速報レポート６　小南清水を見つけたぞ！　〜その１〜

　５月に実施した「鞍谷の７ふしぎ」調査活動の成果により、ついに７ふしぎの１つである小南清水の場所を突き止めることができました。場所を教えてくださった方は若い頃、その清水で瓜を冷やしたりそうめんを作ったりしたそうです。今回案内をお願いしましたが、なにしろ数十年ぶりに訪れるということと、現場が久しく人の近づいた気配のない、一面草木が生い茂るうっそうとした山中ということで、最初は見つけるのに戸惑っていらっしゃいました。それほど誰もが訪れることをやめてしまった小南清水。いや、訪れるどころか、今では地元の人でさえ知っている人がほとんどいなくなってしまった、まさに幻の清水です。
　今回、５年生がその小南清水を訪れ、その存在を後世に残すために木碑を建てることを計画しました。昭和４５年の本には、「昔、鞍谷の郷一帯に日照り続きがあり、人々はたいへん困ったことがありました。その時も小南清水は、いつもと同じように水が流れていました。そのおかげで米がとれ、人々は助かったということです。」と書かれています。小南清水は鞍谷、そして味真野の人々の命を救ってくれたのです。そんなありがたい清水の存在を、人々の記憶からなくすわけにはいきません。そこで小南清水の目印となる木碑を建て、さらには自分たちが大人になったときに、再度その場所をみんなで訪れて、小南清水を忘れまいとする決意を互いに確認し合おうと、二十歳になった自分への手紙を書いて、タイムカプセルとして木碑の隣にうめることにしました。
　気温は２５度を上回り、天気も快晴でしたが、日の照らさない山中を進み、小さいながらも橋のない川をわたりますから、服装は長袖長ズボンに長靴、軍手です。山の近くに住んでいながら山に入ることのない子供たちのミニ探検は、午前８時３０分に始まりました。

学校出発。さあ、行くぞ！

まずはバスに乗ります。

バスから降り、さあ歩くぞ。

自分たちの物は自分たちで。

だんだん暗くなっていきます。

さすがに木碑は重いです。

　約１０分バスに乗り、入谷町集落センターに着くと、２０名ものおうちの方が平日にもかかわらず集まっていてくださいました。なんと心強いことでしょう。そして木碑やタイムカプセル、スコップやかけやなど、使うものは全部子供たちが分担して持ち、小南清水に向かっていざ歩み出しました。
　まずは県道とはいえ、冬期は通行不可となる細く暗い道路を、約１キロメートル歩きます。途中、「有害獣捕獲実施中（ニホンジカ）」との看板が何枚も杉の木に設置され、イノシシ捕獲用の檻もありました。まぶしそうにしているモグラも道路脇に見つけて、子供たちは大興奮！　そして同行していた新聞記者さんの息が上がる中、県道から山中に入る分岐点に到着しました。
　ここからは道なき道を進むことになるので、一同軍手を付けました。この山道は、県道ができる以前の旧道で、今では通る人がほとんどいません。梅雨の雨を受けた草が膝まで伸びて、子供たちの足の踏み場を隠しています。それでも子供たちは湿った土や草に足を滑らせながらも、道を遮る倒木をまたぎ、以前は橋があったという川をわたり、たくましく一歩一歩、前へ前へと進みました。そしてとうとう、小南清水にたどり着きました。

山林に入るので、軍手を付けます。

腐った倒木がたくさんありました。

川をわたるなんて、初めてです。

みんなで協力しました。

山中をずんずん進み…

とうとう着きました！

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