NO団体名主な企画内容
13 柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(千葉県) 「理科の修学旅行 〜アクティブラーニングで海と山と川と教室をつなぐ〜」
身近な海・川・山をフィールドに、理科学習の原体験である自然体験や、自然環境について理解を深める。また独自の開発した生徒の主体的な学習を促すプログラムを活用して、仲間と深く考えながら課題を解決する力を養う企画。

速報レポート3 ~海が教えてくれること~ 2日目

実施日時:2016年7月17日(日)
実施場所:千葉県鴨川市太海(宿泊場所:千葉県立鴨川青年の家)
参加人数:小学3年生~6年生 46名、指導員11名
位置づけ

 「理科の修学旅行」は自然体験活動を通じて、身の回りの自然の中に潜む不思議な現象に触れ、身近な理科・科学に親しむ合宿型の理科教室です。過去4回実施してきましたが、今年度は「第一弾:海が教えてくれること(7月)」で海の自然に、「第二弾:山が教えてくれること(10月)」で山の自然に触れる二部構成で行います。海、山、そして両者を結ぶ川の、幅広い自然現象に触れ合い、これらのつながりを学べるプログラムです。本稿では、海の日にちなみ、千葉県は鴨川の海岸で実施した第一弾「海が教えてくれること」で2日目の様子をご報告します。

概要紹介

2日目(7月17日)
6:30 起床、朝食
8:00 理科学習(干潮の観察、磯の生物観察)
12:00 昼食
13:00 理科学習(磯の生物を分類)
16:00 野外炊飯(カレー作り)
18:00 入浴
19:00 レクリエーション(キャンドルサービス)
21:00 就寝

【理科学習①-2:潮の満ち引きの観察 答え合わせ編】
この日の朝は干潮。昨日よりかなり潮が引いています。前日、班の中で議論しながら、満潮時の海岸線を予測しました。果たして予測と現実の差異はどれほどだったのでしょう。満潮時の海岸線までの距離を、長い巻き尺を何本もつないで測ります。測り方も自分達で考え相談しながら試行錯誤を繰り返していました。班によって異なりましたが、それぞれ10mから14mほど海岸線が変化していることを見出していました。ほとんどの子ども達は満潮時の海岸線よりかなり陸側に目印の柵を打っていたため、予想が外れて悔しかったのか、なぜ予想が外れたのか議論する様子も見られました。少数ですが、中には前日の予測時にしっかりとポイントに気付いてよく周囲を観察し、満潮時の海岸線をピタリと当てたグループもありました。こうして自然と議論が始まり、自然現象をよく観察し、理解が深まっていく様子は、大人が必要以上に手を差し伸べなくても自発的に始まるアクティブラーニングであり、不用意な指導をするよりはるかに高い学習効果で子供たちの記憶に残ると思われます。実際、後日聞いたところ、この時の体験を鮮明に記憶し、修学旅行のハイライトとして挙げる参加者は半数以上にのぼり、個人差はあれど自分なりに理解している様子であり、この仮説を支持するものと考えています。


干潮時の海岸線から満潮時の海岸線までの距離を、巻き尺をつないで測りました。

自然と司令塔が生まれ、測り方によって距離が異なることに気づき、議論を重ねながら適切な測り方を模索していました。

【理科学習③:磯の生物観察】
満潮時に磯に満ちた海水が干潮時に取り残されるため、磯には干潮時に多数の塩だまりが出現します。ここでは多種多様な生物を観察できます。そこで干潮の直後にあたる2日目(7月17日)の午後と3日目(7月18日)の午前に、磯にできた潮だまりで生き物を探し、観察をしました。初めての経験となったこの日だけでも、ヤドカリ、カニ、ナマコ、ヒトデ、ヤツデ、イソギンチャク、小魚など様々な生き物に出会えました。多数の門に属する生き物が見つかり、鴨川の海の生態系の豊かさを実感できました。図鑑では見たことがあっても、実際に見て触れたことのなかった生き物たちに、子どもたちもびっくり!長時間の観察にも集中力が切れることなく、一生懸命ながらもとても楽しそうにプログラムに取り組んでいる姿が印象的でした。


スタッフと一緒に、岩をどかし海藻をかき分けながら、根気強く探していきます。

目が慣れてくると、自分達だけで見つけた生き物を自慢しようとスタッフを呼びに来るようになりました。


見つけた生き物は自慢げに見せてくれました。

動きが遅い生き物ほどたくさん見つかるので、実はそれ、もう皆に見せてもらっているよ、と言いたい気持ちはグッとこらえ…

屋外での観察を終えた後は、研修室にて、磯で見つけた生き物を科学的な視点で観察するワークショップを行いました。今回磯で見られた生き物にどんな特徴があるかをよく観察し、気づいたことをイラストに起こしていきます。最初は図鑑を調べて目の前にいる種の同定をしようとしていた子ども達も、スタッフによる「どんな特徴があるの?」「口はどこにあるの?どんな形?他に同じ形の口をしていた生き物は?」といった問いかけに答えるうち、徐々に目の前の生き物だけに虚心坦懐に向き合って観察する姿勢が身に付き、大人が予想していた以上に深い観察結果を見つけ出していました。それぞれが見つけた特徴は、最後に全員が1人ずつ皆の前で発表しました。生き物に実際に触れ、深く向き合い観察することで、子供たちの海の生き物への興味や理解は格段に深まり、発表することでさらに思考を整理することができたようです。また、人前で発表する経験は、後日予定している自由研究コンテストの練習としても機能したことでしょう。


採取してきた生き物たち

捕まえた生き物を手に取ってよく観察していました


見つけた特徴は、他の参加者と共有しながら描き出していきます

イラストを描いた子もいれば、文字で表現する子もいて、個性が光りました


一人で何種類も観察した子も。だんだんと特徴を捉えて描くのが上達していました

最後には、自分が観察の成果を描いた模造紙を黒板に貼って、皆の前で発表しました

【野外炊飯】
2日目の夕飯には野外でカレーを作りました。薪を切って火をおこし、飯盒でお米を炊き、鍋では切った野菜やお肉を煮込んでいきます。班の仲間と協力して自分たちで作ったカレーの味は格別だったようで、「おいしい!」と笑顔でモリモリ食べていました。


宿泊した青年の家の方針で、薪割りから自分達で行います

初めての火おこしを体験した参加者も。


大人は見守るだけで、何も手伝いません。自分達で考え、作業を進めていきます。

自分たちで考え、時間をかけてようやく作り上げられたカレーの味は格別だったようです

【テレビ取材】
この日はテレビ局の密着取材が入りました。磯での活動も、研修室でのワークショップも、野外炊事の様子も撮影されました。テレビで放送されるかも、と思うと真面目に取り組み気持ちが高まる、という現金な男の子もいましたが、特に気にしすぎることもなく、集中して取り組めたようです。放送の様子は以下のURLで見られますので、ぜひご覧ください。
https://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/net-tv/weekly/weekly-160924-2.html

4人の参加者がインタビューを受けました。
撮影されていても気づかないほど集中して取り組んでいました。

夜は曇天で星が見られなかったため、この日は急遽キャンドルサービス。どんなことからも貪欲に何かを学び取ろうとする子ども達の姿勢が見られました。



速報レポート1
速報レポート2 ~海が教えてくれること~ 1日目
速報レポート3 ~海が教えてくれること~ 2日目
速報レポート4 ~海が教えてくれること~ 3日目
速報レポート5 ~海が教えてくれること~ 自由研究相談会
速報レポート6 ~海が教えてくれること~ 自由研究コンテスト
速報レポート7 山が教えてくれること:事前学習会

■別年度のレポート
2015年度 理科の体験農業 実施レポート
2014年度 理科の修学旅行 実施レポート

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