NO団体名主な企画内容
23 伊那市立伊那小学校6年文組(長野県) 「文組ドリームプロジェクト」
自分たちで開拓した畑で小麦を育て、石臼で粉を挽き、りんご等から作った酵母を種にパンをつくりあげる。皆の「パン作りの夢」に向けて「食」を一から作り上げる。

活動レポート2「今年こそ,鳥から小麦を守ろう!」

日 時:6月6日~11日
場 所:長野県伊那市
参加者:6年文組児童33名
活動報告

「自分たちで育てた麦でパンを作りたい。」という願いで小麦「ハナマンテン」を育てています。昨年は,収穫を目の前に鳥にほとんど食べられてしまったので,今年は「絶対に鳥から守りたい」という思いが強い子どもたちです。穂が黄色になり始めたので,この日,防鳥網を張ることになりました。小麦に直接網をかけても鳥が麦を食べられるので,麦と網の間に距離ができるように考えました。それは,棒を立てて,その先にペットボトルの空き容器を取り付けて,その上に網を被せることにしました。





「真ん中は,高い方がいいね」と,H子は長い棒を持って畑の真ん中へ行きました。「あれ,手が届かない。」「どうしよう。」と,真っ直ぐに立てた鉄の棒の先は,Hさんの頭のさらに上。「おれ,台になるからのって」と,四つん這いになり始めるT君。「それでも,打てないよ」とH子がいうと,それを見ていたKさんは,「肩車したら,どうかな。」と言い,「一番小さいAさんに上にのってもらうのはどう?」と言うやいなやAさんに向かって「Aさ~ん」と大きな声でAさんを呼びました。そして,Aさんに事情を説明しやってみることになりました。「うん,打てそう。」とAさんは,コンコンと音をさせながら,棒を打ち込んでいきました。周りにいた子どもたちも打ち込む様子を見つめ,打ち終わると満足気な表情で「いいね。」と語り合っていました。
 さて,いよいよ網張りです。網はコンパクトに小さくたたまれているので,広げるには十分気をつけないと,絡まってしまいます。慎重に広げていくことができました。端を持っていたNさんは「あれ,足りない。」と,網から小麦がはみ出てしまうことに気が付きました。9m×18mのサイズの大きさの網ですが,縦にも横にも伸びるので,多少の融通は利きます。「もう少し,こっちにこない。」声をかけてひっぱります。反対側で「ストップ,ストップ。」ともうこれ以上無理だという声が聞こえました。また,一つ問題の発生です。





小麦畑の反対側も別の網を広げられました。そっちも同じ問題が発生し,どうするか網を持ちながらみんなの問題になっていきました。「もっと広い網じゃないと・・・」「引っ張ってもこれが限界なんだよね。」と困っていると,「縦じゃなくて,横に2つ並べたらいいんじゃない?」とR君が提案しました。「縦なんか無理じゃないの。」という声も聞こえてきました。「この網,けっこう伸びるじゃん。」「試しにのばしてみよう。」ということになり,縦に伸ばしてみると,なんと畑の長さが入るまでの長さに伸びました。「うん,いけるかも」みんなの顔が急に明るくなりました。「真ん中ひもでしばってつなげちゃえばいいじゃん。」とIさんがいうと,「それいいねえ」ということになり,手の空いている人たちが短い紐を持って,網と網をつなげ始めました。そして,見事に畑の小麦は網を被せることができました。


網の張り方「横に2つ並べたらいいんじゃない?」