NO団体名主な企画内容
37 西宮市立山口中学校モリアオガエル保存会(兵庫県) 「「ナチュラルウォッチャーになろう!」~モリアオガエルがつなぐ 地域の自然と人・街・未来~」
モリアオガエルについて、ため池での観察や学校ビオトープでの野外飼育研究などで学び、ため池の保全・維持活動を行う。活動を通して、自然環境の現状を知り、今後のあり方について継続的に展望する「ナチュラルウォッチャー」を育成する。

速報レポート5 オタマジャクシを森へ帰そう!ーため池の役割とはー

活動日: 2024年 6月22日(土)
活動場所: 西宮市立山口中学校、 西宮市山口町中野地区の池
参加人数: 小中学生 7人 / 大人  4人 / 指導者  2人 / 合計 13人

<活動内容>
オタマジャクシを森へ帰す放池作業と、ため池の保全活動

 中学校のすぐ近くにある「郷土資料館」から、この地域の農家でもあり、池のスペシャリストをお招きして、池の壁面補修を含めた、「放池(ほうち)オタマジャクシを池に戻すこと」を行いました。まずは、1ヶ月経って成長したオタマジャクシの数を数えるところから始まります。右手に水網、左手にカウンターを持って数えていきます。水槽の隅々まで探して1つの水槽あたり300匹程度のオタマジャクシが無事成長していました。




 元のため池に向かい、みんなで見守りながら代表生徒がバケツを傾け、オタマジャクシたちをそっと水面に流していきます。別れを惜しみながら、でもまた、必ずここに帰ってきてねという願いを込めて、1ヶ月間の飼育活動を思い出しながらのお別れです。再会を約束した後、ある卵塊が木に絡まっていることを小学生が見つけ、「自分でなんとかしたい!」という申し出があったので、一緒に来ていた高校生のお兄ちゃんと卵塊採集をしました。まだ孵化には時間がかかるものであったため、水面上の他の枝に吊るし、ほっと一息つきました。




 やはり、心配していた事態が現実となってしまいました。去年の活動で塞いだはずの池側面の穴が、さらに大きく開いていたのです。池のスペシャリストに聞くと、「去年の土嚢は土嚢袋に砂を直接入れてしまったために、水流が土嚢袋の中の土を少しずつ溶かして、結局穴が空いてしまう原因になっている。」とのことでした。そこで、今回は5年間耐用年数のある黒色の土嚢袋を60袋用意して、順番に詰めていく作業を行いました。全員汗だくにありましたが、少しずつ水位が戻っていく様子を見て安心しました。たまたま作業を休憩していた生徒が「あ!メスのモリアオガエルがいる!」と叫んでくれて思わず写真を撮りました。夜行性のモリアオガエルのメスを発見することは稀で、池の修理のお礼に現れてくれたようでした。




 今回の参加者です。少し少なめでしたが、全員で土嚢を詰めたことは思い出に残りそうです。また、センサーカメラを3台購入していたので、生徒が思い思いの池の木に設置しました。数日後のカメラの写真を見て驚きました。なんと、アライグマが木登りをしているところが発見されたからです。さらに、おそらくモリアオガエルと思われるカエルを加えて木を降りてくるアライグマが発見されました。ため池の天敵として、新たにアライグマが加入することになりました。





<子どもたちの感想>
1年生
 水槽からオタマジャクシをすくいあげて数える作業は腰が痛くて大変でした。最後、ちょっと悲しくなりましたが、また来年ここで会えるような気がして、もっと頑張ろうと思いました。

小学生
 卵塊はふわふわしていて、ねちょっとなったのでビックリしました。オタマジャクシを助けることができてよかったです。

池のスペシャリスト
 今回の作業はあくまで簡易な「復旧作業」なので、本格的に矢板を立てるなどして根本的な修復作業が必要です。池の管理者が行うことなので、保存会ができる活動としてはここまでが限界でしょう。池の持ち主が高齢だと聞いているので、地域の農会や地権者が協力する必要があります。



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