NO団体名主な企画内容
42 彦名地区チビッ子環境パトロール隊(鳥取県) 「きれいで美しい泳げる中海を取り戻そう」
町内の環境パトロールや、使用済み割りばしを回収して紙に再生する活動。天ぷら油の再利用など、環境保全を基軸にした活動を持続的に取り組む。

速報レポート9 使用済み割り箸を回収し紙に再生 割り箸を原料にしたパルプで葉書き作り

実施日 :① 5月 8日 13:30〜15:00(於:彦名公民館⇒王子製紙米子工場)
     ② 8月22日 10:00〜15:00(於:米子食品会館)
     ③ 9月26日 9:00〜11:30(於:彦名公民館)
実施場所:彦名公民館・王子製紙米子工場
学習内容:①彦名町で回収した使用済み割り箸を車で王子製紙米子工場に搬入
     ②米子食品会館で米子市環境フェア
     ③彦名公民館        
参加者 :①こども 10人、大人 3人(含 サポーター1人) 
     ②こども 13人 大人 4人(含 サポーター1人)
     ③こども 11人 大人 5人(含 サポーター1人)  
使用済み割り箸を製紙原料にする資源リサイクルの取り組み 〜小さな積み上げ、大きな成果〜

  サポーター  向井哲朗

●割り箸回収量:372キロ
●葉書きに換算:31,000枚相当
●ティッシュボックス:558箱相当に再生

 捨てればゴミ、活かせば資源。平成4年7月、当時、王子製紙米子工場勤務時代に、当事のこどもエコクラブのメンバーから、「ぼく達の教科書には緑が大切だと書いてある。それなのに緑をたくさん切って紙を作る向井さんの勤めている会社は、地球環境によくない会社でないか」の一言がきっかけで、会社に使用済み割り箸を製紙原料にする資源リサイクルのゴミ減らしを提案、会社のトップの理解があって社員食堂で分別回収することから始めました。この使用済み割り箸を紙に再生する取り組みは、森林資源の保全、環境の保全、地球温暖化防止等にも功を奏し、循環型社会形成の視点からも意義ある取り組みであることから、使用済み割り箸が大量に発生する地元皆生温泉の経営者の皆さんに本趣旨を説明、この割りばしの回収の協力を要請、早速に女将さん方の支援を頂くことになり、地域に広がりました。
 誰でも身近にできるゴミ減らしと、資源を大切にする両面を具備していたことで、学校、自治会、婦人会、各種ボランティア団体、飲食店、ホテル旅館、行政企業など小学生から年配の方まで、老若男女を問わずさまざまな人が加わり、この運動の輪が広がりました。使用済み割り箸3膳がA4版コピー用紙または葉書一枚に生まれ変わること、また、使用済み割り箸が10キログラム集まれば、市販されているティッシュボックス15箱相当に再生されること等、割り箸を回収して紙に再生する取り組みは、新聞やテレビ、ラジオ等で大きく取り上げられたこともあって、鳥取県米子発の主人公である「割り箸」は点から線へ、線から面へと紙再生のドラマを演じ、現在も多くの皆さんの協力と支援を頂いて継続展開してきています。
 使い捨てていた割り箸が紙になって再び役に立つというイメージが大きな反響を呼び、これまで全国各地からたくさんのお便りが寄せられています。中でも次代を担う子どもたちから「割り箸回収運動に参加して物を大切にすることを学んだ」「環境に優しい気くばりができるようになった」等心強い便りを数多く頂き大変うれしく思っています。この運動を始めた平成4年7月当初、月300㌔ほど送られてきた箸がその後も継続的に毎月10から12トン王子製紙米子工場に送られてきています。集めた割り箸の半分が紙になりますので、月5〜6トンが紙に生まれ変っています。紙にならない樹脂、松脂、リグニンなど残りの木質は、重油等発電用ボイラーの代替燃料に利用する完璧なリサイクルになっています。
 私の住む米子市彦名町では、これまで全町民に呼びかけて使用済み割りばしの回収の呼びかけをしてきていますが、今年5月8日に実施した本年度第一回目の使用済み割り箸の回収量は合計で372キロでした。この回収量は、A4版コピー用紙または葉書き31,000枚相当に再生、ティッシュボックスなら558箱相当に再生されることになります。 使い捨てていた割り箸が紙に生まれ変って再び世の中のために役に立つと言うイメージが大きな反響を呼んでいます。割り箸回収運動は、「地球を救うために、いま私たちが誰でも出来ること」としてゴミの減量や資源保護、節約等の環境意識の啓発、教育面で大きな共感を得ており、資源を無駄にしないライフスタイルとして社会全体に浸透してほしいと願っています。
 地元の小学校でも使用済みの割り箸を集めて王子製紙横工場に届けています。


学校で割りばし及び廃油回収の呼びかけ

学校で集めた割りばしの持ち出し

集めた割りばしを小学校玄関前に


小学校〜リヤカーで郵便局まで運ぶ

郵便局への割りばし搬入のご挨拶

割りばしを郵便車に積んで王子製紙へ

 このような現況の中で、資源保全、環境保全について、町民の皆さんのご理解とご協力を賜り、割り箸回収運動をさらにステップアップさせて行きたいとたいと考えています。
 また、使用済み割り箸を原料にして作ったパルプからオンリーワンの葉書き作り(押し葉や草花、色紙を切って各種模様入れた手づくり葉書き)も行い、子ども達や、参加した保護者の皆さんは作った葉書きでお友達や、おじいちゃん、おばあちゃんなどにお便りを出し喜んでいただいています。
 7月10日〜11日鳥取県を訪問し交流を深めたロシアの青少年の皆さんにも、使用済み割り箸を原料にしたパルプから手づくりの葉書きの作り方をみんなで指導、とても喜んでいただきました。彼らと作った手づくり葉書きで文通も始まりました。
 また、8月22日米子食品会館で開催された米子市環境フェア-にも参加、ここでも使用済み割り箸、牛乳パックリサイクルによるオンリーワンの手作り葉書きづくりです。手作り葉書き体験を通して、物を大切にするこころ、環境問題に関心を持っていただくため参加させて頂いたこのコーナーは行列のできる盛況ぶりでした。
 ここでも、作った葉書きで早速お友達や、遠く離れたおじいちゃんやおばあちゃんに『私が作った環境に優しい手作りの葉書きです』と近況報告をしたいという親子、ローズマリーやヨモギ、もみじの葉などを入れて好きな模様仕立てのオリジナルの手づくり葉書きを作って来場された多くの市民の皆さんに楽しんで頂きました。

参加した子ども達や保護者の感想

割りばし回収作業に参加して(5年 女子)
 5月8日、彦名公民館で「彦名地区チビッ子環境パトロール隊」が使用済み割りばしの回収作業をすると聞いて、河崎だけど参加しました。お母さんと一年の弟も一緒に行きました。
 河崎小では委員会の人たちが集めているけれど、彦名では地区で大きな回収ボックスを置いてたくさん集めているので、ビックリしました。
 まず、集められた割りばしを軽トラックに積みました。中には、リサイクルできない塗りばしが入ってました。他にも竹ぐしが混ざっていましたが、これは材料が竹で機械で小さく出来ないので除いてほしいとのことでした。
 すごくたくさんあって、一度では積みきれませんでした。そして、積んだ割りばしを王子製紙に持って行きましたが、私は王子製紙の中に入ったのは初めてで、広くて大きい工場でおどろきしました。
 着いてから、割りばしを軽トラから下ろして重さをはかってメモをします。全部はかった後は、リサイクルの機械にどんどん入れていくそうですが、この日は担当の人が休みだったので、向井さんからの説明がありました。割り箸3ぜん(約12グラム)で葉書き一枚に、10キログラムならばティッシュボックス15箱に再生されるそうです。この日に私達が回収した割り箸の量は372キログラムでした。葉書きなら31,000枚に、また、ティッシュボックスなら558箱に生まれ変わるとの説明を聞いて本当にすごいと思いましました。
 割り箸を回収して紙に再生することは、森林を守る事にもつながり、地球温暖化防止にも役に立つなどとても大切なことであることを学びました。
 王子製紙には、全国から使用済みの割りばしが集められているそうです。米子の旅館からも集めてもらっているそうですが、フォークやビンのふたなど、リサイクルできない物がいろいろ入っているのも実際にみせてもらいました。これらはリサイクルできないだけじゃなくて、機械が壊れてしまうそうなので、分別することはとても大切なことだと思いました。
 これからも、分別に気をつけながら割りばしを集めたいです。


彦名町での割りばし回収

王子製紙で回収した割りばしを断裁処理

来日したロシアの皆さんと葉書きづくり                         

環境フェアーに参加して(5年 女子)
 8月22日(日)米子食品会館で環境フェアがありました。私たち『彦名地区チビツ子環境パトロール隊』は紙すきをしました。向井さんが用意した紙すきの用具を机上に並べ、牛乳パックと使用済み割り箸から作ったパルプを原料にして手作り葉書きをみなさんに作って頂きました。その方法は、網をはさんだ葉書き大の木枠をうすめたパルプ溶液の中にいれてすくい、水切りをします。その上に色紙をうちぬいた各種の花や自然のローズマリーやヨモギ、ススキの花など好きな模様になるように入れます。そして、その上に炉布を置き、上から枠板を手でギュット押して水切りをします。
 このときに、しっかり押さえて水切りを十分に行なっておくと、後のアイロンでの乾燥時間が短くなり、早く出来上がります。私は、紙すきをしたどの子にもしっかり押さえるように指導しました。そして、木枠からはずし、乾いたタオルにはさんで押さえ、水分をとります。これをさらに新聞紙にはさみ体重をかけて踏み、水分を取ります。その後はさんだ布上からにアイロンをかけて乾燥すれば出来上がりです。エコクラブの明子ちゃんとみなさんにわかりやすく教えてあげました。
 小さな自然の花や、型抜きされた色紙がうまく手作りの葉書きの中に入ってすてきな絵葉書が出来ました。向井さんは『世界で一つしかないすてきな葉書きが出来ましたね。その葉書きでおじいちゃん、おばぁちやんにお便り出してあげたら喜んでもらえるよ』と作った皆をほめていました。私もそう思いました。来場したこども達や大人の人もとても喜んで自分の作った葉書きを持ち帰っていました。

割りばしとリサイクル(5年 男子)
 僕たち「彦名地区チビッ子環境パトロール隊」は、中海の水質浄化や彦名町内の環境パトロールとともに割りばしリサイクルの運動にも取り組んできました。
 木は、木材になったり、紙の原料になったりするだけではなく、割りばしにもなっています。ということは、一度使った割りばしをそのまま捨ててしまうとそれだけの木が無駄になるということです。無駄に捨ててしまうのではなく、リサイクルをして紙として生き返らせませんか?紙や牛乳パックだけでなく、割りばしのリサイクルも進んだらいいなと思います。このことは資源を大切にする事で僕はとてもよいことだと思っていましたので、いろいろな草花や、色紙をきったり、打ち抜いたりしてそれを葉書きのもようとしていれ葉書きづくりをようと思っていました
 そして、9月26日は彦名公民館で牛乳パックからの葉書きづくりです。
 牛乳パックを10センチぐらいに切り、ふっとうしたお湯の中で15分くらいいれてにこみ、それを冷やしてから、牛乳パックの両面についているビニルのフイルムをはがします。はがした紙を小さく砕き、10分くらいミキサーにかけてどろどろにした白いパルプの溶液をたくさん作ります、このパルプ液を使って紙すきをしました。手づくりの葉書きには、花やハーブ、もみじの葉などや、折り紙をいろいろな形に切ったもの、打ち抜いたもの等を入れて葉書きづくりをしました。皆が工夫をしてとても素敵な葉書きづくりが出来ました。
 お父さんや、お母さんもてづくの葉書きづくりは始めての人ばかり。世界に一つしかないとてもすてきな葉書きに皆がとても喜んでくれました。

手づくり葉書き体験学習で指導(サポーター)
       8月22日(日)米子食品会館で開催された環境フェアーでチビッ子環境パトロール隊の子ども達と保護者で紙すきのお手伝いをしました。牛乳パックと割り箸から作ったパルプとを混ぜて原料としました。はがきにすきこむものには、花やハーブ、もみじやいちょうの葉の形を切り抜いた色紙を用意しました。
 会場はフリーマーケットやエコ商品の販売店、中海再生をテーマにした展示など様々な環境に関するコーナーがあり、大変なにぎわいでした。
紙すきコーナーも行列ができる人気で休む間もなく、説明をしたり、タオルや新聞紙を用意したり、アイロンをかけたりしました。子ども達もいきいきと来場者に対応をしていました。とても頼もしい姿を見ることができ、うれしく思いました。         
 「初めて紙すきをしました。こんなふうに紙はできるのですね。知識としては知っていましたが、はじめて体験しました。リサイクルの大切さが実感できました。ありがとうございました。」と、言われる参加者の方が何人もいらっしゃいました。忙しさも吹き飛ぶうれしい感想です。
 また、「自分でものを作ることが少なくなりました が、いいものですね。さっそく、友達に私が作ったのよと自慢します。ものを大切にしなければね。」と、言われる方もありました。
 この日は、午前10時から午後3時まで、大忙しでした。どの方にも喜んでいただき、環境保全活動の大切さを改めて実感していただくことができました。また、親子でともに汗を流して、参加者の方と温かくふれあうことができ、よい思い出となりました。
 テレビや新聞で環境問題を取り上げない日はありません。リサイクルや省エネ、ゴミの分別など自分でできる環境保全活動について知っているけれど実践となると、どうでしょうか。
 地球規模で考え、こつこつと実践していくことの大切さを実感した一日でした。



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