NO団体名主な企画内容
47 宇城市立青海小学校(熊本県) 「ふるさとを愛し、豊かな心を育む体験活動 〜サトウキビ栽培から黒砂糖作りまでの全過程の取組を通して〜」
教育目標である、「ふるさとを愛し、夢に向かって頑張る子どもの育成」を目指した総合学習。ふるさとの産業の歴史や伝統文化について語れることができるように、30年前から続いている活動である。

速報レポート2 「豪雨の予報だったが、サトウキビ畑の草取り決行!」

日時   7月14日(木)8:50〜10:30
場所 サトウキビ畑 
参加人数 小学生(3〜6年生 64人 学校職員8人 保護者15人 地域の方2人)
今回の活動の目的

  • 頑張る子どもの育成(今回は特に土に汚れても耐える力の育成)
  • 体験学習による自然理解(今回は特に天候と人間の営みの理解)
  • 保護者・地域の方々との交流、温かい仲間づくりを基本にした勤労教育の推進
  • 地域振興のために子どもたちの未来を考え、よりよい地域環境をつくために、大人が力を合わせる。

活動内容

  • 草取り
  • 生育状況の観察(サトウキビは平均1.5メートル程度に育っている)

 作物を育てるための重要な過程を子どもたちに体感させる。単に観察するだけではなく、草取りを行うことで、土や草のにおいを実感し、植物の命を感じ取らせることができる。困難な中での除草作業を通して、サトウキビの育成への思いも強まる。

活動の流れ

前日、そして、深夜からの雨、気象庁の予報では、とても実施できない。しかし、雲の流れが変わった。実施できる。(サトウキビ畑で考える青海小学校高瀬PTA会長)

PTA会長から「除草作業は実施できます。」との連絡を受けた。教育活動として、条件の悪い中での体験活動の意味は大きいと判断した。保護者にメール配信し、学校では子どもたちに準備をさせた。学校の中庭に集合し、出発前の健康状態などを確認した。集合時に雨が降り出し、心配したがすぐにやんだ。並んでサトウキビ畑へ向かう。2分で到着。

1 PTA会長挨拶・校長挨拶・引率職員指導など
雨が降り、足下がぬかるんで、滑りやすいので、けがをしないように注意しよう。サトウキビがけっこう伸びたので、倒さないように気をつけよう。みんなで力を合わせて除草しよう。畑に入るときに気をつける。昨日は、すぐ近くに毒蛇のマムシが出たので、見つけたらすぐに大人に知らせてほしい。

2 実働
気象庁の予報で判断すると、本日の草取りは難しく、延期と考えていたが、雲の流れが変わり、可能になった。保護者も都合がついた方だけ、15名が参加した。保護者はPTA会長を中心に早朝から集合し、水がたまったところなど、子どもの手では危ないところなどの一部だけを先に刈り取る作業を実施した。子どもたちは保護者・地域の方に挨拶して、一斉に畑の中に入って除草を開始した。子どもたちは、足もとが滑る中、上手に草取りを始めた。土が水分を含んで、草が抜きやすくなっていて、「晴れたときより抜きやすい。」など、子どもたちは体験として学び、辛い条件の中ではあったが、作業は順調に進んだ。草の量も、梅雨時期でかなりの量となり、また、草を運ぶときに、土が服にもつき、手は泥だらけとなり、労力もかなり必要となった。しかし、子どもたちは、楽しむように作業を進め、「先生、サトウキビの根元にキノコが生えています。」とか、「おもしろい虫がいました。」とか、小さな発見も楽しんでいた。サトウキビの葉にカニがしがみついて、その甲羅がちょうど笑ったように見え、子どもたちが「笑うカニ」(写真は本レポートの他、学校通信にも掲載)と言って喜んでいた。サトウキビ畑での作業には慣れている子どもたちも、いつもとは違う困難な条件の中で、ちょっとした楽しみを見つけて、作業を進めることができた。しっかりと土のにおい、植物・自然のにおいを感じていた。男の子も女の子も、満足感をもって、笑顔で作業を終えた。


子どもたちが入る前に、安全確認。マムシはいないか?

見てください。こんなにとれました!土がやわらかくて、草はどんどん抜けます。

サトウキビを踏まないように、足もとに気を付けて、草を運ぶ。


ぬかるみに気を付けて。そこ、注意して。下を見ながら動く。

草の山をつくろう!もっともってこよう。

いち、に、さん、それ!もっと高く。


たいへんです。サトウキビの根に、キノコが生えています。(発見は大切な学習ですね。)

みんなの力で除草できました。終了です。





手は真っ黒。みんな、汗まみれ、土まみれでがんばった。
 
土のにおい
草のにおい
生き物のにおい
命を感じます



この「顔」も報告しなければならない。活動の途中に見つかった小さな「笑うカニ」。子どもたちも、大人もびっくり。カニは今の時期、学校の校舎の中にも入ってくる。珍しくもない。しかし、このカニの甲羅(1センチ四方)の表情に、みんな笑顔。自然に見守られ、たくましく育つ青海っ子を祝福してくれているという思いになった。

3 子ども代表が保護者・地域の方へ挨拶
草を運ぶのが大変でした。汚れたけど、みんなで力を合わせて草を取ることができました。けっこう楽しかったです。ありがとうございました。

4 PTA会長挨拶・校長挨拶・引率職員指導など
天気がなんとかもって、今日、除草できてよかったと思います。しっかりサトウキビが育つと思います。よく頑張りました。学校に帰って、汚れを落としてください。


さあ、学校へ帰ろう。疲れたけれど、楽しかったね。

無事終了しました。ありがとうございました。(PTA会長より)

帰校後、道具などの洗浄、着替えなど行った。天候がよいときと違い、軍手や長靴や用具、また、自分の手や足や顔についた土の汚れを落とすのに、けっこう時間がかかった。しかし、それもまた、素敵な笑顔がたくさん見られる学習になった。


手、足、靴、顔、etc。洗うところいっぱい。除草よりたいへんです。

大サービスです。が、すでに長靴の中は水浸しです。

さあ、これを洗ったら、授業を頑張ろう。


(水路の流れを利用して洗っているのですか?)はい、動かないでいいので、楽です。

 
さあ、次の授業へ。もうちょっと頑張れば、給食だ!

活動を終えて 自然現象と人間は、関わり合って生きていることを子どもたちはしっかりと実感できた活動だった。雨が多いとサトウキビだけではなく、草も伸びる。伸びた草の様子もしっかりと観察することができた。そのことで、土からの養分がたくさん草に取られることなども、子どもたちは体で学ぶことができた。今回は、子どもたちはもちろん泥だらけで、子どもたちのためとはいえ、保護者の方々も学校職員も泥だらけになり、その姿をお互いが、何か温かい人間の営みのように感じて、自然に、にこにこしていたような気がした。疲れた中での心地よさと、満足感に満たされた時間となった。
本校校区の自然には「野生」もちょっとある。作業の前に子どもたちに注意したマムシは、この実施日の前日、畑から100メートルも離れてないところに出た。すぐに処分したが、1匹居れば、かなり居るはずで、実施当日は、かなり気をつかった。イノシシも近くの山では出没している。畑のサトウキビは、今のところ大丈夫だが、油断はならない。そんな状況の中ではあるが、サトウキビが、今、子どもたちの身長くらいになり、今後が楽しみである。
今回の作業は、学校通信により、保護者・地域住民に知らせた。



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