NO団体名主な企画内容
25 守山リス研究会(愛知県) 「名古屋市に凄息する野生のニホンリス・ムササビ等哺乳類の調査・保全活動をする中での環境教育の実施」
調査結果からつくられたプログラム活動を大人と一緒に体験することで同じ目線で子ども達が体験学習・課題発見学習・グループワーク学習を体験し、更に子ども達だけで冒険できるフィールド活動を実施。

速報レポート12 定期調査となごや環境大学共育講座+リス捕獲調査活動状況

活動日:8月21日 (土)9:30-14:30 曇り後晴れ後少雨(1-3mm/時)
活動場所:名古屋市 東谷山  
参加人数:こども 8人、高校生1,大学生8人 大人9人 合計26人

1.参加者への情報報告(7/24 定期調査活動からの重要な発見)
(a)7/24非常に重要な発見と確認がありました。 東谷山麓の駐車場で大学生さんたちが特定外来種で毒をもつ「セアカゴケグモ」を発見し駆除をしたことで、その写真をみせてもらいました。おそらく車両のいろいろな構造空間部位に忍び込んだものが車付近で発見されたものと思われました。 これで明らかに「車を介してひろがる」ことが確認されました。今後の経過注意観察が必要で実施してゆきたい。(発見場所から10m周囲にくも捕獲ワナを作り、設置して確認することも検討したい。)

(b)二つ目は、頂上のエノキ(高さ4-5mほど)に10数匹のヤマトタマムシが飛びかう乱舞状態で交尾も幾例も展望台の最上位で手が届く場所で観察できました。それはそれは非常に壮観な状態でだれもがこんな情景を初めてしかも名古屋市で見るものでした。このタマムシの交尾の写真をいくつも撮影して名古屋市守山区の自然写真展に出品する第一号作品(IMU会員)ができました。今後もこういった発見をきちんと撮影して2号3号の写真作品になるようにしてゆきます。

(c)三つ目は、愛知県では絶滅危惧種II類ヒナノシャクジョウが2株他集団合計10本)が発見されました。これらは、さらに南の麓にあったがシデコブシ保全のために周辺伐採により日照と踏みつぶしで消滅してしまった種ですが、昨年とこの2-3ヵ月前から新たな北のほうの場所で確認され発見が続いているものです。これを確認したのはINO会員で、きめ細かな観察により確認できたものです。幸いこの場所付近で日照・気温・湿度・風速を計測しており、このデータが非常に役立つと思われます。大事に記録観察・継続し盗掘・消滅しないようにしてゆきたいです。ヒナノシャクジョウは菌従属栄養植物で自分で光合成せず栄養を菌や植物の根からもらって繁殖する多年草の植物で森が豊でないと棲息できない種です。(関連調査資料別作成済)

2. 参加者への情報報告(7/31の定期調査活動からの重要な発見)
(a)7/31東谷山麓の駐車場近くで外来種のムネアカハラビロカマキリ幼体が確認されました。皆に紹介すると同時にその場でさっ処分を実施。今後の経過注意観察が必要で実施してゆきたい。毎年卵のうを発見しては処分しているが年々すくなくなって安心していたやさきでしたのでいい教訓です。

(b)二つ目は、モウセンゴケ手前の温かい太陽のあたる湿地状に水が溜まっていたところに、今日はいるかなとのぞき込むとなんといるはいるは、15-20匹ほどの10-25㎜程度のヒメタイコウチがぞろぞろとうごめいているではありませんか。これほど沢山が一度に目撃できたのは初です。ヒメタイコウチは愛知県では準絶滅危惧種で西尾や岡崎では愛知県の天然記念物に指定されています。ヒトにふみつぶされないように柵をつけるかなど相談をしましたがぎゃくに人目をひくので盗掘にあう心配があるため中止。それよりも10m北の湿地(若干暗い)に移動するほうがよさそうではないかとなったが、過去の別の種の経験から移動より継続観察をしていき、必要に応じて移動する。ここに土をなげいれて、見た目だけで歩きやすい道にしたがる人が多い(結果湿地をなくそうとする人がいる)可能性があり(山道のように)、やはり明示することが必要かもしれません。埋められてからではだいなしだからです。

(c)三つ目は、オニヤンマのヤゴヌケガラが5つめ発見されました。これも初の数です。オニヤンマがふえることは、(1)それだけの成虫のエサがあること、(2)ヤゴが育つ水流(体大きく水中酸素濃度が高くなること必要なため)や(3)ヤゴのエサ(動植物プランクトン、水生昆虫)があることなど繁殖条件がそろっていることになるからです。

3.参加者への情報報告(8/7大学生さんからの報告)
(a)8/7 給餌クルミが残っていても、アカマツのマツボックリの種子を食べた跡の通称エビフライが7/31-8/7にかけて7-8個落下毎週回収している。「なにかアカマツの種子には特別な要因があってニホンリスがたべていると思われる」との報告があったので、過去同じ現象に気づいて米国での事例を調査して「マツにはアツルハイマーの薬やビタミンE,K(血液の特性に影響)の含有が多くそれを冬に向かってたべているのではないか」という推察を紹介。継続調査が必要です。

(b)8/5ごろ東谷山の頂上から西のムササビの塔の南側でイタチ目撃、7/末にカモシカを旧給餌台#2のかなり東側で目撃したとのことでした。1カ月まえにはカモシカのタメフンも確認されているので東谷山に現時点定着しているようです。(昨年行政が麻酔の失敗で捕獲時に死亡した個体の姉にあたり角輪から年齢7歳程度のおそらくメスと推定され、30年生きたおばあさんカモシカの孫にあたり、今後の東谷山での繁殖が期待されます。)

4.8月21日の定期調査+なごや環境大学共育講座+りす捕獲調査活動結果
1)捕獲活動
前日わなかけの際にも曇り時々少雨であったが、過去数カ月捕獲がされず、大学生の卒論調査や繁殖モニタリングの点からも不安が高まっていたので、天気予報の7-9時0mm9-12時1mm/時、14時以後1-3mm/時を信じて、捕獲作業を実施しました。
 幸い、新給餌台#8で1匹捕獲されていたので、体重、オスメス計測をして、発信機と新たなセンサーを背負子式で装着をして、放獣しました。
 結果:オス  体重:241g 前につかまっていた赤のバンド装着していた個体でした。お腹白い周辺、腕、モモの毛の色がオレンジから赤く行動はきびきびしてりっぱなオスでした。給餌台間距離を100-300m程度に移動後、この新#8給餌台での初捕獲でした。この個体の動きについて、新しい行動圏の広さが今後分かっていくことが期待されます。

リスが到着するまえの10分程で、アカメガシワとケムシとの戦いへの知恵比べを実施しました。植物がいかに智恵がありIQが高いか挑戦してもらいました。いつもの苦くする、毒、いやな臭い、硬くするなどでましたが、ある時点でお父さんがトリに食べてもらうという案がでました。それにたいして「この植物はトリに対してどういうメリットやうれしさを提供するのですか?なにかメリットがないと来ないでしょう。」となげかけ、実がなってそれを提供しているという案がでました。しかし残念ながらケムシの時期4-8月)と実の時期(8-10月)は大きく、ずれているという事実を紹介して、トリのメリットに繋がらないことを説明。 こういった対話を聞いていた子どもが、「アリならどう」とだされ、いくつかの葉に実際ありがきているのを観察してもらい、葉の付け根にある蜜腺からでる蜜(人間にとって甘いとは限らない)を数匹の小さなアリがきているのを確認してもらいました。 そしてここでみんなから出されたアイデアは、仮説といいます。それを手で触ったり、観察したりして実験で確認をするという行動が大事で、教えられたことだけを覚えて答える行動をから変えていくことが大事だと紹介しました。

その後、リスを目の前にしてよく観察をして報告してくださいということを繰り返しいっておいて、ほぼ全員から新しい特徴がだされました。最初にでたのは、お腹が白いというニホンリスの一番の特徴でその周辺がオレンジから赤黄色く、背中が焦げ茶色という点でした。そして足の指が5本で手が4本であることも観察されました。そして一番の観察ポイントは、「眼が黒い(人間のように白目がない)ということ」がだされました。他、ツメがとがって曲がっている、肉球の色がピンクからちょっと黒っぽい、シッポがふさふさで体と同じがそれよりも長いこと、シッポの毛の先が白っぽいこと、シッポには肉がついていないように見えることなどがでました。この知恵比べと発見活動で、観察すること・感動した体験を、口でいうだけでなく、それを文章にしたり、絵にしたり、「行動をすること」で記憶にはっきりととどめることができることを紹介しました。  

2)一人3点新発見活動の状況(当日に新しく出くわしたものを報告しあい撮影・位置記録する活動)
(1)アミホコリタケ(たくさんの小さなクキと先端)(2)エゴノキハヒラタマルフシ(ムシコブ)(3)キクラゲ(4)キツネノハナガサ(薄い透き通るようなまるいスジの入ったカサ)(5)クロウリハムシ(真っ赤な頭と黒い胴)(6)シオカラトンボ メス(通称ムギワラトンボ)(7)チジミザサ(東谷山では移入種)(8)ニホントカゲ幼体(9)ドロバチの巣(10)ノギランと花穂(トウカイコモウセンゴケの周囲に)(11)ハグロトンボ(12)ババヤスデ(13)ヒナノシャクジョウ(14)フジの実多数(15)ヤマアカガエル(17)不詳:白いツボミ総状花(18)白い粘菌が落ち葉上に(19)落下したクルミ房4-5個(雨風が強かったため)(20)山道の水流れに極め細かな泡のかたまり(樹木から溶け出した樹皮成分=界面活性剤か)(21)不詳:4-5mmの薄きいろい小さなクモ(22)不詳:小さな紫色の花=総状花)(23)ムヨウランの軸先端に白い点々の列(菌発生か)(24)トウカイコモウセンゴケのツボミ(25)ツマグロヨコバイ(26)不詳:オレンジノキノコ(アンズタケ)(27)モンキアゲハ(28)クロイロコウガイビル(29)キノコムシ(30)イシノミ(31)ノコギリクワガタメス(32)アリヅカコオロギ((33)クマゼミ南のはずれで道路の向こう(34)アブラゼミ(35)ツクツクボウシ声(36)ヒグラシ声(37)クビナガハネカクシ(38)オオゲジ(観察巣箱内)(39)ノウタケ(ホコリタケではなかった。中は食パンのように柔らか:食用可)(40)アリヅカコオオロギ(アリ観察巣箱)(41)アミガサハゴロモ成虫(42)オカメコオロギ(43)キアシナガバチの群(44)ゲオプラナ(45)アオオビハエトリメス(46)オオホシカメムシ(47)カナヘビ幼体(48)キンケハラナガツチバチ(49)コバネイナゴ幼虫(50)ジグモの巣(51)シマアメンボ有翅型(52)ナガコガネクモ幼体(53)ノミバッタ(54)ハラクロコモリグモ(55)ヒシバッタ(56)ヒメタイコウチ(57)ベッコウハゴロモ(58)ハゴロモヤドリガ(59)マダラヒメバチ(60)マミジロハエトリ(61)マメコガネ(62)クチキムシ(63)ミヤマオビオオキノコムシ(64)ユミアシゴミムシダマシ(65)ツヤアオカメムシ幼虫(66)ヤバネウラシマグモ

4.結果状況:名古屋市守山区社会福祉協議会募集のてづくり絵本 作成進行状況報告(ほぼ順調に進んでいます)
  MIさんからIWさんに郵送された下絵に、色付け完了が1-2日おくれましたが、完了して、NKJ家に送付され9月4日までには、文字を入れ、完成させ9/4に持参してもらい会員に紹介してもらいます。最終みなおしして、(上質紙にカラーコピー印刷して会員希望者には無料でお渡しする予定です。20-25部前後)、9/11までには原画発送します。 A4サイズで開いた状態でA3横の絵本となります。 今回の教訓から、今後の3点観察して「視たもの」をスケッチや絵で記録し、「えほん」作成や「東谷山の昆虫」などの本作成につかう」ため、スケッチブックにできるだけ黒くはっきり描いたりスケッチしておいてもらい、持ち帰って写真や図鑑から完成させ、それらを「スキャン」してまとめます。マルマン スケッチブック クロッキー Cコットン紙 ポケット判 A5 S162(まとめて購入手配しますのでご希望の方はご連絡ください。)

5.結果 8月23日(月)8:30-17:30 岐阜大学にて 教員免許更新講座の開催
  今回は、21人の高校の先生と小中学校の先生が中心でした。M先生のガイダンスと概要紹介後、リス研の分担分は、準備したうち、リスの観察力を磨く(全種類実施)、アカメガシワとの知恵比べ、ほかジャコウアゲハとの知恵比べ、アブラムシ・テントウムシ・アリとの知恵比べ他3-4プログラムを実施。発言も全員指名で発言してもらい、さすがに進行が早く進められ、いろいろな考えやアイデアを出してもらいました。観察して生き残るアイデア=仮説をたくさんだしてもらい、実験して仮説から選択するという事例を体験してもらいました。KJ先生の金華山の植物や地層、動物について説明のあと、昼食となりその後専用バスで金華山に出向き、ヒメコウホネの保全場所、最も硬い堆積岩チャートの露出部、地中の虫探し観察、タイワンリスの樹液カジリ部観察(この場所で1匹地面付近から上に移動した個体を目撃することができました)タイワンリスも少なくなったようですが、まだ棲息しています。 金華山はこの堆積岩チャートからなる硬い山であるため侵食されなかったが、一方、東谷山はチャート部もあるがほとんど変成岩(ホルンフェルス)という硬い岩からなっているため侵食されず残ったこととの違いがあることが分かりました。終了後、先生方には、リス研動画を見てもらい、テストと感想を記載してもらい終了しました。この感想がとても勉強になり、先生方がどう受け止めたかを学べ、今後のリス研の進め方に非常に役立ちます。
  残念ながらこの教員免許更新講座は、文部省の調査から廃止になることが8/24の新聞で報告されていました。(この講座も来年を最後に終了します)日本の成長とか進歩が遅いのは、「高校・大学卒業後、入社した先生や会社員は、定年になるまで30年間ほとんど社会人教育制度で再度学ぶことがないこと(30年前の考え・知識・シクミのままでやっている)が原因だ」と指摘した外国人専門家がいます。現在のこの1日の講座という形式には、若干問題ありますが、毎週1回を半年とかの社会人再教育が個人・会社・大学・学校で「受けられるような制度に変わることが必要」ですが、これには、おそらくやろうとしてから30年以上はかかるでしょう。会社・学校退社が日中・夜間で希望者にはきちんとできること(組織内負担均等支援制が必要)、学ぶひとへの資金的援助・税金などの免除・削減、実施する会社への税金免除・削減などの特典、受け入れ高校・大学の講座内容の変革(社会が求める世界レベル・新時代レベルの内容のものになっているか?)大学への資金・税金免除・削減など、持続的にやろうとすると多々なる膨大なシクミを構築することが必要だからです。それまでは現在のように企業が自前でやらなければならないか、中途採用経験者で賄うこと以外になくなります。そのため先生や学校だけの問題ではないと思われます











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速報レポート6
速報レポート7
速報レポート8
速報レポート9 東谷山定期調査(なごや環境大学実行委員会としてのリス研活動動画撮影)
速報レポート10 東谷山定期調査+なごや環境大学共育講座
速報レポート11 夏の夜の夜間調査 (なごや環境大学共育講座)
速報レポート12 定期調査となごや環境大学共育講座+リス捕獲調査活動状況
速報レポート13 定期調査となごや環境大学共育講座+ガサガサ小川調査
速報レポート14  定期調査となごや環境大学共育講座+夜間調査

■別年度のレポート
2008年度 野生のニホンリスの保全・生態調査をする中での子供たちへの環境教育の実施 実施レポート

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