NO団体名主な企画内容
21 駒ケ根市立中沢小学校 4年(長野県) 「お蚕様を育てて命をいただいて物をつくろう!!」
地域の伝統産業である養蚕を教科学習と関連付けて学び、体験の成果を学校新聞で地域に発信。蚕の飼育、餌となる桑の栽培、育てた蚕の繭で真綿のエコカイロ等を作る体験で、ふるさとへの理解を深める。

速報レポート10 中沢小学校 4年 繭ができて、その先を・・・

日時 7月17日(水)19日(金)
場所 中沢小学校4年教室
参加者 児童18名 指導者1名 計19名
活動目的

 お蚕様の作った繭を、また繭を作ってくれたお蚕様を、どうするか考え、目的としていた工作につなげる。

活動内容

 シルクミュージアムの竹内さんに教えてもらった、繭になったお蚕様の繭をいただくいくつかの方法を整理して、自分のお蚕様からどのように繭をいただくか考える。

 繭になったのでここからはお楽しみの、目的だった工作!!ですが、ここでその先を考える必要が出てきました。お蚕様が作った繭を使っていろいろクラフトを楽しむためには(1)自然な羽化を待ち、その後繭をいただく。
 ○お蚕様の自然な成長を観察できる。
 ●羽化するとき、おしっこをするが、その色やニオイは洗っても落ちない。
(2)さなぎに気をつけて繭を切り、中のさなぎは別の箱に保管し育て、繭はいただく。
 ○さなぎも生かすことができ、クラフトも出来る。
 ●繭を切るので、糸取りは出来ない。また、クラフトも工夫が必要。
(3)冷凍庫に入れたり、熱湯に入れて、お蚕様の命をいただき繭をいただく(養蚕農家)
 ○繭が自由に使える。
 ●大切に育ててきたお蚕様の命をいただかなくてはならない。
3つの方法が考えられるとのことでした。
 お蚕様を飼い始めるときは軽く考えていた繭での工作…でも、毎日お世話してきた今は、命の重み、繭に対する重みを感じます。命と向き合う場面、(2)~(3) + いろいろな情報を考えながら、今回は一人一人に選択させたいと考えました。全員で意見を出し合い、出てきた問題点、「殺すのが嫌と言っても、全部賀にして交尾させたら、生まれた卵は何万個、それを全部育てるなんてできないから、今度は赤ちゃんを殺すことになる」などの話合いを経て、最終決定しました。子どもたちの話し合いは真剣そのものでした。
 (1)については、学習として繭を作る段階で汚れてしまったものがあったので、それを使い、全員で観察することに決まりました。
 (2)と(3)については個人の自由。ただし、交尾させて卵を産ませるのは4組として、残りはかわいそうだけど雄雌分けて蛾にする事にしました。

A・K ぼくは、交尾をさせてたくさん卵を産ませて、二代目がたくさん生まれるといい。だから、まゆを切ってさなぎを出してやる方法(2)が良いと思う。そうすれば工作なども出来るのでいい。 → (2)にするが、交尾させるのと分ける のにして育てることのできる数、卵を産ませたい。
I・K ぼくは、蚕は死んでしまうけど、工作したいので(3)を選びます。 → 変わらず。
I・Y 私は、(2)の方法を選びたい。クッションを作りたい。 → (2)にして雌雄分ける。
O・Y まゆをつかっていろいろな工作をしたいので、かいこの命をもらって冷凍したりして、工作したいです。(糸取りでの工作体験あり) → (3)
O・T ぼくは、工作や糸取りをしたい。だけどせっかく飼ったかいこを殺すのは嫌だから糸とりは仕方なくやめて、工作をすることに決めた。このまま一匹も死なずに元気で育ってほしい。   → (2)を7匹と(3)を6匹にする。
K・S 私は(2)にしたい。わけは、(1)は最初からみられるけど、工作には使えないし、(3)は、丸ごと繭を使ってあげられるけど殺すのは嫌だからです。→ (3)を2匹と残りはやっぱり(2)にする。
K・H わたしは(2)がいいと思った。(1)は工作に使えなくなってしまうし、(3)は煮たりなんてできないから・・・ → 交尾して卵を産むしか蛾になるとできないのに、それをさせることができないなら (2)3匹(3)9匹にする。
K・I (2)を5匹、(3)を6匹。いいクラフトに出来るといい。 → (2)2匹 残りは(3)で
K・M 私は(2)と(3)がいい。(2)は工作が出来るし蛾にもなれるから。(3)はかいこが死んでしまうけど糸取りが出来るから。早く工作がしたい。 → (2)を二匹、残りは(3)で
K・Y 蛾がきれいな卵を産んで死ぬけど、卵はあるからちゃんとお世話したい。きれいな蛾になってほしい。 → 全部(3)にする
S・S ぼくは、まゆを切って、蛾に上手にうまれてほしい。 → 全部(2)にして、雌雄分ける。
T・A 私は(2)と(3)にしたい。でも3番はかわいそうだし、特に糸を取りたいというわけではないので、(3)は二個ぐらいにしたい。 → (2)を4匹残りは(3)
T・S ぼくは工作が出来て、蛾に少しだけしたい。…命をいただかないと糸はとれないし…後、蛾は500個も卵を産むので、そこも考えないといけないと思う。
     → それでも全部(2) 自然に任せたい。
T・T 私は、さなぎは出してクッションを作りたい。でもクッションを作るのに8 個もまゆがいるから…。 2匹(2)にして、残りは(3)に
H・K ぼくは、(2)の方法がいい。理由は、さなぎの蚕を羽化させて交尾させて卵も産ませられるし、のこったまゆを工作にも使えるからです。かいこがいい卵を産んでほしいです。
    →(3)を5匹、(2)を4匹
H・Y 私は、かわいそうだけど冷凍庫に入れて命をいただきたい。わけは、そんな200匹のかいこのお世話が出来ないのでそうするしかない。そのかわりに記念に何か作り、お墓もつくってあげたい。 → (3)に
M・H ぼくは、(2)を8匹に、(3)を5匹にします。 →(2)を7匹 (3)を6匹
Y・S 私は(2)と(3)がいい。(3)は蚕から命をいただくのは悲しいけど、卵が病気になっているといけないので、(3)がいいと思いました。  (2)を2匹残りを(3)

活動の成果と課題

 自分の手で育ててきたお蚕様の命を考えるので、真剣の取り組むことが出来た。
 命をいただくのは当然かわいそう、けれど、お蚕様は蛾になっても飲んだり食べたりは出来ず、空も飛べず、交尾して卵を産むと徐々に弱って死んでいく。自分たちの手で生まれた卵を全てお蚕様にして育てることなど出来るはずがないという葛藤がうまれる場面で、良い話し合いが出来た。



速報レポート1
速報レポート2 繭を使った工作を体験してみよう
速報レポート3 蚕を育てて・・・
速報レポート4 蚕を育てて・・・
速報レポート5
速報レポート6
速報レポート7 中沢小学校 4年 お蚕様を育てて+新聞記事
速報レポート8 中沢小学校 4年 お蚕様「シルクミュージアムで学ぼう・教えてもらおう」
速報レポート9 中沢小学校 4年 お蚕様が繭を作ってくれた
速報レポート10 中沢小学校 4年 繭ができて、その先を・・・
速報レポート11 繭を処理したよ
速報レポート12 お蚕様を育てたことを詩にしたよ
速報レポート13 養蚕農家見学
速報レポート14 お蚕様の羽化・交尾
速報レポート(15) 中沢小学校 4年 2学期 活動計画をたてよう
速報レポート16 中沢小学校 4年 真綿のうちわを作ろう
速報レポート(17) 中沢小学校 4年 2回目のお蚕様の飼育始めました
速報レポート18 中沢小学校 4年 お蚕様の絵を描こう
速報レポート19 中沢小学校 4年 お蚕様を知る旅
速報レポート20 中沢小学校 4年 お蚕様の学習を発表したよ

プログラム検索に戻る