NO団体名主な企画内容
30 大阪市立新北島中学校科学部(大阪府) 「大阪市住之江区新北島地区のアリのモニタリング調査とアルゼンチンアリ(特定外来生物)の駆除」
アルゼンチンアリを駆除する事が目的で、環境事務所や地域の住民や事業所の人たちと協働しながら、責任感や自尊感情を育てようとする活動で、地域の環境を理解し地域に貢献する環境学習。

速報レポート7 大阪市中学校生徒理科研究発表会での発表

9月20日(日)大阪市中学校生徒理科研究発表会 参加    参加生徒数18名、顧問2名

 大阪市での中学生の理科に関する研究発表会である、『大阪市中学校生徒理科研究発表会』(府学生科学賞市予選会を兼ねる)が9月20日(日)に大阪市立咲くやこの花中学校で開かれた。新北島中学校校長や保護者や卒業した部員の参観などもあり、普段から色々と科学部をサポートしている人たちの前での発表となった。
 新北島中学校科学部は部員が全員発表に参加できるように、次の4作品を研究発表の部(舞台での演示による発表:制限時間5分、質疑応答5分)で発表した。
1.大和川の水質調査パート5
2.重力の大きさを調べる パート1
3.アルゼンチンアリの研究調査 パート2
4.新北島中学校科学部でのESD活動について

 1番目の発表は、4年前の平成23年度の春から継続して研究している大和川の河口部の水質調査であり、この調査は、平成24年度~平成26年度の3年間は、独立行政法人(当時)科学技術振興機構の科学部振興事業、平成27年度は公益財団法人河川財団の河川整備基金助成事業の助成を受けて実施した。科学部の部員が大和川河口や、大和川の源流などで水質調査を現在も継続して行っている。測定しているのは、pH、溶存酸素、NO3-、NO2-、NH4+、塩分濃度、COD(化学的酸素要求量)、リン酸イオン、透視度、電気伝導度、酸化還元電位、気温、水温、全硬度、マグネシウムイオン、カルシウムイオンである。この測定も、アルゼンチンアリと同様に生徒たちが先輩から後輩に教えるという形で実施していて、観測・記録・データ整理や発表用資料作成を部員が自分たちで行っている。昨年度の発表会では優秀賞を受賞した。
 2番目の発表は振り子を用いて重力加速度を測定する実験で、重力加速度の98%の値まで求めることはできたが、それ以上はいろいろな誤差の為に求めることができなかったので、来年の発表に向けて調査と続ける予定である。
 3番目の発表が、トム・ソーヤースクール企画コンテストに応募して支援いただいている研究で、特定外来生物であるアルゼンチンアリのモニタリングや駆除を行う研究で、今回はモニタリングを増やしたことと、在来種のアリが増えてきている調査結果を発表した。また、アルゼンチンアリの飼養許可を得て、調査がしやすくなったことも報告した。
 4番目の発表は、1番目と3番目の研究に関連して、ESD(持続可能な開発のための教育)の観点から発表を行った。身の回りの自然に関してこども達が目を向けて、自分たちでいかに行動したらよいか考え、環境を考える人間を育成する取り組みを新北島中学校科学部がどのように行っているかを、部員たちが自分たちの活動を紹介することで観客に伝えた。また、こどもエコクラブなどのアドバイスをもらっている事や、地方環境事務所や大学の先生とのかかわりや地域住民の人とのふれあいについても発表した。
 どの発表も3年生を中心に頑張り、質疑応答などもしっかりと答えることができた。自分たちの研究ということで、基礎的な調査から自分たちで行っているので、特に問題なく返答していた。また、他校の研究について、新北島中学校の研究と類似する研究の場合、部員がするどい質問を行っていたので、研究に対する気持ちも見ることができ、今後を期待している。

展示発表の部では、次の3作品を展示した。
1.大和川の水質調査パート5
2.重力の大きさを調べる パート1
3.アルゼンチンアリの研究調査 パート2

研究発表の部では制限時間が5分という制限があり、新北島中学校科学部の研究はデータ量が非常に多く、とても結果をゆっくりと表示することができないため、展示での発表も同時に行うようにしている。そのため、展示作品の内容が研究発表よりも多くなっている。
審査結果は、研究発表の部では4番目の『新北島中学校科学部でのESD活動について』が努力賞、展示部門では、『大和川の水質調査パート5』と『アルゼンチンアリの研究調査パート2』が優良賞を受賞した。
今回の研究発表をとおして、はじめから大人たちが用意したイベントをただ実施するのではなく、部員が自分たちで考えて行動することが、今回の活動(ESDの視点)で大切と改めて感じた。大和川の水質調査やアルゼンチンのモニタリング・駆除活動は答えがありません。旗を作って地域の人たちにアピールしたり、水質調査も測定の方法を工夫したり、部員がいろいろと試行錯誤をしながら活動を行っています。また、今回の発表会で部員たちは、『賞』欲しさではありましたが熱心に研究結果をまとめ、発表用の資料を作り、部員同士で議論をして良い作品を作りたいという気持ちで頑張っていました。この発表会で研究は終わりではありませんが、新北島中学校科学部の部員にとっては非常に有意義な発表会と感じた。


発表前に発表グループ班全員で並んであいさつしているところ

プレゼンテーションソフトを使って発表しているところ。

努力賞を表彰されているところ。


引退する3年生(最前列の4名)を囲んで、記念撮影をしています。



速報レポート1
速報レポート2
速報レポート3 地域の小学校での科学教室開催とアルゼンチンアリの小学生への説明
速報レポート4 アルゼンチンアリのモニタリングと校内防除、発表用資料の作成とデータ整理
速報レポート 番外編
速報レポート5 アルゼンチンアリの地域と校内のモニタリング
速報レポート6 発表会の発表資料作りや発表の練習、展示資料の作成。
速報レポート7 大阪市中学校生徒理科研究発表会での発表
速報レポート8 アルゼンチンアリの地域のモニタリング
速報レポート9 アルゼンチンアリの活動の広報活動
速報レポート10 新北島中学校内のモニタリングと駆除剤の散布
速報レポート11 こどものためのジオ・カーニバルの出展準備とアリの同定作業

■別年度のレポート
2016年度 都市部の自然環境について自分たちで観察、調査、分析、活動する! 実施レポート

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