NO団体名主な企画内容
47 宇城市立青海小学校(熊本県) 「ふるさとを愛し、豊かな心を育む体験活動 〜サトウキビ栽培から黒砂糖作りまでの全過程の取組を通して〜」
教育目標である、「ふるさとを愛し、夢に向かって頑張る子どもの育成」を目指した総合学習。ふるさとの産業の歴史や伝統文化について語れることができるように、30年前から続いている活動である。

速報レポート5 「心で感じる、サトウキビの葉っぱの音楽」

日時   8月30日(火)15:15~16:00
場所 サトウキビ畑 
参加人数 小学生(1年生 13人 学校職員1人 )
今回の活動の目的

  • 自然の中から音をさがす(音楽性につながる感覚を磨く)
  • 体験学習による自然理解
  • 温かい仲間づくり

活動内容

 ・音をさがし、音を表現する。
音楽の授業として、サトウキビ畑の中に入り、音を聞き取り、どのような音が聞こえたかを表現する。葉や茎同士のこすれ合う音や、それに混ざる風の音などを聞き取ろうと努めることで、心豊かになる自然の音楽を感じるようになると考える。また、集中して耳を澄ますことで、五感も磨かれる。

活動の流れ

 音楽の時間に、1年生全員でサトウキビ畑に行った。大きくなったサトウキビと背比べをするなど、楽しむ中で音楽に関わる取組を行った。サトウキビの背は高く、まだ身長が低い子どもたちの背丈をはるかに超していた。ほとんどの1年生は、先日の除草作業に参加をしていたが、そのときには除草に一生懸命で、落ち着いてじっくり観察する余裕はなかった。この時間に集中してサトウキビの観察をすることができた。
 振り返ってみると、5月の終わりの頃のサトウキビの高さは、子どもたちの身長とあまり変わらないくらいだったが、植物の生長の早さにはびっくりする。さとうきびの葉を見たり、触ったりしていた子どもたちの中から「茅(かや)みたい」という声も聞こえた。1年生で、「茅」という植物の葉にたとえて、サトウキビの葉を表現できることが、うれしいところでもある。植物の葉の共通性や特徴を考えさせることもできた。また、「茅」の葉は危険なところがある。サトウキビの葉はやわらかく、葉に触ってケガをするようことはあまりないが、油断をすればケガをする。注意しなければならないという意識の向上にもつながった。


そこの5人は、体の後ろから何が聞こえてくるかな?

しっかり耳を傾ければ、聞こえてくるよ。

グループで分かれて音を探しに行ったり、みんなで一緒に地面に腰を下ろし、静かにして、サトウキビの方向から聞こえてくる音に耳を澄ましたりした。台風10号の影響もあってか、時折すこし強めの風が吹いていて、風に揺れるサトウキビの葉が擦れる音を聞くことができた。サトウキビの葉擦れの音に混じって、秋の虫たちの鳴く声も聞こえた。サトウキビの葉擦れの音について「どうだった?」と聞くと、一人の児童が「神主さんが振る、あの音みたい」と、大幣(おおぬさ)の音を思い出して例えて言った。また、別の児童が、「雨が降っている音みたい。」と言った。なるほど、子どもたちにはそう聞こえるのだなと感心した。それぞれが受けとめた音は13人13様であることを改めて考えることができた。
 学校に戻って、森山良子さんが歌う「さとうきび畑」をCDで聴かせた。この歌では葉擦れの音を「ざわわ、ざわわ」と歌っている。子どもたちはその部分を一緒に口ずさんでいた。
 この歌の中では、日本で唯一地上戦が行われた場所、沖縄の広大なサトウキビ畑が描かれている。1年生には少し難しい話だったが、本校のサトウキビ畑と重ねて考えながら、子どもたちは黙って聞いていた。

得たもの

サトウキビ畑の中で、サトウキビの葉擦れの音が表現する自然の音楽を子どもたちなりに感じ取ってくれたと思う。普段は聞き落としてしまうような風や葉っぱが奏でる音を聞き取ろうという意志をもって、畑の中でがんばってくれたことが大きな成果である。前述したが、サトウキビの葉っぱは茅のように鋭い感じがある。触ってみなければ、手を切ってしまいそうにも思う。実際は、茅のように手を切るような堅さと鋭さはないのですが、イメージはまさにそうである。今回は耳で感じ、目で感じ、畑の中に全身を置いて、体全体で感じ取ろうとする感覚も高めることができたと考える。



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