NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人 すいた環境学習協会(大阪府) |
「児童たちが校庭にミニ田んぼを作り「二毛作」と「地産地消」を実体験」 吹田市内の小学校、8校の5年生を対象に、校庭にミニ田んぼを作り、年間を通して稲作や玉ねぎの栽培を行い、授業で学ぶ「二毛作」や「地産地消」を実体験する。また、水田に集まる虫や鳥の観察や調べ学習など、学びが拡がる体験活動を実施。 |
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速報レポート 3
日 時 7月25日~8月5日
場 所 吹田市内小学校 8校 桃山台小学校 他
参加者 各校5年生全児童 23クラス 約800人
稲も枝豆も大きく生長してきた
児童たちが藻や水草とり作業にチャレンジ
田んぼのあぜで生きものさがし
「中干し」って、どんなことするの
1,000個の梅を土用干し
「ミミズ」について
児童たちの調べ学習の内容の中から、一部を紹介
活動内容
1.稲も枝豆も大きく生長してきた
(1)田植えのとき、3~4本ずつ植えた稲の苗が、さまざまな環境の中でもたくましく育ち、分げつもすすみ15~20本ぐらいの株になった。高さも約70~80cmぐらいまでに生長した。枝豆もたくさん実をつけた。稲の育ちに少しばらつきがあるが、各校の田んぼは、いま、みどりいっぱい。
(2)田んぼでは、除草剤を使用していないため、藻や水草などが多く発生した。藤白台小学校、吹田東小学校、津雲台小学校の3校の田んぼは、特にひどかったので、プールで学校にきた児童たちが交代で、泥んこになりながらチャレンジし、すべてを取りのぞいてくれた。児童たちの元気さとやる気に感激!!
稲や枝豆が大きく生長みどりいっぱいの田んぼ 高野台小学校
校舎耐震工事中の囲いの中でたくましく育っている 稲東山田小学校
藻と水草とり泥んこになりながらがんばった 藤白台小学校
(3)生長した稲や枝豆の葉っぱなどに、いろいろな生きものが集まってきた。見つけた生きものは、アメンボ・イモリ・バッタ・チョウチョ・カマキリ・ヤゴ・ゲンゴロウ・ミジンコ・ミミズ・トンボ・アマガエル・トカゲなど。児童たちは、野生の生きものが大好き。
高野台小学校では、小さい虫をけんびきょうで観察した。いつも小さくて気がつかない虫も、 大きく見えて児童たちもびっくり。田んぼの中の生きものさがしに、大いに興味をもったよう。知らない虫は、調べ学習で調べることにした。次は水の中の生きものをさがしてみよう。
田んぼのあぜで生きものさがしあゝみつけた
バッタ つかまえた
この虫 なんてゆうの
(4)中干し作業と肥料やり
中干しは、分げつがでそろったころに、3~5日ほど水をぬいて、土にヒビが入るぐらいまでかわかす作業.。そうすることにより、土のなかの微生物が死んで肥料になったり、根にたくさんの酸素が送り込まれるので、稲が健康に育つ。これは稲作の大事な作業の一つ。7月末から8校の学校で実施した。また、分げつがすすみ、葉が少し黄色くなってきたので、各校の稲の生長どあいをみながら、化成肥料を少しやった。
2.梅干し作りを家庭科の実習で体験
(1)桃山台小学校で実施
(2)梅干し作りの工程(前回の速報レポートよりの続き)
土用干し
①作業は、プールで学校にきた児童たちが主になって行った。
②赤じそで、よく色づいた梅を中庭で、3日間天日干しをした。
③1,000個の梅を大・中あわせて8つのザルにならべた。
④夕方取りこみ、次の朝、上下を返した。やわらかいので破ったり、形をこわしたりしないように気をつけて、ていねいに作業をした。
⑤3日間干すと、水分が蒸発して、梅の風味もよりまろやかになる。
⑥中干しした梅は、また容器にもどした。赤じその一部は、干してゆかりにする。
⑦廊下を通る人たちが「いいにおい、おいしそう」といってのぞいていくと、作業していた児童たち全員が、幸せいっぱいの笑顔をみせた。
⑧今後の工程は、作業をした時の速報レポートで報告します。
樽の中で赤色に色づいた梅
大きなザルにならべたなかなかたいへんだった
中庭で天日干し虫よけに網をかけた
3.「ミミズ」について、児童たちの調べ学習の内容の中から一部を紹介
1)土をたがやすミミズ
ミミズは土をほりかえし、石ころを埋めていくだけではない。ミミズが作った土はとてもこまかく、しっとりしている。ミミズの体の中を通る消化管の、腸のすぐ前のところに砂のうというふくらみがある。砂のうはかたく、筋肉がよく発達している。この砂のうで、砂つぶなどを石うすのように使って、のみこんだ土をこまかくくだくのだ。
ミミズの体の中はこんなようになっているよ
(2)足の下にはたくさんのミミズがいるよ。
ミミズは、地面につもった落ち葉の下や、地面から50cm位の深さの場所に多くいる。種類や季節によって、すむ場所や深さがちがってきます。
①つもった落ち葉や土の中にいるミミズ
大きくて横じまが目立つのが フトスジミミズ
横じまが目立たないのが ヒトツモンミミズ
小さいのが ハタケミミズ
②海そうのあいだや、その下の砂の中でくらす イソミミズ
③淡水の中にすむ イトミミズ
(3)ミミズは強い日ざしはきらい
ミミズの体は、うすい皮ふにおおわれているだけで、皮ふに長い毛などははえていません。体の表面は、ねん液でおおわれていて、皮ふがかわきにくく、すなや土が皮ふに直接つきにくいようになっています。でも、強い日ざしにあたりつづけると、ねん液がかわいて、ついには死んでしまいます。だから地面にすがたをあらわす場合も、日光があたらない夜や雨の日などが多いのです。
(4)ミミズはトンネルをほって進む
土の中でくらすミミズは、土をほってトンネルをつくって、動きまわります。ミミズを地面におくと、小さなわれめや土がやわらかい場所をさがし、頭の先を細くして、つきさします。こうして体が少し土の中に入ると、頭の先をふくらませて土の中のかべを広げます。そして、体にはえているとげのような毛でささえ、体をのびちぢみさせて頭の先をふたたび前の土へとつきさします。これをくりかえすことで、土の中を自由に進んでいくことができるのです。
ミミズの皮ふはよくのびるので、体のどの部分も、思いどおりに太くしたり細くしたりできます。ミミズが、はうスピードは、時速約30~40mくらいです。たくさんのミミズがトンネルをほると、土をたがやすのと同じ効果が生まれます。
ミミズは頭の先を細くしたり太くしたりしてトンネルをほる
ミミズは前へすすむときに体のねん液でかべをしっかりかためる
(5)ミミズは土だってたべる
ミミズの食べ物は、種類によってちがいますが、ふだんよくみるミミズは、かれ葉やかれ枝、土、地面におちている生ごみや紙などをたべます。
ミミズの口には、歯がありません。土は口を大きくあけてのみこみ、小さなかれ葉やかれ枝は、くちびるで丸めるようにしてのみこみます。かたいものなどは、のどをうら返しにして口から出し、だ液でやわらかくしてからのみこむこともあります。
(6)ミミズはたべたら、ふんをする
ミミズは1日に体重の1.5倍もの量をたべますが、そこから吸収する栄養はあまり多くなく、たべた量とほとんど同じくらいの、たくさんのふんをします。
(7)土になる、ミミズのふん
ミミズのふんは、小さな土のつぶがたくさんくっついていて、すきまが多くあります。そのため、たべた量にくらべ、ふんの量がとても多くみえます。地面にふんをするミミズでは、ふんのかたまりが小さな山やだんごのような形や、塔のような形になります。時間がたつと、ふんはかわいて形がくずれ、ふかふかの新しい土になっていきます。つまり、人が土をたがやすのと同じように、 ミミズはかたい土をやわらかな土にかえるはたらきをしているのです。
土をくわえたミミズ
ふんをするミミズ
(8)植物が育ちやすい、ミミズの土
ミミズは、土をたべてふんをすることで土をたがやし、やわらかい土をつくります。しかも、土をただやわらかくするだけでなく、植物が育ちやすい土にかえてくれるのです。
たべた土が、ミミズの体の中でふんになっていくあいだに、土にふくまれていた植物の成長に有害な細菌や微生物が死んだり少なくなったり、植物の成長をたすける細菌がふえたりします。さらに、かれた植物が細かくされて、たべた土とまぜ合されたり、土の中の栄養が植物の根から吸収されやすい形にかえられたりもします。そのため、ミミズがすんでいる土では、ミミズがいない土にくらべ、植物がとてもよく育つのです。
(9)土をつくる生き物たち
落葉の下や土の中には、ミミズをはじめ、とてもたくさんの生き物がくらしています。死んだ動物やかれた植物、いろいろな生き物のふんなどは、ダンゴムシやムカデ、ササラダニやトビムシ、カビや細菌などのはたらきで、いろいろに形をかえられていき、最後は土になっていきます。
(10)鳥や虫にたべられるミミズ
ミミズは、「たべる・たべられる」の関係の「たべる」の部分で、いろいろな動物のふんやかれた植物などを、土にもどすやくわりをはたしています。一方、「たべられる」の部分では、さまざまな動物のたべ物になっています。ミミズをたべる動物はとても多く、その顔ぶれも変化にとんでいます。モグラやトガリネズミなどの哺乳類をはじめ、いろいろな鳥、ヘビやトカゲ、カエルや魚、オサムシやアリなどの昆虫類と、さまざまなグループの動物がミミズをたべます。いろいろな動物のいのちをささえるという点でも、ミミズはとても重要なやくわりをもっているのです。
土壌生物の「たべる・たべられる」の関係
児童たちの感想
(1)ミミズをはじめてみてびっくりした。さわってぬるぬるしてきもちわるかった。
(2)ミミズは、土壌をよくするときいたけど、自分たちの調べ学習でいろいろなことがわかってよかった。ミミズって、植物をそだてるために、がんばっているんだなぁーと思った。
(3)ミミズのことをもっと知りたいので、調べ学習で調べます。
(4)こんど田んぼで、ミミズをみつけたら、つかまえて調べ学習でわかったことを、詳しく観察してみたいと思いました。
(5)ミミズにすごくきょうみをもちました。ミミズのことをもっと知りたいと思いました。
(6)土の中にたくさんの虫がいることを学習した。もっと土の中の虫のことを知りたいので、調べ学習で調べたいです。
主催者の感想
(1)調べ学習により、児童たちはミミズが土をつくる大事な生きものであることを知り、ミミズに たいへん興味をもったようでよかった。
(2)児童たちに、土の中にいる生きものや、田んぼにくる生きものの実物を手にとって観察できる機会と場を、できるだけ多く作ってやりたい。
(3)児童たちに、お米づくりの苦労やたいへんさを理解させながら、より好奇心と興味が湧いてくるような農業体験学習にしていきたい。
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