NO団体名主な企画内容
35 人を自然に近づける川いい会(大阪府) 「自然楽習会 〜都心部で、里山で、生きものを捕ってみよう!!〜」
琵琶湖・淀川水系の5ヶ所で、川に生きる生物たちを観察・捕獲し、都会の河川に棲む生きものと、自然あふれる田舎の河川に棲む生きものの違いを体験を通じて学ぶ。治水・利水だけでない、生物を育む川を地域コミュニケーションの場とする活動。

第1回 自然楽習会 in 藤ノ木川 ~比叡山坂本で、生きものを捕ってみよう!!~

日時  2010年07月18日(日)午前10時00分~午後05時30分
場所  滋賀県大津市・藤ノ木川とその周辺
参加者 小学生10人・幼児7人・胎児1人・指導者&保護者16人
講師  森川裕之(もりかわ・ひろゆき)
活動の目的

水遊びに適した場所が豊富にある滋賀県ですが、意外と足下の自然は見逃しがち。今回は、比叡山坂本在住の子どもたちを中心に、徒歩圏内にある地元の川での親水を目的とした自然楽習会を開催。また、近畿の水瓶である琵琶湖を知り、県をまたいで大阪湾に注ぐことを理解もらえるようにアピール。大阪を含め他地域の子どもたちは、坂本の子どもたちと一緒に川遊びをすることにより、仲間づくりを促進。府県の垣根を越えて、みんなの飲み水や自然環境を守れるようにと願って実施しました。

フィールドの概要

藤ノ木川は、滋賀県大津市を流れる淀川水系の一級河川。比叡山にある谷に発し、琵琶湖西岸に注ぐ川です。上流には自然美が残りますが、下流は人工的で、2面コンクリート護岸のまま湖に流入します。楽習会の現場は河口まで徒歩約5分の地点です。当日は増水していたため、河口には向かいませんでした。

リスクマネジメント

指導者・保護者16人で、川の上から、川の中から子どもたちの見守りを。自分の子どもだけを視るのではなく、大人全員が子どもたちの安全を確保するように促しました。

実施内容

■第1部 
午前中は、川の地理的な情報、捕獲した生物の特徴などを中心に紹介。実際に川に入って、自分の手で生きものを捕ることにより、川の楽しさを満喫しました。詳しくは、最後に掲載する「講義記録」をご覧ください。

午前10時00分  集合・当会主宰の挨拶
午前10時10分  川遊び開始
午前11時30分  捕獲生物の解説
午後00時00分  当会の琵琶湖支部長宅・捕獲番長宅へ移動


全員集合。チキンラーメンを持ってパチリ!!

滑らないように気をつけて川に入ろうね。

タモ網には、何か入っているかな?


死んでいるけど、ヘビ捕ったどー!!

落差工には、遡上しきれないアユがいっぱい。

サデ網の使い方を教えてあげるね。


水に打たれて気持ちいいよー。

死んでいたタマムシは標本にして思い出に。

生物をわかりやすく説明してくれた森川先生。

■休憩時間
父親はBBQの火起こし・母親はおにぎりづくりなど、大人が昼食の用意を。その間、子どもたちは博物画家・小村一也によるペーパークラフト教室を楽しみました。当日に捕獲した生きものを立体的に見せ、復習をかねて楽習しました。


小村先生が即興でペーパークラフト教室を。

クワガタムシを作ってもらったよ。

■第2部
午後からは、捕獲したアユ・ブルーギルを試食したり水遊びをしながら、川の仲間づくりとなる交流会を開催。捕獲番長の差し入れで、木曽川の天然ウナギ2尾・石川県産のカマキリ(アユカケ)2尾&カジカ8尾・沖縄のノコギリガザミ2杯とヤシガニ1杯・滋賀県の猪肉を食べながら、生きものの特徴を聞きました。その他にも保護者の持ち寄りで、鶏肉せせり・イカ・野菜なども焼いて、満腹に!! もちろん、チキンラーメンも!!

午後01時30分  捕獲したアユとブルーギルの試食会
午後02時00分  持ち寄りBBQ親睦会
午後02時30分  子どもたちは水遊び交流会
午後04時30分  チキンラーメン試食会
午後05時30分  終了


揚げたてのコアユとプルーギル、おいしそう~

カニに挟まれたー?!、ぎょえ~~~

ホースの水を掛け合って、裸族は踊り続ける。


森川先生、ウナギの蒲焼きで疲れを癒してね。

旨い!! 初めて食べたカマキリ(アユカケ)。

大人たちの親睦は、どこまで深まるのか・・・


やっぱり〆は、チキンラーメンでなくちゃ。

熱いね、おいしいね。うれしいね。楽しいね。

今度はどこに行く? 大人たちは次の計画を。

子どもたちの様子

・地元の川に生きものがいっぱいいることに興味を示し、夏休みに川遊びをする約束をしていました。
・ほとんどの子どもたちは「アメリカザリガニが、ウシガエルのエサとして持ち込まれたこと」を知らず「ホタルのエサとなるカワニナを初めて見た」と言っていました。
・ブラックバスとブルーギルの多さに驚きつつ、そのような環境でも地元の希少種が生きていることに感心。

保護者の声

・琵琶湖の水を滋賀・京都・大阪で何度も浄化・使用しながら、大阪湾まで流れていることを初めて知りました。
・プロの調査員である講師の説明は、大人でも楽しかったです。とても有意義な時間でした。
・もっと私も勉強しながら、子どもたちに正しい知識を伝えていきたいと思います。
・特定外来生物の捕獲・移動・リリースが禁止だと知りませんでした。食べる体験ができて良かったです。

講師の感想

いつも仕事で、河川や海の生物調査をしていますが、子どもたちと捕獲するのは、皆が笑顔になって本当に楽しいと思いました。今回は、川いい会と当社との協働というカタチで参加しましたが、私も3人の子どもをもつ父親として、琵琶湖を守ってくれる後継者、次の世代を育てていきたいです。
「自然」をテーマにしたイベントは、観る作業が多くなりがちですが、今回は生物と共に生きている体験をしてほしいと願って、捕獲の時間と、調理して食べる時間をたっぷりととりました。「自然」の本当の姿は、行動しない者には見えません。面白い話を聞いて感心するだけでは、次の芽は出ないものです。大切なのは見たことをメモするのではなく、軽いフットワークで川を感じることです。川の流れを見る、水の音を聞く、草の匂いを嗅ぐ、生きものを触る、命を食す・・・。子どもたちは五感をフルに活用して「自然」を体感することによって、偶然ではなく必然的に、生物多様性、生きものの命の大切さを理解できたのではないかと自負しています。

日建工学株式会社 環境共生調査室勤務・潜水士 森川裕之

他団体へのメッセージ

1.単なる生きものの説明ではなく、琵琶湖から大阪湾までの水系の連続性、生態系の連続性を教えることで、山から海までの水と命のつながりを教えることが大切です。

2.川ガキ(川で遊ぶ子どもたち)が絶滅危惧種だと揶揄される中、子どもたちが積極的に水環境に親しめる機会をつくるには、地域ぐるみのイベントが必要です。

3.企業に協力を促したり、行政機関の出張環境教育サービス、行政に登録している環境ボランティアを活用すれば、講師料を捻出する必要もなく、的確な指導が可能になります。

トクトク情報

大阪市水道記念館では、琵琶湖・淀川水系の魚50種1000匹を常設展示しています。国の天然記念物であるイタセンパラ・アユモドキも観察できます。また、琵琶湖パノラマコーナーがあり、音と光による演出で雨の琵琶湖を紹介。琵琶湖から大阪湾までの、水のつながりが学習できます。入場無料で、駐車場(25台)も無料です。なお当会では、子どもたちの楽習スペースとして利用するだけでなく、学識者と最新の情報交換したり、当会で捕獲した希少生物を寄贈しています。
http://www.owgs.co.jp/water-museum/

講義記録

1 イベント概要と注意事項

■主宰・石山
私たちの団体は近畿圏を中心に活動しており、私は今日、大阪から来ました。皆さんはご存知でしょうか。実は大阪の人間も、琵琶湖の水を飲んで暮らしています。琵琶湖の水を琵琶湖周辺の人が使い、それを浄化したものを京都や大阪の人も使っています。5~6回は浄化して使用しているそうですが、最後には大阪湾に流れ込みます。要するに、同じ水を飲む仲間です。近畿の水瓶である琵琶湖の水をきれいに保つには、滋賀県に住む人だけでなく、三重・京都・奈良・大阪・兵庫で同じ心をもっていなくてはなりません。今日は、その点をふまえて、川遊びと親睦会が開催できたらと思っています。
今日は天気に恵まれて、川遊び日和ですが、くれぐれも熱射病・熱中症には気をつけてください。とくに小さなお子様は、大人に比べて脱水症状を起こしやすいので、水分補給に気をつけてあげてくださいね。また、自分の子どもだけではなく、近くにいる子ども全員が「自分の子どもだ!!」という感覚で見守り、危険を回避するようにお願いします。それでは、当会の捕獲番長から、藤ノ木川について説明していただきます。

2 藤ノ木川の説明と注意事項

■捕獲番長・川島
この下を流れる藤ノ木川は、道路が屋根になっていて、しかもガードレールに囲まれて、目立つ場所ではありません。近くに住んでいる皆さんも、この川には入ったことがないでしょう。上流側に見えている比叡山から川が発しており、道路や橋の陰に川が流れているため、この辺りの水温はあまり高くなりません。夏、こっそりと快適に遊べる穴場と言えるでしょう。河口は琵琶湖に通じていますが、今日は雨の影響で増水しています。ですから、現ポイントから上流部で遊ぶことにしますので、くれぐれも子どもたちが下流に行かないように見守ってください。
今日は何が捕れるか分かりませんが、琵琶湖の流入河川ですから、琵琶湖のコアユはいると思います。普通のアユは海から川に移動して成長し、子孫を残して死んでしまう年魚です。ですが、琵琶湖のアユは琵琶湖を海代わりにして暮らしているため、普通のアユよりもサイズが小さいんです。だから、コアユと呼ばれています。その他の魚種については、捕ってからのお楽しみ。長いお話よりも、川に入ってみんなで魚をつかみましょう。足下が急で、ハシゴ状の階段を下りて入るので、大人の人は上と下で、子どもたちのサポートをお願いします。

3 捕獲した生物の解説

■森川先生
まずは虫から説明します。カブトムシのメスを捕まえた人がいますが、これはもちろん、川の中に棲んでいません。比叡山から飛んできたものですよ。また、川の中で死んだタマムシも捕れましたが、これは川の源流部から流されて来たんだと思います。さて、みんなは、タマムシがどんな所に棲んでいるか知っていますか?

■子どもたち
土の中?  木の上? 比叡山?

■森川先生
比叡山は当たりです。ですが、この虫の飛んでいる姿を見ることは少ないでしょう。実は、地上から7mも上を飛んで移動しているんですよ。7mと言ったら、マンションなら3階ぐらい。そんな高くにいるから、人間の目では判別できませんよね。
日差しの強い時によく活動する虫です。エノキやケヤキ、マキなどの高所の幹をナイフとかで少し削ると、その香りを求めて切り口付近に集まって来ます。こうした方法で、採取することができますが、臆病で警戒心が強く、木に集まっていても、人間が2mぐらいまで近づくとピタリと動きを止めます。さらに近づくと飛び去ったり、茂みの下に隠れてしまうので、ムシ網を持って近づくといいですね。
タマムシは、この他にもウバタマムシなど多くの種類がいます。捕獲したのは標準和名タマムシで、ヤマトタマムシとも言います。グリーンメタリックの体に、虹のような赤と黄の縦じまが、とても美しい昆虫ですよね。この派手な色・・・実は、天敵である鳥は色が変わる物を怖がる性質なので、この「玉虫色」が鳥を寄せつけない、身を護る色となっているんです。また、タマムシのハネは、死んでも色が変わらないので、法隆寺の宝物である「玉虫厨子」の装飾として使われています。どのようにでも解釈ができ、ハッキリとしないものの例えを「玉虫色」と言うのも、この虫の体色からきているんですよ。
それでは、カブトムシ・タマムシ以外に、どんな虫がいましたか?

■子どもA
ヤゴがいっぱい、いた~。

■森川先生
そう、川辺にハグロトンボが飛んでいましたね。そのヤゴがコレです。では、この大きなヤゴの親は何かな?

■子どもB
オニヤンマと思うんやけど・・・

■森川先生
はい、当たりです。よく知っているね。小さなヤゴは小さなトンボ、大きなヤゴは大きなトンボ、細長いヤゴは細長いトンボに変態します。親子だから、カタチが似ているんだね。じゃあ、この虫は知っているかな?

※子どもたちは、イモムシのように這う幼虫を見て気持ち悪るがっていました。

■森川先生
噛んだりしないので、触っても大丈夫。怖くないよ。ただし、肛門の部分を傷つけると死んでしまうので、強く押さないように注意してください。これは、ガガンボの幼虫です。ガガンボとは、蚊を大きく足を長くしたような虫です。蚊もガガンボもハエ目の昆虫で、先祖はハエと同じだったんですよ。
ガガンボは完全変態、つまり、チョウやカブトムシのように、幼虫と成虫がまったく違う姿の虫です。幼虫は土中や水中で生活していて、土の中で植物の根を食べるため害虫でもあります。例としては、キリウジガガンボがイネの根を食べることがあげられます。ガガンボは日本各地で色々な呼び方があって、成虫ではカトンボ、アシナガトンボなど、幼虫はイネノネキリムシなどと呼ばれることもあります。
それでは、爬虫類の説明に移ります。何を見つけることができましたか?

■子どもたち
死んだアオダイショウ!!  イモリ・・・ カエル・・・

■森川先生
アオダイショウは、寿命で死んだのでしょう。死んでから数日経っていますから、腐敗臭がしていますね。この臭いは、鼻でよく覚えておくといいですよ。川を散策する時、危険な獣の餌場を避けたりできますから。
それと、アカハライモリとカエルは、爬虫類ではありません。「両生類」です。カエルは大きな順に説明すると、ウシガエル・トノサマガエル・アマガエル。それぞれ色もカタチも大きさも違うので、見分けがつきやすいですね。
では、この生きものは何でしょうか? そう、みんなが知っているザリガニです。
このザリガニは外来種ですが、どこから来たのか知っていますか?

■子どもC
アメリカザリガニやから、アメリカ。

■森川先生
当たりです。では、なぜ人間がアメリカから持ってきたのかを知っていますか。

■子どもC
ショクヨウガエルの餌にするため。

■森川先生
キミはザリガニのことを良く知っているなー。ザリガニ博士やな。アメリカザリガニは和名のとおり、ミシシッピ川流域を中心とした北アメリカを原産とする外来種ですね。日本に初めて移入されたのは1927年。C君の言ったとおり、ショクヨウガエルの餌用として、神奈川県の養殖場に20匹持ち込まれたのです。その後、養殖池から逃げ出したザリガニが長い時間をかけて徐々に分布して、1960年頃には九州にまで住み着くようになったのです。
では、ショクヨウガエルも外国から来ましたが、その理由が分かる人は?

※子どもたちは「?」の顔

■森川先生
ショクヨウガエルは、食べるの「食」・用いるの「用」で、食用のカエル。これは通称で、本当の名前はウシガエルと言います。体長10~18cm、体重500~600gの大きなカエルです。アカガエルの一種なのですが、アカガエル属の特徴である、体の横にある黒い帯はありません。
オスの背中は暗緑色で、黒い斑紋がまばらにあります。メスの背中は褐色で、斑紋はオスよりもたくさんあります。オス・メスともに腹は白いのですが、オスは喉の部分が少々黄色みがかっています。鼓膜がとても大きくて、メスでも眼の直径にほぼ等しく、オスはその倍くらいありますね。日本では、5~9月に寒天質に包まれた10,000~20,000個もの卵を産みます。そして、オタマジャクシの状態で越冬することもでき、翌年の夏に幼体=亜成体になります。
食用、つまり人間が食べる食料として日本で繁殖されましたが、今ではもっと美味しいものがたくさんあるので、ほとんど食べられていません。でも、太ももの唐揚げはうまいんですよ。今度、食べる機会を創ってみましょうね。
今では全国に広がって、どこの川でも見られます。食用として養殖された個体が逃げ出して、あまり増えすぎたので、特定外来種に指定されていますね。日本だけでなく、世界のあちこちで繁殖しています。大型で大食漢。環境の変化にも強いため、在来種を捕食してしまうことが懸念され、世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されているほどです。

※子どもたちは、カエルが食用になることに驚いていました。

■森川先生
では、この魚は分かるかな? そう、ブルーギルですね。今日は、特定外来種のブラックバスとブルーギルがたくさん捕れました。これらの特定外来種は、移動やリリースすることが法律で禁じられています。ですから、ブルーギルはこの場でシメて、琵琶湖のコアユと一緒に料理して食べてみることにしましょう。

※保護者たちは、特定外来種の扱い方に聞き入っていました。

■森川先生
このカニを知っている人はいるかな? 
そうですね、サワガニです。これも食べることができます。現在、サワガニは1種類とされていますが、地域によって特徴の違いが研究されてきたので、将来的には何種類かに分かれるはずです。○○型サワガニというような名前になるんでしょう。この川で捕れたものは、琵琶湖型(?)、比叡山型(?)になるかもしれませんね。自分たちの住んでいる地域の名前がつけば、地域の宝物のような感じがします。大切にしてあげてくださいね。

■森川先生
その他にも、魚が捕れていました。これはドジョウですね。ドジョウの仲間には、スジシマドジョウ・シマドジョウ・ホトケドジョウなど多くの種類がいますが、見比べて分かるようになれば、ドジョウの達人になれます。図鑑で覚えるのもいいですが、機会があれば琵琶湖博物館で実物を見てください。お父さんにお願いして、夏休みに連れて行ってもらいましょう。

※保護者たちは、顔を見合わせてうなづいていました。

■森川先生
次は・・・この細長い魚。名前は分かりますか?

■子どもD
ハヤだと思います。

■森川先生
そう、今日、捕れたのはタカハヤです。タカハヤの仲間には、アブラハヤがいます。これらはヒメハヤ属と言って、ウグイの遠い親類です。ハヤとよばれる仲間にはオイカワやカワムツなどもいますが、地方によっては「ハヤ」とか「ハエ」とか呼ばれていて、水中を素早く泳ぐ魚たち、「早い→ハヤ」と総称されているんですね。

※保護者は「ふーん」と感心を。

■森川先生
では、最後にこれは何でしょうか?

■子どもE
カイです。ホタルが食べるヤツ。

■森川先生
では、何ガイでしょうか。 みんな、見たことない? あれれっ、このカイは、カワニナと言います。
カワニナ科に分類される巻貝の一種で、日本だけでなく、広く東アジアの淡水域に棲んでいる細長い巻貝です。おおまかに言えば、カワニナ科に属する淡水性巻貝の総称として呼ばれています。ここ琵琶湖水系では、独特な種分化を遂げた16種ものカワニナ類が、固有種として知られているんですよ。
このカイは、先ほどEちゃんが言ったように、ホタルが・・・、厳密に言うとゲンジボタルやヘイケボタルなどの幼虫が食べているカイですね。幼虫がカイを食べる時は、カイのフタを取り外して消化液をかけ、ドロドロになったものをチューチューと吸います。
このカイがいるんなら・・・6月頃、ホタルは飛んでいましたか?

■保護者たち
1~2匹、飛んでいるのを見たことがあります。

■森川先生
現在、ホタルが飛んでいる川が全国的に減ってきています。自分の住む町にホタルがいるなんて、自慢できることですよ。餌となるカワニナもいますし。皆さんで藤ノ木川を大切できるよう、もっと、この川に入って楽しんでください。何度も入ることによって、ゴミの問題や外来種の問題にも気がつくでしょう。子どもたちに地元愛を持ってもらえるように、親子でいろんなことを話し合ってほしいと思います。
それでは、定刻となりましたので、第1部はこれで終了します。ありがとうございました。



第0回 自然楽習会 ~都心部で、里山で、生きものを捕ってみよう!!~
第1回 自然楽習会 in 藤ノ木川 ~比叡山坂本で、生きものを捕ってみよう!!~
第2回 自然楽習会 in 大川  ~都会の川を散歩しながら、虫を探してみよう!!~
第3回 自然楽習会 in 大正川  〜茨木市の街中で、生きものを捕ってみよう!!〜
第4回 自然楽習会 in 正修寺  〜茨木の里山で、虫を探してみよう!!〜
第5回 自然楽習会 in 北川  〜福井県の山で、アユを捕ってみよう!!〜
第6回 自然楽習会 in 藻川  〜猪名川の支流・藻川で、生きものを捕ってみよう!!〜
第7回 自然楽習会 in 茨木市  〜茨木の生きものたちを、描いてみよう!!〜

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