NO団体名主な企画内容
14 国立市立国立第七小学校(東京都) 「校長先生と身近な自然体験チャレンジGO3(スリー)!」
地域の自然観察・研究だけに留まらず、クヌギやコナラ、リンゴ、カキの植栽、トウキョウサンショウウオやアカハライモリ、川魚の飼育を行い、学校にいる間はいつでも自然に触れ合える企画。

速報レポート1 「6年生 日光移動教室での自然体験学習」

実施日 平成27年6月10日~12日
参加者 児童+教員 合計65名
はじめに

 東京都では、卒業年度の児童が地元地域ではなく、遠方に宿泊する行事があり移動教室という名称で学校行事として実施しています。国立市では毎年、6年生の歴史学習に合わせ日光方面に行っています。国立七小でも、日光東照宮の二社一寺見学や奥日光の自然体験などを行いながら奥日光湯元に二泊しています。
 日常的に地域の自然は見ていますが、地域を離れ他の場所の森林を歩き自然体験することの意義も大きいと思われます。そこには、自分の住んでいる地域とは違った動植物が存在し、広く日本全体の自然の様子を知るよいチャンスでもあります。豊かな自然と触れ合うこの機会は、自然体験のできる場として大変貴重であると思います。そこで、以下のように、計画的に児童に体験させることにしましたので、その様子の詳細を記します。

その1 奥日光湯元周辺の自然観察

 二日目は朝からの晴天で、近くの山々の残雪が旭日に映え、澄んだ青空が見られました。朝礼終了後に朝の散歩に出発。早速、校長の自然観察教室の始まりです。まず、奥白根山に僅かに残雪が見える山に目を向けさせました。「山を見て気が付いたことを言ってごらん!」と子供達に問いかけると、常緑の針葉樹と新しい葉を展開し始めた広葉樹の緑の違いに、「へえー!きれいな緑だ。」「葉っぱっていろいろな色の緑になっているんだ。」との声が上がりました。また、宿舎近くを飛ぶ鳥のイワツバメの姿を発見したり、早朝の鳥の声に耳を傾けたりしました。シウリザクラやレンゲツツジなどが咲く小道をのんびりと歩き、子供達は高原の朝を満喫。シラカバの樹木の所で、「校長先生!何かある?」との声。よく見ると、コフキサルノコシカケが何か所か見られました。みんなであれは何だろうといろいろと想像させた後に、分解者としてのキノコの役割などについてお話しました。しかし、物質循環のお話は小学生にはちょっと難しかったようです。子供達はみな、標高
 1500mの奥日光湯元の宿舎周辺の豊かな自然に出会い、様々な発見を楽しむことができたようです。



その2 戦場ヶ原の自然観察

 いよいよ青葉若葉の輝く戦場ヶ原ハイキングに出発。湯滝から赤沼まで、何と3時間もかけて超ゆっくりと「てくてく戦場ヶ原自然ウオッチング」にスタートしました。道々、ポイント毎に様々な体験活動を行いました。なお、日光に来る数日前に別紙の「国立てくてく6年生号外その1」を配布し、どのような活動をするかを知らせ、興味・関心が高まるような手だてをとっておきました。(添付資料別紙1参照)
 まず、ポイント1では一人一人が豪快・見事な湯滝を見て一句ひねらせ、子ども達の感性を引き出す活動を行いました。その結果、子供達の素晴らしい感性に脱帽です。どの子の作品もその子らしく、素晴らしさに感心しました。その後、先生や宿舎のスタッフの方々で、優秀作品5作を選定し移動教室閉講式にて表彰式も行いました。宿舎の支配人もこの活動には大変感動され、昨年度より毎回受賞した子供達に記念品を贈呈してくれる事が定番となりました。宿舎「樹林」の方々にはこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。受賞した作品を下記に紹介します。

優秀賞

岩のかべ 白い流れが くだけちる   清らかな 水が落ちるの 湯滝かな  
新緑に 包まれたたずむ 湯滝かな   高くから 湯滝が流れ 川になる   
滝の音や 水面に映える 若葉あり 

佳作
湯滝から 流れる水は 雪のよう    すさまじい 湯滝の流れ いつまでも
気持ちいい 湯滝流れる 森の中    日光で 滝の音聞き 緑見る
白い波 音たて落ちる 滝のメロディ  湯滝見て 迫力な音 目を閉じて
ごうごうと 流れ落ちてく 水の音   日光の 自然に囲まれ 湯滝かな

 その後も校長先生のレクチャーにより、奥日光の自然の豊かさを確認することができました。校長先生作成の学習カードに従い、様々な活動にチャレンジ。滝の近くの森の中で落ち葉がほっこりと積もった場所で思い切りジャンプし、その感触や感想を記したりしました。以下、子供達の感想は、

ふわふわ 木の根 しめってる トランポリンのよう 土にすいこまれるような感触 やわらかい 吸収力がある きもちいい 自然のかたさ 吸い込むかんじ ふかふか ごろごろ クッションみたい コンクリートとちがう マットみたい しょうげききゅうしゅうされてつかれないもさもさしていてきもちいい ふかふかベットのよう 落ち葉のやわらかい感じ じめじめ ゆかぬけそう もちもちクッション 水にすいこまれる だんりょくがあり げかしにく 葉と土がまざってる おもしろい・・・など様々でした。

その後も、針葉樹の森の中で、いろいろなコケをさわったり、原生の森で大きく深呼吸したりしました。その時の感想は、

国立よりしめっている おいしい すんでいる ぜんぜんちがう 空気がいい すがすがしい
すずしい おちつく きれい すっきり きもちいい 新しい感じ ひんやりしていてすがすがしい しんせん つめたい 新しい 空気が自然みたい おもしろい 自然なかんじ 鼻がつめたくなる 空気がやわらかい 草や水のにおいがした 緑のにおい 空気がおいしいのってこういうことなんだとわかった 都会の空気は苦い感じがするけど日光の空気はすいやすい お茶のにおり ねむくなる 木がいっぱいでCO2がなさそう 自然っぽい 自然のかおり さわやか
まろやか 木のにおいと水のにおい・・・などでした。

 その他に、耳を澄まして自然の営みの様子を五感で観察したり、ゆるやかな湯川に笹舟をみんなで作っては浮かべては流したりしました。目をつぶって自然の営みにじっと耳を傾けた時の感想は、

 いろいろな鳥の鳴き声 さえずり ピチピチ 遠くの滝の音 虫や鳥の音 小鳥のさえずり ハチの音 かすかな滝の音 ピコリの声たくさん ピーピー 歩く音 人の呼吸 川の音 カエルの声 鳥チュリーチュリー キュリリー ピヨピヨ ピーピロピロピー 3~4種類の鳥がやりとりをしている 鳥のさえずりが360度聞こえた いろいろな鳥の声 チュンチュン 鳥がなくと自然の中にいる気がする・・・などでした。

 さらに、湯川にて発見した滝を見ては、華厳の滝や湯滝と比較して、自分たちで好きな名前を滝につけて楽しんだりしました。以下、どんな名前の滝になったかというと・・・

 ふんすい滝 こうそく滝(高速) 小さい滝 大じゃの滝 低空滝 ザ滝 下流の滝 短滝 滝はや滝 白滝 山滝 華竜滝 沼魚滝 広滝 湯二滝 しんせんな滝 白竜滝 康滝 しら滝 三つ滝 三角す 森滝 枝わかれの滝 落大滝 水だき ねずみ滝 ミニチュア滝 滝スライダー 雪の滝 水流滝 流下の滝 三滝 まる滝 緑滝 金石の滝 座滝(すわっている感じだから) 魚滝 冷滝 玉沼の滝 ゆる滝 四方緑滝 チビ滝 二割り滝 さかな滝 沼地滝・・・などでした

 さらにスケッチポイントの泉門池では、3分間スケッチにチャレンジしました。湯滝から泉門池までは、ウラジロモミやコメツガの針葉樹やミズナラやカエデ類の広葉樹が織りなす針広混合林の中を歩きながら、たっぷりのフィトンチッドを浴びながら森林浴を堪能しました。途中、フライフィッシングをしている人やバードウオッチングをしている人と仲良しになり、1分間講師をお願いして、毛バリを見せてもらったり、今日光戦場ヶ原で見ることができる鳥についての特別レクチャーもお願いして、子供達に話してもらいました。

 戦場ヶ原の後半は、広々と開けた草原で男体山や日光連山の景観を楽しむことができました。ベンチにて再びスケッチを行いながら、山々をバックにワタスゲがたくさん見られるビューポイントを眺めながら、赤沼へと到着しました。「森をゆっくりと歩き観察し、しっかりと見よう!じっくりと体験しよう!」との校長先生の言葉通り、他の学校の倍の約3時間をかけてゆっくりと自然体験をすることができました。
 戦場ヶ原をただ歩くだけとか、また自然観察ボランチィア(ただ、動植物の名称だけを伝えるだけで、あまり面白くない・・・今回も名前を覚える事に重点に置くのではなく、自然の事物を体験することをメインとした)に丸投げでレクチャーしてもらう学校が多い中、国立七小は、校長と子供達が様々な体験を通し、いろいろなことがたくさん勉強できたと感じています。日光でなくても、これからの普段の生活の中で、いろいろと見たり感じたりすること、感性を磨くことはとても大切なことなんだということ。そのために、自分の体を実験道具として、五感を使ってたくさんたくさん学んでいこうねという話で終わりました。







速報レポート1 「6年生 日光移動教室での自然体験学習」
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速報レポート4 「5年生 身近な地域での自然体験(稲作体験学習)」
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速報レポート8 「100年の森構想・・・雑木林づくり大作戦!」
速報レポート9 「国立七小どろんこ遊び大作戦!」

■別年度のレポート
2014年度 校長先生と身近な自然体験チャレンジGO! 実施レポート
2013年度 国立市立国立第七小学校「みんなで自然体験推進レッツ・ゴー!」 実施レポート

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