NO団体名主な企画内容
40 NPO法人 シニア自然大学校 子ども教育部門(兵庫県) 「ジュニア自然大学(服部教室) 第12期「こどもゆめくらぶ」」
野菜栽培などの農業体験を中心に、自然や生き物と触れ合う多様なプログラムを通して命の大切さを学ぶ。本科コースでは夏野菜やサツマイモの植付け、じゃがいもやタマネギの収穫、自然観察、古民家での昔の暮らし体験をし、1年間の本科コースを卒業したメンバーは田植えから稲づくりを体験する。

速報レポート9

実施日   :9月7日(本科 第9回目)
実施場所  :日本民家集落博物館内
参加小学生数:41名
スタッフ  :16名、保護者:1名
今日のテーマ

今日のテーマは、みんなの地球「子ども環境教室」と、12月の修了式の収穫記念行事として、自分達で育てたダイコンを引き抜いて持って帰る為に、ダイコンの種まきをします。
本科の最終の野菜の育て方のテーマとして、ダイコンの命の育み方を、実際に種を植えるところから始めて、しっかりと水をやって、間引いて、土寄せをして、害虫を取り除いて、雑草を抜いたり色々とお世話をする事で実体験して勉強します。
子ども環境教室は、各班のリーダーが4つのテーマをベースに説明をして、子ども達は各テーマを聞いてまわり、それぞれ地球環境に与える問題点を勉強して、自分達の出来る事はどんな事だろうと考えます。

活動内容

(1)今日も歌で始まります
今日の歌は「トンボののめがね」でした。朝の集いの時は雨がパラパラと落ちてきましたが、懐かしい小学生唱歌から選ばれた歌で、子ども達は大きな声で元気に歌ってくれました。

(2)ダイコンの種まきと畑の観察について
午前中は「ダイコンの種まき」についての話を聞きました。「ダイコンを大きく育てるためには、畑の土をしっかりと耕して深く伸びるようにします」、「ダイコンの種は、競争して育つようにペットボトルの大きさの穴に、5粒を星型にまきます」、「細かくした土を1センチほど掛けてあげる」、「水やリはジョウロで流れないようにしっかりと掛けてあげる」、「最後に虫除けの寒冷紗を全体に掛けてあげる」などなど、子ども達に問いかけながら、ダイコンの種まきの話が進みました。
その後、2つのグループに分かれて、ダイコンの種まきをするグループと、上の畑でサツマイモのつる上げと草抜きなどの手入れをするグループとで、今日の農作業が始まりました。途中でダイコンの種まきを終ったグループと交代しました。
時間の空いた班の子ども達は、タマネギの種を筋蒔きしたり、落花生の花がどうなっているのか、綿の花の様子や、里芋の育ち具合などを畑の野菜たちの観察をしました。
これから12月の修了式に向けて、ダイコンの葉っぱが日々育って、大きくなっていくのが楽しみです。


朝の集まりは、雨でみんな合羽を着ていたよ!

ダイコンの種まきの説明を聞きました  

各班の畑をしっかりと耕しました


それぞれ2ヶ所の穴に5粒づつダイコンの種をまきました

ダイコンの種を星型に5粒まきました!

たっぷりとジョウロで水をかけてやりました


虫よけの寒冷紗をかけました

出来上がったダイコンの畑の様子です

(3)みんなの地球「子供環境会議」
午後は、ジュニアの本科のカリキュラムの中でも最も難しい、みんなの地球を合言葉に「子ども環境会議」です。取っ掛かりの導入部分のテーマは「白熊」「鹿」「温暖化」「外来魚」の4つで、各班の担当リーダーが説明をしているブースを、子ども達は班毎にお話を聞いて廻ります。
1班の「白熊」のお話は、地球温暖化の影響によって、北極の氷が溶けて餌のアザラシを食べられなくなり、絶滅の危機に有るのでどうしたら良いかとのことです。
3班の「鹿」のお話は、現在の日本では天敵がいないので繁殖力の強い鹿が増加して、鹿の食害が広がり、林業にも影響が出て、洪水や山崩れの原因になったり、田畑の作物を食い荒らしたりして、生態系が壊れて人間の生活に問題が出ている。
2班の「温暖化」の話は、温室効果ガスの特にCO2の増加が原因で、今年の夏も猛暑日が続いているが、電気を作る為に石油や石炭や天然ガスを燃焼するときに多く排出しているので、電気を無駄遣いしないようにすることが必要との問題です。
4班の「外来魚」のお話は、ブラックバスやブルーギル等の元々日本にいなかった魚が、全国的に繁殖していて、生命力も繁殖力も強く、日本の魚がどんどん食べられて、生態系が破壊されてきているのが、今後とも問題である。
各班のブースで話されているテーマは、かなり高度で難しい内容ではあったが、子ども達は真剣に一生懸命に聞いていましたし、手持ちのメモ用紙に記録を取っている子どもも結構いたようです。
高学年の子ども達の中には、夫々のテーマごとに問題点をしっかりと把握して、自分としてこれからどう対策して行くと良いのかまで、まとめている子どももいたのには感心しました。
低学年の子ども達には、夫々のお話はしっかりと真面目に聞いていましたが、中味までは十分に理解できなかった事柄が多かったのではと思いますが、地球環境の問題に付いて、少しでも考えてもらえる切っ掛けになればと思っています。


「外来魚」の問題点についての説明です

「温暖化」についての説明です

「鹿」の食害についての説明です


温暖化で「白熊」が困っているお話です

環境会議の話し合いの結果の発表です

おわりの集いです

(4)今日のふりかえり
今日のふりかえりは、午前中のダイコンの種まきを中心とした畑の農作業については、子ども達はお話しした内容を結構ふりかえりを書いてくれましたが、午後からの子ども環境会議に付いては、低学年の子ども達にとってはかなり難しかったように思われ、ふりかえりの書き込みが「分からない」、「しらない」、「ない」と言う回答が多かったようです。
高学年の子ども達の中には、各テーマごとに的確な問題点の把握と、しっかりとした感想や自分として今後やっていく具体例まで纏めてくれたものがあり、大変心強く感じられました。

今日の成果・課題

(1)子ども達の声
 Q:ダイコンのはなしでびっくりしたことは何ですか?
 A:「1.5メートルぐらいも伸びるダイコンがあること」
   「守口ダイコンが、1m以上あること」
   「いろいろのしゅるいのダイコンがあること」
   「赤いダイコンや長いダイコンがあること」
   「大根のなかには、赤い大根があったり、1m位の長い大根があるのにビックリした」
   「ものすごく長い物や、赤いもの、丸くなる大根があること」
 Q:環境問題でいちばん「いやだなぁ~」と思ったことはどんなことですか?
 A:「地球温暖化の影響であらゆる自然災害が多発すること」
   「外来魚がふえていること」
   「白熊が、食べるものがないから死んでしまうのがかわいそう」
   「洪水がおこりやすくなること」
   「夏が暑いことと、こうずい」
 Q:よい地球になるようにあなたが頑張れることがありますか?
 A:「でんきは使わないときはけす」
   「電気や水をあんまり使わないこと」「でんきやみずをたいせつにする」 
   「できるだけでんきをむだに使わないようにする」
   「エアコンを28度くらいにする」「クーラーやでんきをけす」
   「温暖化にならないように、テレビを見る時間を1時間へらす、ゲームをやる時間をへらす」
   「光が明るい時は、電気をつけないようにしよう」
   「電気をあまり使わない。たとえば、冷蔵庫の開け閉めをすばやくするや、水や照明は無駄遣いしないなど」
   「良い地球になるように、でんきをつけっぱなしにしないようにがんばる!」
   「ゴミをあまり出さないようにする」
   「テレビの時間を少なくする」
   「しかにくをくう」

(2)リーダーの声

  • 午前中のダイコンの種まきや、落花生や綿の花などの野菜の観察も上手く行った。
  • 午後からの環境会議に付いては、4つのテーマ別のお話を子ども達は良く聞いていたように思うし、全体的には上手くいったと思われるが、今後とも子ども達に発表させる機会をもっと増やす様にしていくと、良いかも知れない。
  • 環境会議の4つのテーマの関連性が必要ではないかと思われる。

(3)まとめ
ダイコンの種まきは、ジュニアの活動のテーマである「命を育む」実例として、今回のダイコンの種まきから、12月の修了式には大きくなったダイコンを引き抜くと言う、結果が見える野菜の成長の過程を短時間の間に実体験出来る訳で、子ども達にとっては最も身近に自然の不思議を感じられるので、今後とも重点的にフォローして行きたいと思っています。
子ども環境会議の取っ掛かりのテーマの設定と説明内容に付いては、どのレベルの子ども達に焦点を当てて話しをするのかによって、こども達の理解度に大きな差が出る事は解かっているのですが、今回も子ども達がふりかえりの時点になって、「わからない」「ない」などの書き込みがあり、やはり難しいことだなと反省ばかりしています。
例年子ども達の環境会議の進め方に付いては、学校で学ぶものとは一味違うものをと思っているが、子ども達も既に落とし所を心得ているようで、それなりに地球温暖化などの環境問題に付いての意見を持っているように思えるので、その気持ちを素直に延ばしていければ良いのではと考えています。



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