NO団体名主な企画内容
25 冒険教育を推進する会(長野県) 「おたり森の子クラブ2010」
イカダの上での水上泊や森の中の秘密基地作り、懸垂下落など、普段の生活では味わえないダイナミックなチャレンジで「日常にはない大きな心の揺れ」を、子どもたちの心に感じさせる活動。

おたり森の子クラブ第5回 速報レポート

運動会シーズンの9月3連休に森の子クラブ第5回、「登山遠征」が開催されました。
コース前日まではころころと変わる天気予報にやきもきしていましたが、最終日に少し雨に降られたものの、天候に恵まれた3日間となりました。

今回は小学校の運動会シーズン真っただ中ということもあり、参加してくれた子どもたちの数はいつもより少なめでしたが、みんな元気に集まってくれました。
今回もふたつのグループにわかれましたが、それぞれのグループの中には今年の森の子クラブに参加している子や去年参加していた子、初めて参加する子などがいて、初対面の緊張感も少しありましたが、自己紹介からストレッチ、アイスブレイクゲームと進んでいくうちに子どもたち同士やインストラクターともすっかり打ち解け、楽しい雰囲気で登山遠征の準備に入っていきました。




登山遠征準備では地図や高低差の表を使って今回の2泊3日の遠征の内容が子どもたちに伝えられました。
スタート地点の学校から歩いて雨飾山の頂上に立ち、下山後も歩いて学校まで戻るという大遠征です。
雨飾山は日本百名山のひとつで標高は1963メートル。
標高はそれほど高くないですが、大人でも頂上まで登るのは容易ではありません。
子どもたちは自分の荷物を背負い、自分の足で3日間歩きました。
また、日々の計画、起きる時間や出発する時間、目標の時間にゴールするための途中の通過時間も自分たちで決めました。




1日目は学校から雨飾山登山口までの10km。
昼食後に出発した子どもたちは、それぞれのグループで地図を持ち、自分たちがたてた計画と16時に登山口にゴールするという目標に遅れないよう、熊よけの鈴を鳴らしながら頑張って歩いていました。

最初は舗装された道路でしたが、途中から未舗装の林道になります。
コース前日までの雨でところどころに水たまりがあったり、背の高い雑草が林道を覆っているところもありましたが、子どもたちは元気に歩き続け、両グループとも無事16時までに登山口にゴールしました。

ゴールしても子どもたちのチャレンジはまだまだ続いています。




まずは自分たちが寝るテントをたてます。
ひとりではたてられないので、グループのメンバー全員で取りかかり、テント本体をたて、フライシートをかぶせ、風でとばされないようにペグで固定し、ようやく完成です。
完成したテントの中にマットや寝袋を入れたら今度はインストラクターと一緒に野外での夕食作りです。
役割を分担しながら作り上げていきます。
夕食を食べ、後片付けの後にはこの日の活動を振り返りました。
「頑張って歩いて時間通りにゴールできて良かった。」
「荷物が重かったけど、最後まで頑張った。」
両グループとも1日目のチャレンジには満足できている様子でした。
2日目の登山に向けては
「明日はみんなで頂上に行けるように頑張ってチャレンジする」
「しんどくなるかもしれないけど、頂上に着くまで諦めないで頑張る」
など、登山という大変なチャレンジに向け、不安もありながら、でも強い気持ちを持って臨もうとしていました。
最後に地図を見ながらグループ全員で2日目の計画をたて、早起きに備えて8時にはみんなテントに入って眠りました。




2日目の朝は4時起きでした(もうひとつのグループは4時半起きでした)。
朝食を作って食べ、登山の準備をして6時前後に両グループともに出発しました。
この日も天候は晴れ。
この日はそれぞれのグループで11時半と12時という頂上に到着するタイムリミットがありました。
これらの時間を過ぎても登り続けていると、下山し終わる前に日没になり、安全上問題が出てくる可能性があるのでこの時間が設定されています。
子どもたちは、まずこの時間より前に頂上に着けるように計画し、歩き始めました。
昨日よりは近づきましたが、それでも雨飾山頂上は遥か頭上にありました。

2日目も子どもたちは強い気持ちを持ってチャレンジしていました。
小さな体のどこにこれだけの力があるんだろうと思うくらい力強く、一歩一歩頂上に向けて登って行きました。




途中地図を見ては現在位置と時間通りに進めているかを確認し、長くなりがちな休憩も短く切り上げてまた歩き出していました。

やがて視界が広がり、尾根に出た後も岩がゴツゴツしているところを越え、スタートから4時間以上かけてようやく雨飾山頂上に両グループとも全員到着しました。

3連休ということもあり、頂上は別の登山道から登ってきた人たちでいっぱいでした。
この日は天候も良く、頂上からは北アルプスや日本海も見ることができました。
頂上まで頑張った人だけが見れる景色です。

頂上で昼食を取り、景色を楽しんだ後は再びこの日の最終ゴールを目指してそれぞれのグループは歩き始めました。
ひとつのグループは登ってきた登山道を戻り、もうひとつのグループは別の登山道から下山しました。
下山ゴールの時間もそれぞれのグループで決まっていて、その時間を目指して歩きました。
頑張って登った後の長い下りは登りよりも大変です。
体力的には大変だったと思いますが、「時間までにゴールしたい」という気持ちがひとりひとりの、そしてグループ全体の背中を力強く押していました。
そして両グループとも無事時間前にゴール。
ひとりひとりの顔にはこの日のチャレンジをやりきった満足感や疲れ、無事ゴールできてホッとした気持ちが表れていました。

夜のふりかえりではこの日一日、ひとりひとりがどんな気持ちでチャレンジしていたかが話され、グループ全員で共有されました。
「絶対に頂上に行くぞ!と思って登ってた。頂上に立った時は超嬉しかった!」
「途中しんどいこともたくさんあったけど、でも最後まであきらめないと思って歩いてた。」
「みんなが最後まであきらめなかったことがすごい。みんなで頂上に行ってみんなでゴールできてよかった!」
決して楽ではなかったチャレンジを乗り越えた気持ちが話されていました。
3日目に向けても最後の最後まであきらめない気持ちを確認して、遠征2日目が終わりました。




遠征3日目の朝は雨でした。
時折強く降る雨の中、子どもたちはテントを片付け、朝食を取り、出発の準備を整えました。
両グループともほぼ時間通りに出発。
それぞれ10kmと18km先のゴールを目指して歩き続けました。

降り続いていた雨は降ったりやんだりになり、時折日も差すようになりました。
緩やかな下り道でしたが、2日目の登山の疲れもあり、そんなに楽な行程ではなかったと思います。
特に18kmを歩いたグループは、最後の6kmが今回の遠征の中で最もしんどかったようです。
雨具を着て、自分たちの荷物を背負った子どもたちは、全員が最後まであきらめることなく、ゴールすることができました。
18kmを歩いたグループはタイムリミット15分前のゴールで、ゴールした瞬間、疲れてはいましたが一様に達成感と安ど感を感じているようでした。

ゴール後は後片付けと昼食、そして3日間最後のふりかえりを行いました。
みんなの中で印象に残っていたのは、やはり雨飾山頂上と最後のゴールの場面でした。
「雨飾山の頂上まで、自分の足で行って帰ってこれたことが1番嬉しかった。」
「みんなが最後まであきらめなかったからこのグループは100点!」
「大変だったけどみんなでチャレンジしてゴールできてよかった。」
ひとりひとりがチャレンジを振り返りながら、今回のチャレンジで感じたことを話してくれました。

心配していた天気にも恵まれ、子どもたちも強い気持ちでチャレンジをして、ダイナミックな、いい登山遠征になりました。
目標に向かって最後まであきらめない気持ちや仲間とともにチャレンジする楽しさを十分に感じてもらえたと思っています。
何か難しいことや初めてすることにチャレンジする時、今回の森の子クラブでのチャレンジを思い出して頑張ってください。
また会える日を楽しみにしています!



おたり森の子クラブ第1回 速報レポート
おたり森の子クラブ第2回 速報レポート
おたり森の子クラブ第3回 速報レポート
おたり森の子クラブ第4回 速報レポート
おたり森の子クラブ第5回 速報レポート
おたり森の子クラブ第6回 速報レポート

■別年度のレポート
2011年度 子どもたちのための冒険キャンプ『ジュニアアドベンチャー2011』 実施レポート
2009年度 子ども達のための冒険キャンプ『ジュニアアドベンチャー15日間 2009』 実施レポート
2008年度 おたり森の子クラブ2008 実施レポート
2002年度 ジュニアアドベンチャー2002 サマーキャンプ 実施レポート

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