田則彦さんを筆頭に、参加者の方々にも手伝って頂き
早速その場で煙突の修繕に取り掛かりました。
修理を終えて、“次回からはしっかりチェックしろよ!”と笑顔で話される師匠に一同救われましたが
まだまだ修行が足りないと反省させられました。

煙突修理の横では、前回出した炭を使っての炭盆栽教室が開催されました。
特に地域外からは、炭盆栽を楽しみに来られた人もたくさんおられました。
地元で炭盆栽の製作に参加されている森岡しずゑさん、西出つる代さん、寺田敏江さんが先生になり
参加された生徒さんに日頃の腕前を披露されていました。

周りからの「先生」という言葉に少し照れくさそうでしたが、手際よく指導される姿は傍で見ていて頼もしい限りでした。
次から次と人が来られ、結局4時過ぎに皆で後片付けをして
当日の式典とイベントは予想以上の盛況のうちに終了しました。

 <参加者の感想>

・上丹生の活動をまちづくりのモデルパターンとして他へも紹介していきたい(米原市長)
・学校の教材として是非とも授業に活用させて頂きたい(醒井小学校校長)
・ツリーハウスに自分が考えた名前がついて嬉しかった
・「もくもくハウス」は元気が出る親しみやすい名前だと思う
・自然体験について考える良い機会となった
・子どもの協調性、創造力、チャレンジ精神を応援する事の重要さを痛感した活動だった
・子供が自然体験を経験するには、大人の積極的参加が必要だと感じた
・素直で元気な子供たちの姿は見ているだけでも嬉しくなる
・自然体験から学ぶ事はたくさんあると感じた
・学校の友達と一緒にツリーハウスに登りたい
・中心になって汗水を流して下さったプロジェクトKのメンバーの方々には感謝です
・職場の人に紹介したら是非一度ツリーハウスに登らせて欲しいと頼まれた
・上丹生は良い村だと改めて感じた
・子どもは地域の宝だと感じた
・今回の活動をきっかけに更に新しい自然体験の活動が広がる気がするし、自分も協力していきたい
・木の皮剥き作業で自分の子が足に軽い怪我をしたが、
 楽しそうに作業の事を話す子どもの姿を見ていたら良い体験をさせてもらったと感謝している
・久しぶりに人から頼りにされた事が嬉しかった
・今回の一番の功労者である嶌田さん、田中さんには感謝です(会員一同)
・ツリーハウスが多くの人に活用される事を希望します
・ツリーハウスのメンテナンスはしっかりして欲しい
・春のチューリップ畑をツリーハウスから眺めるのが待ち遠しい
・炭出しは残念だったが、有る意味で新たに炭焼きに対する興味が増した

 <活動の成果・今後の活動>

今回のツリーハウスは、多くの人の汗と知恵と協力で
当初予想していた以上に上丹生らしい、オリジナル性に富んだ立派な物に仕上がったというのが全員の感想です。
また出来上がった物以上に、改めて上丹生の人の持つ底力も実感させられる事になりました。

上丹生も少子高齢化が進んでいますが、
最終的には地域の持つ団結力や協力心が一番大切なのではないでしょうか。
その点でも、今回の活動を通して上丹生の持つ「地域力」が再認識できた事は嬉しい限りでした。

また、当初トム・ソーヤースクール企画コンテストは
ツリーハウス製作のスタートのきっかけになれば・・・との程度に考えていた部分も正直言って有りましたが、
子供たちの製作過程での楽しそうな姿や、やる気を見ているうちに本当に参加できて良かったと感じました。

子供たちが関わると言う点では
具体的作業内容や段取りにもう少し工夫やアイデアがあっても良かったのでは・・・との反省も有りますが、
参加者を増やすアイデアと共に今後の活動に活かしていきたいと考えています。

完成したツリーハウスを拠点にした新たな計画も出ています。(一部具体化も)
・ツリーハウス近くの堰堤を活用してフリークライミング体験を実施する
・子供たちが炭焼きの切り出しで整備した場所を遊びの場として活用する
・小学校・中学校の授業に活用してもらう
・地域外との交流の手段として活用する
・ツリーハウスを宣伝し村に多くの人に来てもらい活性化につなげる
・製作アドバイスを頂いたC&N代表の施さんを招いて自然体験の講演会を開催する

こう言った自然体験を中心とした活動の広がりが、子供たちの肉体的、精神的成長に役に立つだけでなく
村の活性化に役立ってくれればツリーハウスを製作した目的も達成されます。
完工式で参加された方々の意見や感想を聞いていると、
目的達成への第一歩は間違いなく踏み出せたと感じました。

もう一つツリーハウス製作には、世代を超えた人と人の交流を作りたいと言う事がありました。
昔は当たり前の事として行われていた、大人と子ども・学年を超えた子ども同士の
良い意味での人間関係が生まれてくれればと考えていました。

子供たちが共同で作業に取組む姿や、休憩時間に自然を相手に遊ぶ姿には
学年を超えた子供同士の良い関係が多く見受けられました。
また子供たちとツリーハウスの作業をしていた時、近くでゲートボールをされていた年配者の方が
ツリーハウスに登らせてもらえないかと来られた時の事が特に印象に残っています。

子供たちが年配者の方をリードする形でツリーハウスに登り
普段なら話をする機会すら無い大人と子どもが、共通の話題で盛り上がっている姿を見た時に、
もう一つの目的もこういった事から達成されるのだろうと実感しました。
こうした良い関係は、今後も間違いなく広がって行くと確信しています。

また 今回のツリーハウス製作活動に関しては、会で運営するホームページでも紹介し
今は村を離れている方々にもアナウンスしたいと考えています。
自分の生まれ育った故郷の近況を知ってもらい、盆や正月などに帰省された時には
是非ツリーハウスに登ってもらいたいと思っています。
たぶん皆さん生まれて初めて目にする故郷の姿だと思います。
そうした事から生まれ育った故郷を誇りに思っていただければ嬉しい事です。

「子どもと、かつて子どもだった大人が元気なまちづくり」へのチャレンジは
今新しい一歩を踏み出した様な気がしています。
次回は11月16日に、緑の少年団の団員も交えて
チューリップの球根植えを予定しています。

来春には、ツリーハウスの眼下に
2万本の色とりどりのチューリップが咲き誇り
多くの人の目を楽しませてくれる事になるでしょう。

今回トム・ソーヤースクール企画コンテストに出会えた事、
参加できた事に改めて感謝しています。
そして今回のチャレンジの波紋が、恵まれた自然と地域の素晴らしい人材を生かしながら
だんだんと大きく広く、また何重にもなって外へ外へと広がっていき「地域力」が益々強くなる事を願います。



子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(1)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(2)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(3)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(4)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(5)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(6)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(7)
子どもと、かつて子どもだった大人が一緒に「ツリーハウス」と「炭焼き」にチャレンジ 実施レポート(8)

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