NO団体名主な企画内容
19 NPO法人 河北潟(かほくがた)湖沼研究所(石川県) 「河北潟流域まるごと体験-流域の自然を守る人材育成カリキュラム-」
河北潟は元は海だった場所で多数の川が河北潟で合流し海につながっている。河口から最上流までをフィールドとし、流域を体感できるプログラムを半年かけて行い、成果を河北潟自然再生まつりで子どもたち自ら発表する。

速報レポート6 中流の環境と生きもの調査

活動日:2022年8月21日(日)
活動場所:河北潟にそそぐ能瀬川、津幡川の支流の明神川
参加人数:17人(保育・幼稚園児1、小学生3、保護者4、インターン生5、指導者4)
活動内容

河北潟の湖にはいくつもの川が流れ込んでいますが、川の長さは10km前後のところが多く、山から海までの距離が短く、川幅も狭いところがほとんどです。そのため、川に降りて遊べる環境が非常に少なく、今回のイベントでも場所を決めるのに時間がかかりました。
 午前中は、河北潟の東を流れる約7.87kmの能瀬川の中流にて、おもに川底にいる生きものを見ることを目的にしました。ここは、川に降りることができ、中流域の川の特徴がみられる場所です。ふだんは、川底の石も見え、小さな河原もありましたが、ここのところの豪雨で、川は増水して、水は濁り、川底が見えなくなっていました。
1)能瀬川の中流に来ました
川縁の土手の上で、現在いる場所の確認。車で曲がりくねった道を移動してきましたので、大人でも現在地がわからなくなるようです。「田植えや草取りをしているいつもの田んぼは、どっちの方角にあるでしょうか?」、最初にクイズを出してみました。川が流れていく方向がヒントであることを伝えると、子どもたちも親御さんたちも下流の西を指さしました。正解はここから南南西の方角がいつもの田んぼの場所。講師の1名と、インターン生の1名が正解しました。河北潟と能瀬川、津幡川を書いた簡易地図で、現在地を確認しました。そしてここより東に山があり、いくつもの山の谷から川へ水が集まってきて、下流へ流れていく、川の中流に来ていることを確認しました。
2)川の観察
つぎにみんなでゆっくり川を見ました。川を見ながら、大雨で増水していること、川の流れが強いこと、水が濁っていること、ひとつひとつ目を向けて確認しました。本当は川底が見える予定で、川底の石を見ながら中流域の川の特徴をみる予定でしたが、川底が濁水で見えなくなっていましたので、川底の石の大きさがどれくらいかを質問し、下流~上流の石の大きさの変化や、浮き石について伝えました。また川の流れに着目して、流れが強いところ弱いところ、深いところ浅いところを確認し、川は蛇行することを確認しました。このような川の中にいろんな生きもの生息していることを伝え、今日はその様子を観察することを伝えました。
3)自己紹介
参加者全員より、好きなこととお名前を紹介いただきました。川は危険がありますので、今回は子ども1名にインターン生1名が付き添うかたちをとり、お互いに気をつけることを呼びかけました。
4)石にへばりついている生きものを観察
本当は、全員が川に降りて、石を裏返したり、網などをつかって、川底にいる生きもの採集をする予定でしたが、危険がありましたので、川に慣れている3人で石を採集し、参加者のみんなで土手の上で石についている生きものを見つけ出す作業をしました。石についている生きものは、思っていたより少ない状況でした。ウルマーシマトビケラやガガンボの仲間など、ふだん目にしない生きものに興味がもたれました。しかしカワゲラやカゲロウの類が見つからず、この大雨による激流で流されたのではないかということに気づきました。また逆に、魚はたくさん捕まえられました。川の中に生えているヨシなどの植物の草陰に、多くの魚が隠れていたためです。ヨシノボリ類、ヌマチチブ、ウキゴリ、アブラハヤ、ドジョウ、タモロコなどが捕まり、子どもたちは大喜び、5歳の男の子は魚の手づかみを楽しんでいました。
5)川あそび
 川底の状態をよく確認し、手前の岸は砂が堆積して流れも緩かったことから、川に入りたい人だけ素足で川に入ることにしました。砂の状態を確認するため、子どもたちと一緒に素足になり、危なくないところへ誘導しました。川底には砂や小石があるので、足の裏が刺激されます。子どもたちは、「冷たい」「天然マッサージだ」「気持ちいい!」「魚とりたい」、と言いながら川であそびました。女の子はヨシの草陰にいる魚を網で見事に捕まえました。あそんでいると、偶然に上流からコオニヤンマのヤゴが流れてきて、落ち葉のように擬態するヤゴの様子を観察しました。子どもを川で遊ばせたかった、体験できて良かったと保護者の皆さんも喜ばれていました。
6)釣り体験
 午後からは、津幡川の支流の明神川へ行きました。津幡川の支流により、川幅はさらに狭くなりますが、この川は水門や堰などがなく、魚が行き来できます。子どもの頃から地元の川で遊んでいる魚好きの方に指導いただき、おすすめの場所で釣りをおこないました。ペットボトルを用いた釣りの道具は、だれでも簡単に扱えます。子どもたち全員、手作り釣り道具を手にして、釣り針にミミズをつけてもらいました。魚が引っかかると自分の手に直接その感触が伝わります。みんな1~3匹の魚を釣ることができ、満足そうでした。釣れた魚はアブラハヤ、カワムツ、ヨシノボリの仲間。このほか指導者の方が釣られたカマツカ、かご罠で捕まえたスジエビが観察されました。
捕まえた魚の確認をして、子どもたちが橋の上から逃がしました。


土手の上から「川」を観察

自己紹介。河北潟と魚が大好きな指導者です。

川底の石を採集。


なにかいる!

スジエビやヌマチチブ

川に入ってみよう!


冷たい! 足の裏痛い、気持ちいい!

草の中に隠れていた魚たち。

コオニヤンマのヤゴが流れてきました。


コオニヤンマのヤゴ(幼虫)

魚つかまえてみたい!

気持ちいい~


手作りの釣り道具です

釣れるかな

釣れた!イェーイ♪


やった~♪ はじめて釣りをしてはじめて釣った。きれいな魚。

嬉しい~♪ なかなか釣れなかったけど3匹釣った!


楽しい時間はあっという間

カワムツ美しい! この川には・・・

子どもたちの手で逃がしました。



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