NO団体名主な企画内容
16 NPO法人 河北潟湖沼研究所(石川県) 「「河北潟流域レンジャー」プロジェクトII ~困っている生きものたちを守ろう~」
河北潟流域で自然体験活動を行いながら、生き物が困っている状況について解説する。子どもたちがレンジャーとなって、実際に困っている生き物について調査、助ける活動を行う。生態系や環境の問題に気づくことのできる豊かな感性を育む活動。

速報レポート8 ごみを拾って湖であそぼう

活動日: 2023年7月15日
活動場所: 河北潟の南東に流入する森本川河口部(石川県金沢市才田町)
参加人数: 小中学生  1人 / 大人 4人 / 指導者  4人 / 合計  9人
活動内容

ひと昔前の河北潟では、子どもたちが木舟を操縦し、潟(湖)で泳いであそんでいましたが、現在は子どもたちがあそべない湖になっています。それは、河北潟の水が非常に濁っていること、まわりで使われている農薬の影響などが懸念されること、ゴミが多く見られること、水辺が危ない形状になっていることなどが理由として考えられます。今回のプログラムではそうした河北潟のいまの状態をあらためて見つめ、1)濁りの状態を透視度で計測する、2)水辺のごみ拾いをする、3)湖の中に入ってみる活動をおこないます。
当初は7月9日に「魚道づくり」を予定していましたが、田んぼに用水が流れないことから魚道が機能しないこととなり、プログラムを変更したものです。7月12~13日の豪雨の影響で、濁水となったことから、無理に湖の中に入ることはしない予定でしたが、男の子自ら父親の了解をもらって湖の中に飛び込みました。





 最初はいつもの地図を用いて現在地の確認です。日本海側の風車や砂丘、それから川が流れ込んでいることを見て場所を確認しました。つぎに、河北潟の水をみながら、河北潟の環境が変わってきたこと、濁りの程度をあらわすための透視度について伝えました。これまで透視度を調べてきたメンバーから河北潟の透視度について伝えられ、今日の状態を計測してみました。豪雨後の濁水となっていることは確かですが、計測してみるとあらためて非常に濁っていることがわかりました。男の子に筒をのぞいて見てもらいながら水を少しずつ減らしていきますが、なかなか底の2重の十字が見えないことから、「まだ見えない?」「そんなに見えないの?」、との声が上がり、20cmくらいのところで、全員で確認。「本当、まだ全然みえない。」、非常に濁っていることを全員で認識できました。透視度10cmと測定されました。





河北潟の湖岸のごみについて、草が伸びてゴミが見えにくい状態となっていますが、この場所は風の影響で、ゴミが湖岸にたくさん流れ着いていることを伝え、ゴミ拾いをはじめました。すると、男の子がかけよってきて「埋もれていて取れない。」、行ってみると地面から黒くてまるいものが出ています。取れるかな?とほじってみると、だんだん正体がわかってきました。「手かな、いや、目がみえる。顔みたい。」、大きなぬいぐるみが埋まっていました。「ドキンちゃん?」、「ちがう、3つめだから、えーと、エイリアンだ。」、トイ・ストーリーのキャラクターのようです。顔が見えると救い出してほしそうに見え、土や草の根ををかきだして、掘り出すことができました。
8/27イベントの準備として、カヌー1艇でのごみ拾いもおこなわれました。袋の中にゴミがたくさん詰められた大きいゴミ袋も回収されました。ごみ拾いの後はどのようなゴミがあったか、内容と重量を記録しました。「これは何グラムかな?」、いくつも計測しているとクイズになります。プラスチック系ゴミが多くみられましたが、ペットボトルやボール類も目立ちました。







ゴミを回収してきれいになったところで、エアーいかだに乗って、河北潟を楽しみました。濁水と、波があるので、湖の中に入るのは諦めようと伝えていましたが、だんだんと入りたい気持ちが高まったようで、男の子も湖の中に入りました。下見のときには、底の泥は5cm前後でしたが、豪雨の影響で、泥がたまっていました。深さ20~30cmの泥が底にたまっていたところに、じゃぼんと足から入りましたので、泥の中にずぼっと足が入ったようです。「田んぼみたい。」、と驚きの声。豪雨の影響で、岸にヒシが発生しており、その近くにヤナギモ類の沈水植物もみられました。現在の河北潟では沈水植物の群落が失われていますので、貴重な確認となりました。水辺には小魚が何匹もみられ、男の子がつかまえた魚をみんなで観察しました。

子どもたちの感想

おもしろかった。泥が深くてびっくりした。魚がつかまえられて楽しかった。



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