NO団体名主な企画内容
32 京都市立醍醐西小学校(京都府) 「長期宿泊・自然体験学習 5泊6日in花背」
子どもたちの生活習慣確立に効果のある生活体験活動を重視したプログラム。「自給自足」をモットーに活動を行うため、事前に半年間かけて野菜を育てキャンプに挑む。

第3日目 「工夫」

日時:9/9(木)
第3日目朝

 夜中に台風が通過して,さわやかな朝をむかえました。起床時間の6時前には,寝袋を丸めて朝食準備のため,テントサイトに向かう子どもたちを見つけて,裏方のスタッフはあわてて朝食(野外炊事4)の食材を準備をして配給場所に起きました。
 第3日目のモットーは「工夫」です。自分たちのテントサイト,活動場所をより快適に過ごせるよう工夫してほしいのです。また,野外炊事も定番メニューでなくオリジナルメニューであるため,作り方等は班まかせで工夫してほしいのです。また,今日は班付きお兄さん,お姉さんの疲れも考えて班から離れて子どもたちだけで活動する時間も設定しています。さてどうなることやら。




朝食(野外炊事4)

 今朝の朝食は,ベーコン・エッグにカットパン,コーンスープ,牛乳です。
 ベーコン・エッグは各班工夫して作りました。ベーコンを細かく切ってスクランブルエッグに混ぜたり,ベーコンと卵を別々に炒めて盛りつけたり,パンをフライパンで焼いたり等々よく考えていました。食後の朝の集いの表彰式では「工夫したで賞」の木メダルがたくさんでました。

川下りへ出発

 野営キャンプ地の八桝小学校の下には川が流れています。8月いっぱい鮎やアマゴ・イワナを求めて渓流釣りでにぎわうきれいな川です。9月に入り解禁漁が終わったので,自由に川に入って遊べます。   
 野営地から上流約1㎞川上に川幅も広く,ボート遊びもできるポイントがあります。気温は26℃,水温は21℃と最高の条件で川下り・遊びに出発しました。先発隊が準備に行った時に,1メートル以上の「オオサンショウウオ」が泳いでいてビックリ仰天でした。
 子どもたちは,ライフジャケットを身につけて,冷たい川に恐る恐る入っていきましたが,入ったとたん水を得たカッパのごとく,歓声を上げはしゃぎまわりました。こんな経験は生まれて初めての経験であり,今後もなかなかできないことなので時間を忘れて楽しみました。自然のすばらしさを体感できた活動になりました。




昼食(野外炊事5)

 川下り・遊びを堪能した後,野営キャンプ地に戻って昼食タイム。簡易野外炊事で「きつねうどん」と「ゆでトウモロコシ」を作り食べました。トウモロコシについては今年の自給自足というテーマから,4月から取り組んできた野菜作りの収穫物(実際には収穫時期が早かったので,代変え品を用意)を使用しました。
 この昼食時にも3日目のモットーである「工夫」が見られました。食器にラップを敷き,洗い物を少なくしたり,キッチンペーパーで食器を拭いてから洗ったりするという節約(エコ)の工夫が子どもたちから出てきました。

午睡タイム

 キャンプ3日で疲れが貯まり,無理をすれば大きな怪我や病気につながることを懸念して,強制的に午睡タイム(昼寝タイム)を設けました。学生スタッフも子どもたちから離れて,ぐっすり昼寝をしました。

サバイバルゲーム(火起こし体験)

 午後からのプログラムはサバイバルゲーム(火起こし体験)です。「まいぎり式」「火打ち石」の2つの方法で火をつける活動をしました。昨日までの雨で木が湿っていて,まいぎり式は煙がでるところまでしかできませんでしたが,火打ち石方式では見事に火口に火種をつける子どもたちがいて歓声をあげていました。




ドラム缶風呂&テント設営

 サバイバルゲームと平行して,ドラム缶風呂,そして前日台風で設置できなかったテントを班ごとに同時進行で行いスタッフはきりきり舞いでした。しかし,少しでも子どもたちに未知の経験・体験をさせたいという思いでがんばってくれました。スタッフに「木メダル進呈!」

夕食(野外炊事6)

 野営キャンプ(旧八桝小学校)最後の夜の夕食は,班ごとに豪華なバーベキューパーティーです。
 お肉,海鮮物は注文しましたが、野菜類はもちろん「自給自足」で育てた野菜を使用します。大きさにばらつきがあったり,形が悪かったりと見栄えはよくないですが,学校で育てて持ってきたカボチャ,ピーマン,タマネギ,キャベツ等を子どもたちは一つ一つていねいに皮をむいたり切ったりして用意しました。




キャンドルファイヤー

 3日目の夜,鹿やタヌキが毎夜のように目撃される静かな八桝の夜の活動は,「キャンドルファイヤー」です。切り株で作られた燭台に57本のローソクが立てられ厳かなムードではじまりました。キャンプ長の校長先生が点火の儀式で燭台の真ん中に「友情の火」「団結の火」「奉仕の火」「愛の火」の4つの火が灯されました。57名の子どもたち一人一人が4つの火から分火し57本のローソクに火が灯りました。
 毎年のことですが,3日目の夜になると子どもたちの成長(変容)が見られるようになってきます。今まで手もつなげなかった男女が肩を組んだり腕を組んだりして楽しくゲームや踊りを楽しんでいます。学校では考えられない光景です。何がそうさせるのでしょうか?自然の中での協同生活(キャンプ),またキャンプファイヤーやキャンドルファイヤーには,対人関係や仲間意識を向上させる不思議な要因があるのは確かです。

 キャンドルファイヤーの後,学生のお兄さんが大学の実習のため山を下りることになりました。班別ミーティングの前に簡単にお別れ式をしたのですが,子どもたち数人が泣き出してしまいました。この光景も子どもたちが成長した証しなのでしょうか?