NO団体名主な企画内容
47 宇城市立青海小学校(熊本県) 「ふるさとを愛し、豊かな心を育む体験活動 〜サトウキビ栽培から黒砂糖作りまでの全過程の取組を通して〜」
教育目標である、「ふるさとを愛し、夢に向かって頑張る子どもの育成」を目指した総合学習。ふるさとの産業の歴史や伝統文化について語れることができるように、30年前から続いている活動である。

速報レポート13 「郡浦神社の祭りでサトウキビの御輿(みこし)をかつぎました!」

日時 10月9日(日)
※御輿作りなど、祭りの前に必要な活動は、9月28日(水)から、祭り前日の10月8日(土)まで行った。1年生から6年生まで、一緒に作業した時間だけではなく、それぞれの学年で必要な時間、取組を行った。
場所 学校 郡浦神社 
参加人数 1年生~6年生まで全校児童90人 教職員19人 
今回の活動の目的

●故郷を愛する心を育てる。
●伝統文化の継承
●保護者・地域の方々との交流、温かい仲間づくり
●頑張る子どもの育成
●地域振興のために子どもたちの未来を考え、よりよい地域環境をつくために、大人が力を合わせる。

活動内容

●郡浦神社例大祭に向けて、御輿をつくり、みんなで祭りを楽しむ。
※五穀豊穣などを願うことを通して、サトウキビ栽培、黒砂糖作りが地元の大切な伝統文化であることを誇りに思う心へつなぐ。

活動の様子

 郡浦神社の祭りには、例年参加していて、子どもたちは楽しみにしている。御輿づくりは9月28日(水)からはじめた。全部で五基(き)作るが、1年生から5年生まで、それぞれ一基作り、6年生が手分けして指導するというやり方をしている。6年生は小学校最後の祭りであり、自分たちの後を継ぐ後輩たちに、御輿の作り方を伝授する。各学年、さまざまな思いをこめて作成する。1年生の御輿には、6年生がサトウキビの豊作の願いも含めた御輿の飾り付けをした。まずは、サトウキビ畑に行って、御輿に飾り付ける葉を探さなければならない。飾り付けのイメージをしながら、形のよい葉っぱを子どもたちは選んだ。


どの葉がいいかな。これかな。いや、こっちかな?

これですよ。これ。

こっちの葉がいいです。まっすぐに立ちます。

サトウキビ畑で葉を選ぶ作業も楽しく行うことができた。飾りつかう葉を選ぶということは、たくさんの人に見てもらう葉になるということなので、6年生もじっくりと葉を選んだ。まだ祭りの前段階だが、気持ちの中では、既に祭りの気分に近づいていた。


サトウキビの葉がとれないように。形が大事だよね。

いい感じでできました。どうですか。

ここにも注目してください。「棒巻き」のデザインです。

上の写真の中に「棒巻き」のデザインとあるが、「棒巻き」は12月の黒砂糖作りの当日に作る。煮詰めた黒砂糖を、サトウキビの茎に巻き付けたものが「棒巻き」である。写真の中で、女の子が指さしをしている茶色いところが黒砂糖である。子どもたちが、一生懸命にデザインした。子どもたちとしては、かなりの力作で、そのできばえの満足感は高かった。子どもたちの御輿に対する思いは深く、毎年の祭りで、自分たちがかつぐことをしっかりとイメージしながら、楽しく、また、工夫しながら飾り付けなどの作業を進めていった。


神社に到着した御輿です。

雨水を雑巾で除去されている地域の方の姿が見えます。

いよいよ出発。しっかりかつぎましょう。

到着して、子どもたちが目にしたのは、地域の方々が、昨夜の大雨で境内にたまった水を雑巾などで、手作業で除去される姿だった。みんなが気持ちよく祭りに参加できるように、力を尽くされる姿が、子どもたちの心にしっかりと残った。子どもたちの御輿をかつぐ気持ちも高まった。さあ、いよいよ御輿の出発だ。力を合わせて、かけ声かけて、わっしょい、わっしょい。


祭り見物の人たちは、私たちをしっかり見てください。

祭りだ。祭りだ。そーれそれ。

神輿の次は、流鏑馬(やぶさめ)です。

御輿を担ぎ終えたら、今度は、子どもたちが楽しみにしている流鏑馬が始まる。その前に、馬上体験もさせてもらった。なかなかできる体験ではない。馬にまたがり、子どもたちは少し緊張しながらも、とてもうれしそうだった。一生忘れない体験になった。流鏑馬が始まった。堂々とした馬上の武者にあこがれる子どもたちだった。矢が的に当たる度に歓声と大きな拍手がわき起こった。馬上から縁起物の飾り矢がプレゼントされたが、もらった子どもは大喜び。みんなで楽しんだ流鏑馬だった。


流鏑馬の前に、馬に乗せてもらいました。うれしい。

わー、すごい!馬の上から弓矢が、びゅんと。

飾り矢がほしい人は?はい。はい!はいはい!はい!!

流鏑馬の次は、待ちに待った昼食。地元の方々からカレーライスが振る舞われた。その味のおいしいこと。みんな夢中になって食べた。力がついた。次は奉納相撲だ。


よかったね。もらえて。

お腹すいたでしょう。カレーライスをたくさん食べなさい。

集中して食べます。うーん、おいしい!

みんな一生懸命。力を抜く子は一人もいない。全力で取り組む姿に、周りの誰もが大声援。「はっけよい。のこった。のこった。」相撲を取り切った後の子どもたちの姿が、とても輝いていた。


奉納相撲。はっけよい。のこった。男の子がんばれ。

奉納相撲。のこった。のこった。女の子もがんばれ。

終了後、全員が満足して帰路についた。祭りは、夜も続く。多くの子どもたちが保護者と一緒に、再度郡浦神社へ夜の奉納演芸会などを見に行った。中には、ステージでダンスを披露した子どももいた。

子どもの感想

 子どもたちは、祭りの中で自分たちがすべきことをやり遂げたと感じることができた。後日、すべての学年で、感想を述べ合うなどの取組を行った。感想文は、楽しかったという内容ばかりだった。
〈4年生児童の感想〉
 10月9日に郡浦神社の祭りがありました。おみこしをかついだり、乗馬体験をしたりしました。やぶさめも見ました。子どもずもうもしました。すもうでは、優勝できてよかったです。夜は、ぶたいでソーラン節をおどりました。練習の成果がでました。また、友達とも安全に楽しく遊べたので、よかったです。来年もいっしょうけんめいがんばります。

得たもの

 地域の祭りを通して、人と人とのつながりの中で生きている、また、生かされている自分たちであることを子どもなりに自覚できたと考える。また、地域の方々が大切にしている祭りの大切な部分を自分たちが担っていることを体験としてしっかり実感したことは、ふるさとを大切にしようという心にしっかりとつながったと考える。五穀豊穣など、祭りに込められている願いが、これから12月に行うサトウキビの収穫と黒砂糖作りに生かされることは間違いない。 



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