NO団体名主な企画内容
37 西宮市立山口中学校モリアオガエル保存会(兵庫県) 「「ナチュラルウォッチャーになろう!」~モリアオガエルがつなぐ 地域の自然と人・街・未来~」
モリアオガエルについて、ため池での観察や学校ビオトープでの野外飼育研究などで学び、ため池の保全・維持活動を行う。活動を通して、自然環境の現状を知り、今後のあり方について継続的に展望する「ナチュラルウォッチャー」を育成する。

速報レポート10 ため池の役割~ナチュラルウォッチャーになろう~

活動日: 2024年 7月28日(日)
活動場所: 西宮市立山口中学校、 西宮市山口町中野地区の池
参加人数: 小中学生 5人 / 大人  1人 / 指導者  1人 / 合計 7人

<活動内容>
発信器による行動範囲調査、ウシガエルの駆除、生物調査

 猛暑日となったこの日は、小中学生の参加が最も少ない開催となりました。今回でしばらく9月下旬まで企画は一旦お休みになります。卵塊も見られなくなり、モリアオガエルがいよいよ森に帰っていく時期となりました。まずは飼育小屋である「モリアオさん家」周辺の草刈りと池整備です。周りの生き物調査をしていると、参加している生徒から「あ!これってひょっとしてモリアオガエル!?」と大きな声が上がりました。アマガエルほどの大きさではありましたが、アマガエルの子どもにしては明らかにでかい。さらに、目の横に黒い筋がないことからモリアオガエルであることが決定しました。屋外で卵塊から育ったものが、いよいよ上陸していました。




 池に行くと、このところ全く雨が降っていないので、前回よりも更に水位が低くなり、オタマジャクシも苦しそうに狭い水中を行き来していました。水網を入れて調べていたら、ここでもモリアオガエルの幼い成体が、葉っぱに擬態しているのを生徒が発見しました。この個体は少し目の横に黒い筋がありましたが、モリアオガエルの生態には個体差があるため、生徒達は「同じ種類でも違うんですね」と感心していました。





 更に、再びカスミサンショウウオの生態も発見。これで確実に、この池で絶滅危惧種が4種類育っていることが分かりました。今年の大きな発見として関係機関に報告する予定です。



 また、行動調査第2弾として、更に2匹のオスに発信器を取り付けて放しました。今までの論文によると、行動範囲は最大でも200m位という発表でしたが、今回の調査では500m離れた場所で発信器の応答があり、森の中で活発にモリアオガエルが動き回っている様子が分かりました。お盆明けまでこの調査は有志で続けられます。



 発信器の調査途中で、側溝に面白い構造物を見つけました。カエルなどの小動物が誤って側溝に落ちてしまうと、上にはい上がれなくなってしまい死んでしまうことを避けるために作られた階段状のスロープです。有馬温泉に抜けるこの路は、新しくバイパス道としてできた最近の路であることや、周辺の生物を守るために工夫されていることを発見してみんなで喜びました。



 池の奥の方で、今年最後になるだろう卵塊を1つだけ発見しました。一番最後にこのため池を後にするまで、約1ヶ月。その頃にはもうほとんどの仲間は森に帰っています。時期をずらしたり、場所を選んだり、生き物が独自のサバイバル術で生き残る方法尾を選んでいることに、生徒達は目を輝かせていました。



<子どもたちの感想>

・ため池で初めて、大人になったばかりのモリアオガエルを発見しました。学校で見ていたときの大きさと全然違ってめっちゃ大きかったです。尻尾がまだ残っていてかわいかったです。大きくなるまで、天敵に食べられないように頑張って欲しいです。
・道路横の溝に階段があるなんて、今まで知りませんでした。人間の活動が全て悪いとは言わないけど、お互いに協力できるような関係になればいいなと思いました。



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