NO団体名主な企画内容
37 西宮市立山口中学校モリアオガエル保存会(兵庫県) 「「ナチュラルウォッチャーになろう!」~モリアオガエルがつなぐ 地域の自然と人・街・未来~」
モリアオガエルについて、ため池での観察や学校ビオトープでの野外飼育研究などで学び、ため池の保全・維持活動を行う。活動を通して、自然環境の現状を知り、今後のあり方について継続的に展望する「ナチュラルウォッチャー」を育成する。

速報レポート2 森のメレンゲを見つけよう! その2

活動日: 2024年 6月2日(日)
活動場所: 西宮市立山口中学校、 西宮市山口町中野地区の池
参加人数: 小中学生 19人 / 大人  3人 / 指導者  2人 / 合計 24人

<活動内容>
飼育小屋である「モリアオさん家」の水槽準備とため池での卵塊採集

 卵塊採集第二弾! 今回は、西宮市内最大の校区を持つ 、山口中学校の地の果て「船坂地区」まで向かいます。 有馬温泉にほど近い、山奥にある連続した4つの池に卵塊を探しに行きました。 西宮市を南北に走る「さくらやまなみバス」を利用しても、片道約20分、 そこから徒歩で15分ほどかかります。 今回は前回のメンバーに加えて大幅にメンバーが変わり、初めての卵塊採集を行う生徒が多くいました。



 森に入ると、池の奥で早速卵塊を発見!健脚の運動部チームが、我先にと採集道具を片手に、ぬかるんだ池のヘリを突き進んでいきました。池のヘリには“イノシシのお風呂”である「ヌタ場」があり、イノシシもこの池を利用していることがわかりました。今回、一緒に参加しいてくれたニュージーランド出身のA L Tの先生が「イノシシに会いたかった・・・」と残念がっていましたが、もしも出くわしてしまったら池に立ち入ることができません。この船坂地区は、六甲山系の東部に位置しており、毎年イノシシとの接触被害や、農作物の被害が出ています。ぬかるみには数日前に通過したと見られる足跡も残っていました。



 今日見つけた卵塊はかなり低い位置にあって、作業がはかどりました。 去年の経験者である2年生が、手際よく卵塊を採集し、初めて参加した1年生たちから羨望の眼差しを浴びていました。池の中の生物調査を行いました。網には「アブラハヤ」がかかり、たくさんのアカハライモリも採集できました。モリアオガエルの保存活動が始まったきっかけは、卵塊から落ちたオタマジャクシを天敵であるアカハライモリが、すぐに食べてしまうことがわかったからでした。しかし、現在では、このアカハライモリも、モリアオガエルと同じ兵庫県のレッドリストII類に分類されてしまいました。彼らの保護のためにも、バランスの良いモリアオガエルの保存活動が必要となっています。





 今年から温度・湿度計のデータローガーを設置しました。飼育小屋である「モリアオさん家」の環境が少しでも池の環境と同じようになり、あまり負荷をかけない状態でモリアオガエルの飼育活動を進めるためには、池の環境を把握する必要があるためです。この1台で24時間、3ヶ月分のデーターを記録して、その内容はエクセルデータとしてタブレットに転送することができます。



 ため池のほとんどは、私有地にあります。この船坂地区の池は、資材置き場の奥にあるため、必ず資材置き場のゲートをくぐって、作業場の従業員の方とすれ違うことになります。いつも「おー!カエルさんか?ご苦労さんやな。」と声をかけていただき、地域の理解、土地の持ち主の理解があってこそ、この活動が成り立っているのだと実感します。梅雨入り前の、大変日差しの暑い日でしたが、たくさんの生徒が人と自然との営みについて学ぶことができました。



 今回は規定数の卵塊が採集できなかったため、同じ船坂地区にある別の池にも足を運んで卵塊を採集しました。雨上がりのため池には、たくさんの卵塊がぶら下がっていて、この活動のおかげで今年も卵塊が維持されていることがわかりました。



 急な雨に見舞われましたが、モリアオガエルや卵塊にとっては「恵みの雨」です。今回採集した卵塊のうち1つは、モリアオさん家の裏に3年前作った「ビオトープ池」のサクラの木に吊るし、自然環境下でどのように生育するかを実験することにしました。人工飼育と、かつて30年以上前に行われていた野外飼育との比較を行うためです。30年前はコンクリートで作った人工池でほうれん草を湯がいたものを与えていましたが、今では人間のベビーフード(チキンライス味)を与えています。餌を与えず、どこまで成長するか楽しみです。




<子どもたちの感想>
1年生
 この池にイノシシがいる!と聞いて驚きました。イノシシは山の中にいるとは思っていましたが、池を利用しているとは知りませんでした。モリアオガエルの生態を知りたくて参加しましたが、アカハライモリやイノシシや興味が他にもわいてきました。夏休みの自由研究でぜひ研究してみたいと思います。
2年生
 去年に比べて、卵塊の数が少ないことが気になりました。梅雨に入っていないことも理由であるのかもしれませんが、4つの池のうち1つの池が土砂の流れ込みで壊滅状態。このままでは池がなくなってしまうのではないかと心配です。なんとかならないのでしょうか?
3年生
 受験勉強よりもモリボラ(モリアオガエル保存会ボランティアの略)がやっぱり最高です!今年も卵塊があって安心しました。時間を見つけてまたいきます!



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