速報レポート3 「コリドーってなんだ!?」ビオトープの観察活動日: 2024年 6月8日(土)
活動場所: 西宮市立山口中学校、 西宮市山口町中野地区の池 参加人数: 小中学生 9人 / 大人 2人 / 指導者 2人 / 合計 13人 <活動内容> 今回の参加者は少人数でしたが、地域の小学校から4名の参加がありました。部活動の大会や模試の関係で3年生の参加がありませんでしたが、1、2年生がよく頑張って作業を進めてくれました。特に、今回の作業は雨の中での活動となってしまったため、動きに制限がありました。本当であれば、小学生の子達にも一緒に卵塊採集のお手伝いをしてもらうのですが、今回はちびっこすぎたので、見学をしてもらいました。後ろから「がんばれー!」と応援してくれる姿がとても印象的でした。中学生のお兄さんたちは、いつになく張り切って活動しているように見えました。 今回のテーマは「コリドーってなんだ!?」でしたが、雨の中講義するのは厳しかったため、明日の活動での開催に変更しました。そのため、池周辺の観察がよくできたのですが、恐れていたことが起きてしまいました。前回来た時には小さかったため池の壁面の穴が、かなり大きくなっていたことです。いよいよ次回は池の専門家を招いて、池の修復作業を行います。明けの中の作業は危険なため、今回は卵塊採集だけとしました。そんな中、中学生が採集した卵塊が池に落ちてしまいました。緊急救出しましたが、よくみてみると、卵塊の中ではもうすでに卵から孵化したオタマジャクシでいっぱいになっていました。そこで!参加できず、みているだけの小学生のちびっ子たちに、ため池の中にオタマジャクシを放してもらう作業「放池(ほうち)」を手伝ってもらいました。時間が経過して、少し黄ばんだメレンゲの中には300匹余りのオタマジャクシがうじゃうじゃ。怖がるそぶりもなく、ちびっ子たちは丁寧に池に、オタマジャクシ達をため池に送り届けてくれました。中学生のお兄さんが、夢中になっているちびっ子を池にハマらせまいと必死に支えてくれていました。 前回取り付けた温度計の異変に生徒が気づきました。「先生、前来た時と湿度が変わらず98%です。おかしくないですか?」と質問してくれたことで発覚しました。小型のタッパをくり抜いて作った即席の装置では湿度がこもっていることがわかり、急きょ吊り下げ式に切り替えました。これで、正確な池周辺の温度、湿度の計測ができると思います。生徒の小さな気づきに助かりました。 さらに!大変な発見をしました!ある生徒が差し込んだ網の中に“ウーパールーパー”が見つかったのです!それも3匹。小屋に戻り、図鑑で調べてみましたが、最初は「アカハライモリ」の幼生だと考えていましたが、両生類の専門家に問い合わせたところ「セトウチサンショウウオ(旧カスミサンショウウオ)」だと判明しました!兵庫県のレッドリストII類に分類され、これでため池の絶滅危惧種は4種類(モリアオガエル、アカハライモリ、シャジクモ、セトウチサンショウウオ)となりました。大発見です!ますますこのため池を保存する必要性が高まりました。 採集した卵塊をいつも通り飼育小屋である「モリアオさん家」に吊して飼育活動の開始です。実はこの活動には普段学校に来られない不登校生徒も数人参加しています。学校での活動は苦手でも、カエルの活動となると目の色を変えて活動してくれます。この活動が、地域の自然を見守る「ナチュラルウォッチャー」を育成するだけでなく、自然体験を通じて生徒の心の癒しや、心の耕しになっていることを感じています。かけがえのない自然が自分の住む地域に身近であること。でも、その環境が知らないうちに刻一刻と変化して失われようとしていることを、私たちはモリアオガエルから教えてもらっていることを忘れてはいけないと感じた日でした。 <子どもたちの感想> 1年生 速報レポート1 森のメレンゲを見つけよう! その1 速報レポート2 森のメレンゲを見つけよう! その2 速報レポート3 「コリドーってなんだ!?」ビオトープの観察 速報レポート4 「感動!山口町で見られる3種類のホタル」 速報レポート5 オタマジャクシを森へ帰そう!ーため池の役割とはー 速報レポート6 緑をつなぐ、3つのビオトープを見に行こう! 速報レポート7 オタマジャクシを森へ帰そう!―池が危ない!?― 速報レポート8 オタマジャクシを森へ帰そう!―モリアオガエルの行動範囲を探る― 速報レポート9 オタマジャクシを森へ帰そう!-モリアオガエルの行動範囲を探る-2- 速報レポート10 ため池の役割~ナチュラルウォッチャーになろう~ 速報レポート11 「ワークショップ インセクトホテルを作ろう!-1」 速報レポート12 「ワークショップ インセクトホテルを作ろう!-2」 プログラム検索に戻る |