NO団体名主な企画内容
40 NPO法人 シニア自然大学校 子ども教育部門(兵庫県) 「ジュニア自然大学(服部教室) 第12期「こどもゆめくらぶ」」
野菜栽培などの農業体験を中心に、自然や生き物と触れ合う多様なプログラムを通して命の大切さを学ぶ。本科コースでは夏野菜やサツマイモの植付け、じゃがいもやタマネギの収穫、自然観察、古民家での昔の暮らし体験をし、1年間の本科コースを卒業したメンバーは田植えから稲づくりを体験する。

速報レポート4

実施日   :6月1日(本科 第4回目)
実施場所  :日本民家集落博物館内
参加小学生数:32名、スタッフ:15名、保護者:2名
はじめに

 前回の活動日から3週間が過ぎて、本科の第4回目の活動日が始まりました。
 『今日の不思議発見なぁ~んだ、感じてみよう! 触ってみよう! 見てみよう! 匂ってみよう!』 を合言葉に、自分達の「畑」での農作業を通じて、植え付けた夏野菜の成長具合や、ポットに蒔いた種から発芽した苗を植え替えたりしながら、自然の力「野菜の命」の育ち方を実体験して学習します。
 いつものように博物館の前に元気に集合して、館内の道沿いの柿の木の実が大きくなっている様子や、紅葉のプロペラが出来ている様子や、栗の木の花が匂っている様子などを観察しながら、十津川の民家前で朝の集いが始まりました。

今日のテーマ

 午前中は、昨年の先輩の子ども達が育てくれたタマネギを収穫し、どんな方法で保存するかを実際に体験したり、前回植え付けた夏野菜の支柱を立てる作業と、ポットに蒔いた種の発芽した苗を植え替えたりしながら、夏野菜たちの成長の観察をします。
 午後からは、「拡大の不思議」をテーマに、虫めがねやルーペの使い方を習って、身近な夏野菜たちの花や葉っぱの様子や、集まってくる生き物などを、大きく拡大して見る不思議を体験します。

活動内容

(1)今日も歌で始まります
 今日の歌は「さんぽ」でした。皆で歌詞カードを見ながら、あし踏みをしたりして大きな声で歌いました。


栗の花の雄花と雌花を観察しました

今日の歌は「さんぽ」でした

(2)タマネギの収穫と、夏野菜の支柱立て
 午前中は、収穫体験と支柱立ての2つのグループに分かれて、交代で農作業を体験しました。収穫体験グループは、最初にリーダーから「タマネギの不思議」と「保存の仕方」の話を聞きました。「タマネギの不思議」の話は、クイズ形式であり、こども達に回答してもらいましたが、低学年の子ども達も結構正解率が高かった結果になりました。
 収穫したタマネギは、昨年の先輩の子ども達が植えてくれていたもので、各班で決められた畝を子ども達が一斉に引き抜いて収穫しました。今年の収穫は立派に育ったタマネギが多かったが、暑かったためか葉っぱの部分がもう枯れていたので、紐で縛って吊るせるものが少なく、ネットに入れて炊事場の軒先に吊るしました。収穫したタマネギは、早速昼食の時に新タマネギのスライスで、食べられるように炊事班のリーダーにお願いしました。


タマネギの収穫を保護者も一緒に!

沢山のタマネギが取れたぞ!!

保存食としてタマネギを縛って吊るします

支柱立てグループは、前回植え付けたトマト、キュウリ、ナスなどの夏野菜の支柱立てや、種まきをしたポットの落花生、綿、千成ひょうたんの苗を、畑に植替える作業を行いました。


縦の支柱に横の竹を結んでいます

支柱の端っこに三本柱を立てています

しっかりと野菜たちに水やリをしました


ポットで大きくなった苗を植え替えました

トマトの実の付き方などを観察しています

出来上がった夏野菜畑の支柱です


ミニトマトの実がなっていました

キュウリの黄色い花が咲いていました

紫色のナスの花が咲いていました

(3)具沢山のみそ汁とタマネギのポン酢和え
 今日のお昼の「具沢山のみそ汁」は、午前中に子ども達が収穫したタマネギがたっぷりと入っていました。更にタマネギのスライスのポン酢和えが準備されていて、みそ汁当番の子ども達が運んできました。
 タマネギは苦手で食べたくないと言う子どももいれば、「美味い~」と言って何回もお代わりをする子どもがいる所為か、
 少しだけと言って食べてみて、持参したお握りと一緒にぺろりと平らげていました。 高倉前の広場の木陰で、皆で一緒に「いただきます」の言葉と共に食べる食事は、外の空気も美味しいのか、しっかりと食育が出来ていく様です。 

(4)ますます背が伸びた竹の子にビックリ!
 昼食の後で竹の子の観察に出掛けました。各班の竹の子はビックリする程伸びていて、夫々約10メートルから10数メートルほどに成長していました。竹の皮はすっかりはがれていましたが、前回腐りかけていた竹の子はそのまま倒れてしまっていました。 


各班ごとに竹の子の観察です

竹の子は、大きく伸びていて高さの判定が難しかった

(5)拡大の不思議
 午後からは、子ども達に虫めがねとルーペを使って、身近な野菜畑の中や館内の樹木や生き物を観察して、拡大の不思議を実感してもらうプログラムです。 最初はリーダーから虫めがねの使い方の話と、身近な草花のナス、トマト、柿、栗、
 カタバミなどの観察のポイントなどを説明しました。
 観察する対象物や説明の中身によって理解度に違いがあることを考慮して、今回は各班の高学年のグループと、低学年のグループに編成替えして、夫々少人数で館内の観察に出掛けました。
 ナスの花の不思議なしくみ発見、トマトの花の構造がどうなっているの、栗の花の雄花と雌花はどんな風に違うの、柿の実は今はどんな状況なのか、カタバミの名前はどうしてついたのかな、葉っぱで10円玉を磨くとどうなるの、など観察することは山ほどあるが、子ども達には眼で見るより拡大して見て、どんなビックリするような感動があったのでしょうか。


拡大の不思議 虫めがねの使い方のお話

栗の雄花と雌花をルーペで観察

死んだハナアブと紅カミキリ

(6)今日のふりかえり
 今日一日のふりかえりは盛り沢山でした。低学年の子ども達は虫めがねで観察しても見た絵を書くことが難しいようで、夫々リーダーが言葉で書く様に頑張ってもらいました。
 高学年の子ども達は、夏野菜の花の特徴などを絵で書いたり、説明文がしっかり書けていましたが、中には眼で見た物と
 ルーペで拡大した物が同じ様に描かれているのは、まだまだ仕方が無いことですね。 改めて拡大して見ることで不思議を
 発見してくれたり、ビックリするような気づきをしてくれた子ども達が、沢山居たのには嬉しい発見でした。
 終わりの集いでは、「今日の不思議発見なぁ~んだ!」の問いかけには、子ども達から今日発見した様々な不思議を発表してくれました。

今日の成果・課題

(1)子ども達の声
  Q:今日のふしぎ発見な~に?
  A:カタバミの葉っぱで10円玉を磨いたらピカピカになった
   :カタバミの実がオクラの様な形をしていたのでビックリした
   :カタバミはさわっただけで、種が飛び出した
   :日本でタマネギが一番たくさんとれるのは北海道だったこと
  Q:畑で見つけた事や、面白かった事はなに?
  A:タマネギは葉っぱを食べている、葉っぱが倒れたら収穫して、長く保存ができる
   :キュウリの葉っぱがざらざらしていた
   :ハナアブの死んだのと、赤い羽根の紅カミキリムシがいた
   :キュウリの葉っぱは、毛がいっぱいだった
  Q:拡大の不思議で見つけた事は何ですか?
  A:栗の花の雌花と雄花では、雌花の方が少ない
   :ルーペを使ってナスの花を見た時に、雄しべの穴が見えてビックリした
   :トマトの花は、雄しべの筒の中に雌しべがある
   :タンポポの綿毛が飛んだ跡が、ゴルフボールのように見えた
   :セミの目がコーヒー色だった
   :カタバミの種には、しましま模様があった
(2)リーダーの声

  • 今日は畑の仕事が多かったが、子ども達は色々と積極的にやってくれた。支柱立てはやはり苦労していて、特に篠竹を紐で縛って結ぶことが難しかったようだ。もっとじっくり練習もさせなければならないと思う。
  • タマネギの収穫は今年は出来が良く子ども達も楽しんでくれて、みそ汁用の保存用食材としての準備も十分に完了した。
  • ルーペで見たことで「すごかった~!」と思ってくれることが大事だと思う。ルーペで見ることに一生懸命取り組んでいたが、スケッチに書くときは自分の眼で見たスケッチだったのは、それが不思議発見だったのかも。
  • 毎年、紐結びができない子どもが目立ったが、今年は皆無だったので支柱立てがスムーズにできた。

(3)まとめ
竹の子の生長の速さをこども達に理解して貰うためには、全体の背丈の高さを測るだけでは無くて、具体的に竹の子の指定した一節が3週間でどれぐらい伸びたか、太さがどれぐらい太くなったか、などの判り易い判断材料を提供しなければ、子ども達には難しかったのではと、来年に向けての検討課題としました。
これからは段々と暑くなってきますが、夏野菜たちは夫々に実が成ってくるので、次回も子ども達なりの小さな不思議発見や気づきを通して、命の大切さを感じ、自然を大切にして、地球環境に想いをいたす一助になれば、との想いで楽しみに
お付き合いしていきます。



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