NO団体名主な企画内容
13 公益財団法人観音崎自然博物館ジュニア生物調査隊(神奈川県) 「観音崎自然博物館 ジュニア生物調査隊」
「調査」、「資料の保管」、「絶滅危惧種」、「外来種」、「交流」、「発表」、「保全」という水生生物に関するキーワードを通して、生物や環境保全に関する知識、技術、経験を高め、継続的にスキルアップしていく企画。

速報レポート7 タカネトンボの個体数とマーキング調査

実施日:2021年9月11日
開催地:神奈川県横須賀市某所
参加者:中学生7名、ボランティアスタッフ2名、職員1名 合計10名
内 容

 タカネトンボは神奈川県のレッドリスト(2006)において「要注意種」に判定されているが、神奈川県東部では極めて少なく確実な生息地はほとんどない。そんな希少なタカネトンボが多産する生息地で、個体数の調査をおこなった。また、マーキングをして放虫した後、どのくらいの時間で生息地に戻ってくるのかも調べた。
 生息地は、横須賀市内某所の山の中にあり、途中登山道を外れ道のない斜面を登り、登り切った尾根からさらに急斜面を降りて隣の谷に入らなくてはならない。道のない場所を、藪漕ぎしながら強引に突っ切り、斜面をすべり落ちたりしながら、中学生たちは助け合い騒ぎ、探険隊気分で進んでいった。登山道を外れて1時間ほどでようやく生息地である池に到着し調査を開始した。
 タカネトンボは、こちらが網をかまえて捕る姿勢をとらなければ、近くまで寄ってきてホバリングをする。そのため一見捕獲は容易に思えるが、いざ捕獲しようと網をかまえると、こちらの網の間合いを読み、網が届かないギリギリのところを飛ぶ。また、ホバリングをしているところを狙ってもこちらの動きを感知して避けることができるため、序盤中学生たちはなかなか捕獲ができず苦戦した。しかし、殺気を出さずタイミングよく網を振れば捕獲できることをつかみ、次第に上手く捕れるようになった。捕獲した個体には、後翅に番号をマーキングし(KNM(Kannonzaki Nature Museum)-番号)、捕獲時間と雌雄を別紙に記録してからその場で放した。
 結果は、11時30分から14時までの間に、22個体捕獲(20♂2♀)、うち19個体にマーキングをした(3個体は3名が持ち帰り標本にした)。また、幼虫も20個体以上採集できた。一方、一度マーキングした個体を再捕獲することはできなかった。このことから、タカネトンボの個体数は少なくとも22個体以上いて、繁殖していることも確実であった。しかし、一度マーキングした個体は、池に戻ってくるまで少なくとも2時間半以上はかかり、今後はどのくらいの時間で池に戻ってくるのか、もしくは戻ってこないのかを確かめる必要があることも課題となった。


山の奥にある幻想的な池

子どもたちの前を通り過ぎていくタカネトンボ

とり逃がす子どもたち


殺気を出さないようにゆらっと構える

捕獲した!

後翅にマーキングをして放す



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