NO団体名主な企画内容
25 守山リス研究会(愛知県) 「名古屋市に凄息する野生のニホンリス・ムササビ等哺乳類の調査・保全活動をする中での環境教育の実施」
調査結果からつくられたプログラム活動を大人と一緒に体験することで同じ目線で子ども達が体験学習・課題発見学習・グループワーク学習を体験し、更に子ども達だけで冒険できるフィールド活動を実施。

速報レポート9 東谷山定期調査(なごや環境大学実行委員会としてのリス研活動動画撮影)

活動日:7月15日(木)~ 7月18日(日)
活動場所:東谷山
参加人数:指導者:3人 小中学生20人 高校生2人 大学生:9人 大人:19人 合計53名

1) リス研による給餌活動
給餌台#5,10は予定どおり、リス研が残数計測・80個投入の実施を開始しました。クルミ80個を数えて、袋に入れて、給餌して、その結果を大学生さんに報告するということになります。「給餌活動もリスとのコミュニケーションを直接感じることが出来る活動」ですので、非常に重要です。
  7/17 給餌台#5 77個残   #10 40個残
     ほぼ同水準ですが低い水準で消費推移しています。

2) リス捕獲調査  4か所とも捕獲ならず
 (1)今回は4か所(拡大場所)にカゴワナを7/16に設置しましたが、7/16-17の気温が32℃-34℃を超えたことで、行動が抑制されたのか、どの台でも残念ながら捕獲ができませんでした。そのため、子ども達は、10:30-11:15ほど発信機No.187のリスを、アンテナと受信機で追跡してもらいました。今回はリス研の受信機(ATS製アナログ)で音が取りにくく、大学生さんの受信機(ATS製デジタル)を借用して追跡してもらいました。中学生のアンテナと小学生の受信機音確認で西側50m北側100mほど集団でぞろぞろと追いかけられたということでした。途中から音がきこえなくなったとのトランシーバでの連絡から時間も40分を超えたので頂上で集合してもらうことにしました。

(2)知恵比べ活動:捕獲できなかったこともあり、エゴの実とヤマガラの知恵比べ進化をあなたならどうするとなげかけ、アイデアをいろいろ出してもらいました。エゴがトリに食べられにくいように毒(サポニン)をいれているが、もっと沢山実らせようと母木がねがったらどう自分を改善するかです。実を小さくする、樹冠の中側に実らせるなどでましたが、大きさは同じで毒を表面にだけすることでエネルギーを抑えて数をふやすという戦略をとったと思われることを紹介。次に数十万年後のヤマガラの立場に立ってもらい、その変化した実をどう食べるように工夫したのかアイデアをだしてもらい、くわえて石の上に落として割る、クチバシで中身だけをほじるなどがだされたことに対して皮をクチバシと足で剝いて食べるようになったことを紹介(現代のヤマガラが実施中)。更に数十万年後のエゴの立場にたってもらい、たべられたヤマガラにどう対抗したかをアイデアを出してもらいました。トゲをつくる、ネバネバな表面にする、口より大きくする、臭いをつけるなどが出され、硬くするというアイデアもだされました。可能性が一番高いのは、硬くすることで数十万年後にわかるでしょうと説明。さらに数十万年後のヤマガラの立場になってもらい、硬くなったエゴの実をどうやって食べるように変わるかのアイデアを出してもらいました。当然ここまでくるとクチバシを太く、大きくして割る、オームのような曲がったクチバシになって強力な力で割る。ドリルのように穴をあけて食べるなどもでました。可能性が高いのはクチバシを大きく太くして曲げる形に変わっていくのではないかと推察されることを紹介しました。
「この話を聞いて、なにか思い出しませんか」と投げかけ、そうですダーウインという人がビーグル号という船でガラパゴス島にゆき、捕獲したフィンチのクチバシがいろいろと変化しているのを発見して、場所場所の食べ物によって変わっていることを発見して、それがもとになって進化論を生み出したことを紹介しました。10分程度の知恵比べでモデル化していますが、進化論をわかってもらえたと思います。
今回は、なごや環境大学共育講座からの撮影班が同行していましたので、HYS会員にカメラマンに付随してもらい定期調査12項目を子ども達が計測している様子や記録している様子、子ども達がアンテナで追跡している様子、ネズミの足跡とカメラによる棲息確認作業、ムササビの樹洞用カメラの作業などをできるだけ撮影してもらいNKJ会員には様子の写真を沢山取って頂きました。

3) 一人3点新発見活動の状況(当日に新出くわしたものを報告しあい撮影・位置記録する活動)
 麓では(1)オニヤンマのヤゴ抜け殻を2個発見し合計4個となり4匹が羽化したことがわかりました。この狭い細い流れがとても重要になっています。この流水がなくなるとオニヤンマは消えることになります。流水のように酸素を沢山巻き込むことがない水面では酸欠で大きなヤゴは死んでしまうからです。 複数のオニヤンマが行動しているのはその結果です。
確認された昆虫や植物は(2)オニヤンマ、(3)ナガコガネグモ、(3)ベッコウハゴロモ、(4)ニイニイゼミの鳴き声、(5)ウグイスの声、(6)オオシオカラトンボつがい(7)クチナガガガンボつがい、(8)ハヤシクロヤマアリ(9)マメコガネ、(10)アオバハゴロモ(11)オオヘリゴミムシつがい(12)オナガグモ(13)タイショウオビオオキノコ(14)ババヤスデ(15)ヒシバッタ(16)ヒメカラスハエトリ(17)マダラカマドウマ(18)マルウンカ19)ヤバネウラシマグモ(20)オオハリアリ(21)オバボタル(22)ムナワヨツボシオオアリ(23)ニホントカゲ幼体(24)観察箱でオオゲジ、(25)カクムネベニホタル幼体(26)クロクサアリ新女王(27)クロクサアリ観察箱では.クサアリヅカコオロギ(クロクサアリの臭いを体につけて巣内に共生している珍しい昆虫)(28)今週もフンに昆虫の羽根や足がみられたイタチ類(太さからテン)のフン(29)雨後のキノコが沢山(30)アカイボカサタケ(31)アカイロチリノフンダマシ(黒色型)(32)アカメガシワの種子群(33)人がおいしく食べられるアカヤマドリタケ(イタリアではポルチーニ料理)(34)イボタケ(35)カイガラタケ(36)キイボカサタケ(37)クロハツ(38)コウガイビル(39)コバノチョウチンゴケ(40)スギゴケ(41)テングタケ(42)こどものズボンにタカサゴキララマダニ。 記録用地図紙が満杯となるほどの非常に貴重な発見ばかりでした。
井村会員は「暑さのせいか、春に出現した昆虫が消えつつあるように感じます。」と同時に、「つがいとなってはやくも繁殖準備をしている昆虫や植物が種をつくっている様子が見られ始めました。
たくさんの目と耳で発見数も毎回違った生物や変化が見つけられています。 これらが1年、1年どの場所でいつごろ出現するかを種別に地図上位置と写真で表すだけでも貴重な東谷山のデータになります。

4) 東谷山での新定期調査7項目活動(過去10年実施している日照計測器や定期5項目以外の計測)。
ルーチン化により、今後もこの方式で実施したい。あたらしく会員となられたご家族にも順番に定期計測を見てもらい、体験して実施できるように進めています。

(1)山の等高線入り地図(2500分の1):新発見を上記 NKJS母会員が、記録担当記載してくれました。(上記一人3点新発見の記載)
ムヨウラン調査(MIU会員)が継続調査。発見全数をスマホの写真とGPSとを結び付けた画像を永田会員でまとめ中で分布がグーグルマップ上で確認できています。MIU会員から「植物の背の高さがちがう種類がある」との報告がされ、2種類あることを紹介しました。
  ●昆虫の地図は、オニヤンマ、ミヤマクワガタ、ハンミョウ、マイマイカブリなど希少種を中心に分布記録できれば、これも非常に貴重な東谷山の資料となります。

(2)湧水のあちこちでの塩分濃度・導電率計測:NKJ姉妹・IWT小6・MIU小2が、実施。まだ未経験の親御さんにも体験してもらい、いつでもだれでも計測引継ぎができるようにしたいです。
(3)炭酸ガス濃度計測(機体記録): 7/16-17 回収は24日
(4)紫外線強度計測(機体記録)   7/16-17 回収は24日
(5)地温・酸性度・水分率の地下25cm下の計測ルーチン化:NKJ姉妹とIWT小6MIU小2が実施記録。今後親御さんも計測引継ぎをしてゆきます。
雨がやみ梅雨明けとなると、酸性度は予想どおり、中性化に戻り始めたことがわかりました。酸性は駐車場6.0、カンアオイ5.5トウカイコモウセンゴケ6.5、ムヨウラン6.0 ネズミトンネル付近6.5で残り4か所は7.0以上になりました。乾燥しやすい場所は早く中性状態にもどるようです。
地温は、トウカイコモウセンゴケの場所は基準の駐車場27℃や他の場所(カンアオイ30℃、ササユリ25℃、ムヨウラン23℃、ネズミトンネル23℃とくらべ21℃と明らかに低く表れています。これは面白いデータとなりそうでモウセンゴケの新たな生態へとつながる可能性があります。カンアオイの場所の地面25cm下の地温が高すぎるように思われます。上部の樹木が枯れて直射日光があたりやすくなったことの影響かもしれません。それを確認するためにカンアオイの一部の上に金網で落ち葉がたまるようにして日陰をつくり直射をさけるようにした部分の日照をはかるようにしていますが過去の樹木が枯死する以前とのデータ比較検討が必要です。

5) 7/10-7/17のセンサーカメラでの撮影状況 (カメラのの動画設定が静止画に戻っているのが4件発生、(7/24修正))
ムササビ、イノシシ・リス、ネズミ、アライグマが撮影されました。  
(1)湧水計測場所  草刈りをした結果、写り始めました。 
        7/13 22:24 流木が流れ込みその上をネズミが移動(流木を足場として固定化)
        7/16 03:16 アライグマ水量多くても山へ
(2)ネズミトラックトンネ ルカメラ  かなりの頻度出現。年月時間修正が必要(7/24修正)     
(3)ムササビの塔(樹洞前)動画  カメラが静止画に戻っていたため動画への修正が必要。(7/24修正)
(4)ヌタバ1  イノシシ2個体とウリンボウ2匹が撮影、ほか中型別個体オスも撮影。
      7/10 21:04  オトナイノシシ お腹だけ濡れている(ヌタバでドロ浴跡)
      7/11 19:35 ネズミ移動
      7/15 0:04  中型イノシシ出現  7/16 01:02 オトナイノシシ
(5)ヌタバ2動画 カメラが静止画に変化していた。動画への修正必要。(7/24修正)
(6)給餌台#10  カメラ交換 そのため下に写真ケラレ部発生。ゲタをはかす必要あり。まだ未実施。
         作業のみ撮影で動物撮影なし。
(7) 給餌台#6ビデオ 静止画に戻っていたので動画にもどす必要あり。(7/24修正)
       7/12 19:27 雨煙で不明   7/13 1:30 雨煙で不明
       7/14 04:18 雨煙で不明(帰巣時間) 7/17 02:47 雨煙で不明
       
(8)樹液の木にくる動物 安定して撮影。早朝は4:30から夜は21:30ごろまで人数計測状態です。動物の撮影はまだされていません。

6) 7月15日(木)14:30-15:15 SIR小学校トワイライトスクール座学  
 今回は30名ほど。初めての1年生が23名程と多かったので「SIN小学校トワイライトで得た経験」を使い、観察する力を伸ばすために20分、桃太郎のモモを拾うところについて同じ経験をだしてもらうのに20分おこないました。今までにこの講座を体験している子どもは、「やったことある」といったので、「学んだことのある人は、学んでいない人とは違った意見がいえないと学んだことにはならないよ」といってリスの特徴をたくさん出してもらいました。次回はタイワンリスとエゾリスを見せてニホンリスとの特徴の違いを探ってもらいます。 作文に移って、モモを拾った場面と同じような体験事例をきくと、やはり道で500円を拾ったこと、公園で100円を拾ったこと、ネコを拾って家に持ち帰ったこと、などが出されました。しかし「拾った自分はどういう気持ちだったか しめしめとうれしかったのか」「落とした人やハハネコの気持ちはどうだと思うか」を聞いてそれを書くことも大事と説明しました。「自分の経験と相手を思う気持ちは世界にひとつしかない」と紹介しました。感想文とは、本の感想を評論することではなく、書く人の「人となりや考え、他の人への気持ち」がその本の内容に関連して出されることが感想文で重要だからです。

7) 7月18日(日)11:00-12:30 愛知サマーセミナー座学 会場:市邨高校・中学 (残念ながら全体にコロナの影響か少なく感じました)
  参加者は大人2人だけでしたが、濃密な内容で、活動ビデオ紹介、観察することをニホンリス、エゾリスタイワンリス、魚の色形、リスの色と形から天敵から環境に紛れて逃げられるようにできた結果生き残ってきたこと(カウンターシェーデイング)を紹介。見たままを捉えることで、かなり深いテーマまで掘り下げられることを発見された特徴から順番に紹介。眼の形・位置・周囲(顔の横=食べられる側)色(人のように白眼なしと理由)周囲にホワイトリング(その理由)、耳の形と位置(先端部保温と頭の上とその理由)体色(お腹白い=カウンターシェーデイング)などでした。 今年もなにもせず広報まかせだったので、来年は10人以上集まるような事前の売り込み方を十分に検討してゆきたい。今回一人は滋賀県で観察会などに参加されていた方で、関心が高い人でしたしもう一人は、市邨高校の佐藤先生の教え子OBで東谷山にも来られた方で嬉しいことに覚えていてくれた方でした。













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速報レポート9 東谷山定期調査(なごや環境大学実行委員会としてのリス研活動動画撮影)
速報レポート10 東谷山定期調査+なごや環境大学共育講座
速報レポート11 夏の夜の夜間調査 (なごや環境大学共育講座)
速報レポート12 定期調査となごや環境大学共育講座+リス捕獲調査活動状況
速報レポート13 定期調査となごや環境大学共育講座+ガサガサ小川調査
速報レポート14  定期調査となごや環境大学共育講座+夜間調査

■別年度のレポート
2008年度 野生のニホンリスの保全・生態調査をする中での子供たちへの環境教育の実施 実施レポート

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