NO団体名主な企画内容
36 大阪市立新北島中学校科学部(大阪府) 「都市部の自然環境について自分たちで観察、調査、分析、活動する!」
大和川の水質調査や、特定外来種のアルゼンチンアリのモニタリングや防除活動の3年目を実施。継続的に地元の自然環境を学び、問題点を意識して活動を行うことで、問題解決能力の向上に繋がることを目的とした活動。

速報レポート32 東京大学での発表

日時 6月18日(土) 発表資料の作成 参加生徒 9名 指導者1名
   6月20日(月) 発表資料の作成 参加生徒11名 指導者1名
   7月 1日(金) 発表資料の作成 参加生徒12名 指導者1名
   7月 5日(火) 発表資料の作成 参加生徒10名 指導者1名
   7月10日(日) 発表資料の作成 参加生徒 3名 指導者1名
   7月14日(木) 発表資料の作成 参加生徒10名 指導者1名
   7月17日(日) 発表資料の作成 参加生徒 1名 指導者1名
   7月19日(火) 発表資料の作成 参加生徒12名 指導者1名
   7月27日(水) 東京へ出発   参加生徒 2名 指導者1名
   7月28日(木) 河川基金研究成果発表会 参加生徒2名 指導者1名
   7月29日(金) 国立科学博物館見学 参加生徒2名 指導者1名

 新北島中学校科学部は、平成27年度の河川基金(当時の河川整備基金)が実施している河川の研究をしている中高生クラブ活動のための助成を受けていた。もちろん、研究に必要な器材や源流調査などの交通費を得るために助成を申請したのだが、毎年夏に研究成果発表会が東京で開かれて、そこで発表する機会が与えられていた。当科学部では、生徒たちが自分たちで準備して実行する研究発表を重視していて、今年の1月でのトムソーヤースクール企画コンテストで推奨モデル特別賞をいただいた時も、部員に自分でプレゼン資料や原稿を作成して発表をおこなっていた。
 平成27年夏ごろに河川整備基金の担当者に電話で『生徒の研究なので生徒に発表させたい』と申したところ、中学生が発表することの了承と引率のための交通費を認めてもらった。
 平成27年度の研究を3月いっぱいまで行い、4月末までに成果報告書や概要報告書、決算報告書、自己評価シートなどを顧問が作成して領収書などと一緒に提出した。また、平成28年度の助成も申請をした。平成28年度の申請も受理され2年連続で助成を受けることとなった。助成を受けた金額内で研究成果発表会に1名参加することができたので、もう一度河川基金の担当者と電話で相談したところ、助成金を使用して1名見学してもかまわないといことになり、部員2名、顧問1名で研究成果発表会に出席することになった。
 まず、部員2名を選抜する必要があったので希望者を募ったところ4名の部員が希望した。研究発表の代表を選ぶので、公平を期すために口頭試問で研究内容についてしっかりと説明できる生徒を選ぶことにした。結果は3年生の部長と2年生の副部長が出席することになった。
 研究成果発表会では、100以上の研究が発表になるので、スクリーンを使った2分間の口頭発表と、40分間のポスターセッションで発表することになっていた。プレゼンテーションソフトを使って口頭発表用の資料を作るのと同時に、ポスターセッション用の研究ポスターを作る必要があった。当然、すべて部員が作る必要があったので、各部員で分担作業をおこなった。今までのデータを表計算ソフトに入力する、それをグラフにする、自分たちが撮影した写真で発表に使えそうな写真を選ぶ、位置などの地図を著作権の問題がないように手書きする、ワードプロセッサーでポスターを作る、プレゼンテーションソフトで口頭発表資料を作る、原稿を作るなどを分担した。
 7月28日の発表だったが、直前に小学校の科学教室などが入っていたため、早い時期から大和川の水質調査やアリのモニタリングの後にデータ整理や資料作成を行ったり、発表生徒に日曜日などで詰の作業を行ったりした。自分たちの研究が東京で河川の研究者の前で発表するということで、部員全員で頑張って資料を作成した。顧問もアドバイスや一部提案などはおこなったが、基本部員たちの研究なので、自分たちの好きなように作成するように指導した。
 いよいよ7月27日に大阪を飛行機で出発し羽田空港に到着した。28日の発表会が朝の9時30分までに入場してポスターのセッティングも終了している必要があったので、前日に東京に到着した。せっかくの東京だったので、ホテルの近くの浅草寺や東京スカイツリーなどを見学したのち、ホテルで発表の練習をして就寝した。
 発表当日になり、発表場所は東京大学伊藤国際学術研究センターで行われるので、地下鉄を乗り継いで8時30分には会場に入り受付を済ませ研究ポスターを指定された場所に掲示した。開会式が行われ、記念講演がおこなわれた。幅広い河川関係者がいるので、記念講演は専門的な内容をわかりやすく説明されていた。そののちグループAの発表者が1人持ち時間2分というタイトな時間で口頭発表を次々と行っていた。新北島中学校科学部はグループCだったので、部員にしっかり大学の先生や研究者の発表の仕方を見るように伝えた。口頭発表の後はグループAのポスターセッションだったので、大和川に関係ある研究を部員に伝えたうえで、自分の興味のある研究を聞いてきなさいと言ったところ、2人の部員はいろいろな研究を聞いていた。部員が2人いたので、その分気後れすることなくポスターセッションに参加することができていたので、部員2名の参加でよかったと感じた。今回の発表会は100以上の発表があり、行く前は発表が多すぎると思ったが、行ってみると2分間で研究のイントロダクションを聞くことができ、河川に関するいろいろな事を知ることができた。また、より深く知りたい場合はポスターセッションで聞くことができ、非常に有意義な発表会と感じた。
 昼食はせっかく東大に来ているので、東大安田講堂の地下にある学生食堂で食べた。夏休みだったが、いろいろなグループが来ていたので混んでいた。また、東大土産を買いに生協に行った。
 グループBの口頭発表とポスターセッション(この時も部員は時間ぎりぎりまで研究の説明を聞いて回っていた。)が終わり、いよいよグループCの口頭発表になった。口頭発表をする3年生の部長は前方の指定された席にすわり、順番がきて発表をおこなった。
 発表については、2分間の時間を守るように指示したが、ほかは基本的に部長に任せていた。いままでいろいろなところで発表してきた3年生部長だったので、制限時間を守りつつ中学生らしいいきいきとした発表ができていた。本人も満足そうにしていた。口頭発表の後はポスターセッションだったので、今度は2年生の副部長を加えた2名でポスター前に立って説明をしていた。中学生が声をかけると研究者の方はいろいろと質問やアドバイスをしてくれていた。嫌な質問や揚げ足を取るような質問などはなく、中学生が今後も研究を頑張るようにという感じで真剣に中学生の研究に耳を傾けていただいた。部員にもらったアドバイスをすぐに科学部ファイルに記録するように指導していたので、アドバイスや疑問点をしっかりと記録することができた。また、説明を聞いてもらった研究者の人にアルゼンチンアリの標本を渡すことにしていたので、ほとんどの人が受け取っていた。(アルゼンチンアリの標本だけもらいに来た研究者もいた。)40分のあいだで10名以上の研究者が来られてアドバイスをしていただいた。アドバイスは後日他の部員にも説明して共有化した。
 閉会式で参加者の投票で選ばれる優秀発表者賞に、3年生の部長が選ばれ河川財団の理事長から賞状をいただいた。大人の研究発表会で中学生が頑張って発表していたので投票に入れてもらったのだと思ったが、3年の部長もしっかりと発表できていた。頑張った3年生の部長や手伝った2年生の副部長はうれしそうにしていた。
 閉会式は18時を過ぎていて大阪に戻ると深夜になるためもう一泊することになっていた。閉会式後は懇親会があったがお酒も出る席だったので退出して、東京見物をしたのちホテルにもどり就寝した。
 最終日は、せっかく東京に来たので国立科学博物館を見学した。中学生は無料なのだが、たまたま29日が『教員のための博物館の日』で顧問も無料で入ることができた。大阪にもいろいろな博物館があるが、国立科学博物館は建物が2つもあり展示物も圧倒的に多く正直うらやましく思った。
 上野駅の向かう途中で世界遺産になったばかりの国立西洋美術館の前を通って大阪に戻った。なれない東京での発表であったが、充実した3日間で部員達も経験することが大きかったと感じた。

河川基金研究成果発表会のウェブページ
https://www.kasenseibikikin.jp/common/frame/module/getFile.php?type=fileinfoup&p=info_105_01.pdf&token=014648f7a45c1277719e1e338ce7de3615033538


東大の赤門前で記念撮影

発表場所の東京大学伊藤国際学術研究センター

ポスターの前で記念撮影


口頭発表の様子

3年生部長が指し棒を使ってポスターで説明中

交代して2年生副部長が説明している。


優秀発表者賞を受賞して表彰されているところ

国立科学博物館で興味津々にいろいろな展示を見て回っているところ。(写真撮影可)



速報レポート1 新入部員集め
速報レポート2 大和川の水質調査(体験入部)
速報レポート3 大和川の水質調査と清掃活動(新年度最初)
速報レポート4 大阪市立自然史博物館見学
速報レポート5 大和川の水質調査
速報レポート6 アルゼンチンアリの調査(平林地区)
速報レポート7 河川基金に採択される
速報レポート8 アルゼンチンアリの調査(新北島地区)
速報レポート9 プレゼンテーション道場(民間会社)
速報レポート10 校内アルゼンチンアリ調査
速報レポート11 大和川河口の水質調査
速報レポート12 大和川源流調査Ⅰ 初瀬川上流
速報レポート13 アリの同定作業
速報レポート14 降雨後の大和川河口の水質調査
速報レポート15 全校生徒にアルゼンチンアリの調査について説明
速報レポート16 アルゼンチンアリの調査(平林地区)
速報レポート17 アリの同定作業
速報レポート18 アリのモニタリング調査(新北島地区)と学校野菜園整備
速報レポート19 アリの同定と亀の水槽の掃除
速報レポート20 大和川源流調査(石川上流の滝畑)
速報レポート21 校内アリモニタリング調査と同定作業
速報レポート23 大学の先生が新北島中学校科学部に
速報レポート23 地域(住之江区)での発表活動
速報レポート24 学校野菜園の雑草抜きと平林地域のアリのモニタリング調査
速報レポート25 新北島地域のアリのモニタリング調査
速報レポート26 アリの同定作業
速報レポート27 雑草の堆肥化
速報レポート29 大和川河口の水質調査
速報レポート29 大和川河口近くの清掃と水質調査
速報レポート30 全校集会での説明と大阪府立大学生の研究の手伝い
速報レポート31 小学生への科学教室の実施
速報レポート32 東京大学での発表
速報レポート33 大和川河口の水質調査(朝昼夕)とアリの同定作業
速報レポート34 大和川河口にある堺市立三宝下水処理場を見学
速報レポート35 大和川の源流調査Ⅲ 千早川の水質調査
速報レポート36 アリのモニタリング(新北島地区)と同定作業
速報レポート37 アルゼンチンアリの巣の撃退と校内モニタリング
速報レポート38 大阪府立鳳高校との研究交流会と資料作り
速報レポート39 全校集会での賞状伝達と発表会に向けた資料作成
速報レポート40 アルゼンチンアリの調査(新北島地区・平林地区)と同定作業
速報レポート41 なにわの伝統野菜の栽培
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速報レポート43 大阪市中学校生徒理科研究発表会
速報レポート44 体育大会でのクラブ紹介(ESD活動の宣伝)と河川基金だよりの掲載
速報レポート45 大阪府学生科学賞 優秀賞(大阪府教育委員会賞)受賞
速報レポート46 サイエンスキャッスル研究費ウシオ電機賞に採択される。
速報レポート47 大阪市立中学校総合文化祭 出場

■別年度のレポート
2015年度 大阪市住之江区新北島地区のアリのモニタリング調査とアルゼンチンアリ(特定外来生物)の駆除 実施レポート

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